ウチの子 発達障害!?vol.56~60
vol.56「息子は人気者!?」
中学生になった息子はあまりに勉強ができなくて、最近はそのことばかり書いていたので、たまには息子のいいところを書こうと思う。
今までも息子は、一部を除いていろんな子どもたちから可愛がられてきた。中学生になりその辺はどうかなぁと心配したが、部活も入らず決まった友達もいないのに、上級生からも同級生からも、性別を問わずいろんな人に声をかけられ、楽しい学校生活を送っている様子だ。何の取り柄もなく自慢できるようなこともない息子で、つまらないと思うことも多かったけれど、出会う人には本当に恵まれていて感謝している。生きていく上で、そういった“運”を持っているのは大事なことなのかもしれない。
息子を育てる苦労は多いけれど、私もいつも息子に笑わせてもらい、楽しい気分にさせてもらっている。笑顔になれない時期も経験してきたが、あの頃のいろんな出来事も、今なら「仕方ないかぁ」と息子と笑い飛ばすことができるかもしれない、と思う。(2015.9.24)
vol.57「周りと一緒を望むことよりも大事なことがあるんじゃないですか?」
小学校の通級懇談会に呼ばれ、中学生になった息子の様子を話す機会があった。主に学校での様子を話したが、参加していた母の多くがそれよりもスマホやLINEについて知りたがっていた。「中学になったらスマホは持たせるもの」という思い込みや、「LINEをやっていないと仲間外れにされるのでは?」という不安が見てとれた。
でも私が行った先は通級懇談会で、主にコミュニケーションに問題を抱える“周りとちょっと違う子”を持つ親の集まりだ。同級生とLINEができればコミュニケーション能力が上がる、仲間から外されない、というわけでもないと思う。親が安心感を得たくていつまでもいつまでも「周りと一緒」を望む気持ちも分からないではないが、「周りと違う部分」を少しずつ受け入れていくことも必要だと思う。そしてその“人と違って困っている部分”の中に、もしかしたら良い方向へ変わっていくヒントが隠されているのかもしれない。
ちなみに息子はスマホ・LINEに興味なし。タブレット端末は動画を見たり鉄道のことを調べたりと使いたい放題だが、私との最低限の約束ごとは守っているようだ。(2015.10.29)
vol.58「自分の特徴に気づく」
息子の歯が生え変わり始めてから歯並びの悪さが気になり、歯列矯正をするために、ここ何年も歯医者に通っている。幸い病院は大好きなので、歯医者へ行くことも楽しみで仕方がないようだ。
先日、下から永久歯が出てきているのに乳歯が抜けていないので「抜いた方がいいですよ。」と言われ、私も抜くことに同意した。でも息子は麻酔をするのを嫌がって、30分ほど涙をポロポロ流しながら拒否。「今抜かなくても、来月には抜かなければならないよ。」と歯科医と歯科衛生士に諭されて、悩んだ挙句やっと観念して歯を抜いてもらった。
実はまた来月も抜かなければならない歯があったので心配だった。ところが帰る途中に息子が「もう次からは歯を抜くの大丈夫。」と言ったのだ。なかなか麻酔を打ってもらう決心がつかなかったのは、「あの歯医者で歯を抜くのが初めてのことだったから。」だそうだ。息子の口から、初めてのことに戸惑いを感じるということが出てくるとは思っていなかった。療育センターで指摘されていたことを自分で自覚できるようになったことに、また一つ、息子の成長を感じた。(2015.11.26)
vol.59「塾なんて…と思っていたけど…」
「学習塾に行かせるなんてなぁ」、正直そう思っていた。私は塾に行ったことがなくて自分で勉強してきたから、息子の勉強も私が教えて何とかしてやろうと思っていたのだ。けれど後期中間テストの結果も散々だった。私が懸命に教えた教科ですら、全く点数が取れていなかった。テスト前、息子は勉強させられるのが嫌で、私は怒ってばかりだった。点数を取れないだけでなく、このままでは親子関係もまた昔のように悪化してしまう…と思い、ついに塾に頼ることに決めた。
塾通いの目的はもちろん成績上昇のため。でも成績が必ず良くなる保証はないのだから、学校の授業に遅れをとらないこと、そして勉強を少しでも面白いと思ってもらうことの方が大事だと考えている。何より私が息子に勉強しろと怒鳴る回数が減るなら大変ありがたい。
「私が何とかしてやる」なんて思っても、どこかで限界が来るんだなぁと痛感した。我が子だからこそ感情的になってしまうし、思い通りにさせようと必死になってしまう。そうやって我が子を潰してしまうのも親。今回は親子関係を見直す良い機会になった。(2016.1.28)
vol.60「10回目の発表会へ向けて」
息子は小さい頃から音楽教室へ通っている。少しも上達しないし、練習もイヤそうだし…。私は何度も「いつやめてもいいから」と言ってきた。でも息子は「やめたくない」と言う。こんなやり取りを繰り返しながらも、通い始めて10年が経つ。
こんな調子でも発表会だけは必ず出ているのは、息子が目立ちたがり屋だからだと思う。思えば通い始めた最初の年、発表会に出るかどうかと聞かれ、発表会が何なのか分かっていないと思われる息子にも一応尋ねてみたら、間を置かずに「出る」と答えたのを今でもよく覚えている。当時は私との会話もほとんどできず、息子に言葉の遅れがあるのではないかと悩んでいた時期。だけどこういう意思表示だけはしっかりしていた。
そして今年もまた発表会に出るのだが、練習となると「あ~、めんどくさい」が始まる。発表会はグループ演奏なので他の子の足を引っ張ってはならないと、私ばかりがいつも必死である。(2016.2.25)