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ウチの子 発達障害!?vol.96~100

vol.96「今はやりたいことを!」

 現在、息子は工業高校の建設科1年生に在籍していて、2年生からは建築と都市工学(土木)のどちらかのコースを選択することになっている。建築にしようかなと迷った時期もあったようだが、やはり入学前からの「測量をやりたい」という気持ちが強く、最終的に都市工学を選択することを決めた。
 1月にコース選択のための二者面談があり、「なぜそのコースへ行きたいのか」「就職はどのようなところを考えているのか」など尋ねられたそうだ。就職については私が以前から「やりたい仕事よりも、これだけは無理だと思うものを考えておくといいよ」とアドバイスしていたこともあってか、息子は「力仕事はイヤです」と答え、先生に大笑いされたとのこと。こういうところが息子の面白いところなのだが、建設科に入っておいて「力仕事はイヤ」なんて、よく言ったものだと思う。
 都市工学コースを選択したからといって、必ずしも土木系に就職するわけではない。まずは好きなことを勉強して、それが就職にもつながっていくといいなと思う。(2019.2)

vol.97「発達って差別用語?」

 高校生の息子がまだ幼かった頃、「発達障害」という概念はあまり知られていなかった。今は広く認知されるようになり、理解が進んだという点では良かったと思うが、インターネットでの無責任な発信が原因か、悪いイメージばかりが先行しているようだ。
 相手の考えが自分と違っていたり、相手に否定されたりひどい言葉で攻撃されただけで、相手のことを「アスペ」や「発達」呼ばわりする人をインターネット上ではよく見かける。ネットでは「発達障害」がただの差別用語になっている気がするのは私だけだろうか。
 確かに発達障害の子どもや大人への対応に困っている人もいると思うが、そういった場合は学校の先生や職場の上司に、困っていることを根気よく伝えてほしい。相手の気持ちに気づけないのも発達障害の特徴なのだ。
 私たちは「理解してほしい」と伝えつつ相手の気持ちを察することができるよう努力もしてきた。その一方で周りに気づかれないよう努力している人も多いと聞く。発達障害の人たちの思いも知ってほしいと思う。(2019.3)

vol.98「大切な4つの力」

 昨年度、ありがたいことに通級指導教室親の会から卒業生の親である私にも誘いがあり、11月と2月の勉強会に参加してきた。参加者からの「中学進学に向けて準備しておいたほうがいいことはあるか?」という質問について、勉強会の進行役だった川崎市教育委員会指導課の方は、①自己理解、②適応力、③振り返る力、④援助要請の力、の4項目を挙げた。基礎的な学力はもちろん必要なのだが、何よりも「知っていることを生活の中で使いこなせることが大切」ということだった。
 当時息子は、通級指導教室に遊び感覚で通っていたので、自分がなぜ、何のためにわざわざ授業を抜けて教室に行くのかなど考えていなかったと思うが、深く考えなかったことがかえって良かったかもしれない。自分の得意不得意については、最近ようやく一度に二つのことをできないことに気づいたようだ。記憶力の良さにはまだ自覚がない様子。それでここまでよくやってきたなぁと思う。
 さて高校生活も2年目に入った。今年はどんな面白いことがあるか楽しみだ。(2019.4)

vol.99「大切な人とのつながり」

 息子が小学5・6年の時にお世話になった担任の先生が3月末で退職され、もう会えないかもしれないと残念に思っていたところ、先日近所でばったりお会いした。退職後も同じ小学校に勤務されていて、4月からは息子と仲の良かった同級生の妹さんの担任をされているそうだ。
 その同級生は、当時息子と小田急線の話で意気投合して仲良くなった男の子。先日の家庭訪問でお母さんから聞いてきたと、懐かしい友人の近況を先生から教えてもらって、息子も嬉しそうだった。
 思えば、進学先が別になってしまった中学入学当初、息子はその友人との思い出をよく話していた。最近はそういうことも減ったが、友人も自分のことを気にしてくれていると、息子が知ることができて良かったと思う。
 会う機会がなくなっても、こうして伝えてくださる人がいて、お互いが友人でいたことを忘れずにいられるのはいいなぁと思う。またいつか二人が再会できる日が来ますように。(2019.5)

vol.100「こんなのも一つの方法として」

 高校生になってからというもの、今までの学校生活がまるで嘘のように楽しく過ごせている。ただ親としては、彼のちょっとドジでお人好しなところはすぐに友だちに見抜かれてしまうだろうと予測していたので、対応方法をこっそり彼に伝授しておいた。
 例えば彼は入学直後から、テスト前後の提出物の代行や、昼休みの食堂への買い物などを友だちから頼まれていた。「いいよ」と助けてあげるのは彼のいいところ。でも常態化すると都合のいいパシリにされてしまう。そこで私は彼に、本来自分でやるべきことを人に頼むのであれば、それなりの報酬を支払わなくてはならない、というルールを教えた。だから息子は友人からあれこれ頼まれると、相手と交渉して互いに納得できる報酬を決めている。お金を出してまで…と思う子から頼まれることはない。
 ただそれだけのことだが、息子は他人のレポートや宿題で大変な思いもせず、意外にも周囲との関係も崩さず上手くやっている。もちろん誰でもこのやり方で上手くいくわけではないが、息子の人柄に合っていたのだと思う。
(2019.6)


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