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エラリー・クィーン「ギリシャ棺の謎」
昨夜、「古畑任三郎 2時間SP」を観ていた。
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ゲストは藤原竜也と石坂浩二。
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この三谷幸喜の脚本が本当に素晴らしかった。これこそ、「完全犯罪」だとさえ思った。
藤原竜也の役名は「音弥」。これは横溝正史原作の1977年の映画「八つ墓村」で萩原健一が演じた主人公「辰弥」を想起させた。
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さらに、石坂浩二は市川崑監督の映画「犬神家の一族」ほか「横溝正史映画」で、「金田一耕助」を演じている。
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つまり、この「古畑任三郎」は「横溝正史」へのオマージュだと確信した。
さらに、「古畑任三郎」は三谷幸喜が大好きだった「刑事コロンボ」に対するオマージュだ。
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その「刑事コロンボ」を作った二人のプロデューサーは「ウィリアム・リンク」と「リチャード・レビンソン」。
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二人のプロデューサーが「刑事コロンボ」の製作後、作ったドラマが「エラリー・クィーン」なのだ。
つまり、「エラリー・クィーン」→「刑事コロンボ」→「古畑任三郎」とオマージュの連鎖が成り立っている。
「エラリー・クィーン」が書いた著作の数々は「古畑任三郎」に多々影響を与えている。
「古畑任三郎」の山城新伍が犯人の回の「真犯人である証拠」は「エラリー・クィーン」の「Xの悲劇」で使われた「真犯人である証拠」かそのまま使われている。
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「エラリー・クィーン」は僕の世代では「アガサ・クリスティー」「F・W・クロフツ」「ジョン・ディクスン・カー」「S・S・バンダイン」と並ぶ、いやそれ以上の「本格推理作家」の最高峰。
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作家の「あさのあつこ」さんが昨日の新聞に書いていた。
10代は「エラリー・クィーンにどハマりした。そして、50歳近い今、エラリー・クィーンを再読してみると、その暗い雰囲気を感じられる様になり、ますます好きになった」と。
僕も新訳の「ギリシャ棺の謎」をAmazonで買い求めていた。
昨夜からドキドキしながら、読み始めている。
高校時代、読んだ創元推理文庫の「ギリシャ棺の謎」は井上勇の訳。
早川ポケットミステリーの「エラリー・クィーン」の翻訳は青田勝で、僕は井上勇訳が何故だか好きだった。
高校時代、解決編を読み終わった時、何が何だか分からず、3日間、僕はアタマの中で「トリック」を反芻した。
そして、ようやく理解した。
解決出来た瞬間は「エラリー・クィーン」に心から拍手を送りそうになったのを今でも鮮明に憶えている。
「ギリシャ棺の謎」、500ページ近い分厚い文庫本だが、ゆっくり楽しんで読もうと思っている。
「エラリー・クィーン」の最高傑作で、僕のミステリーの原点でもあるのだから。