④私が手術台の上で『みなさん、よろしくお願いしま〜〜す』と大きな声で言った日の前後のはなし=その④
健康診断を受けた日から、約2ヶ月。
2016年6月20日入院
初めての手術しかも開腹、大部屋の環境下で乗り切れる自信がなく、
差額ベット代日額1万円の個室入院生活スタート。
この判断が間違いでは無かった、いや大正解だったと声を大にして伝えたい。。そこのあなたに。。。
そこはおじさん達ばかりであった
私に与えられた個室は男性ゾーンの一番奥(反対側が女性ゾーンだったかは謎)
この病院の肝胆膵外科入院患者さんは全員おじさん?と思わずには居られない面白ポイントがチラホラ環境のもと、私の入院生活は始まりました。
部屋に到着後まずした事、入院直後に息子の仲間母から届いた写真と、子どもの頃ひな祭りに母が作ってくれたお料理を前に満面の笑顔で姉達と並んだお守り写真、母が亡くなる前に母のベッドを囲んで家族で写した写真を院内コンビニでプリントアウト(A4サイズ)。
これを壁に貼るためのマスキングテープも家から持参(入院前に保険会社から急ぎで取り寄せた保険請求時に提出するための診断書を持って来ることは忘れても、マスキングテープは忘れませんでした。そういうタイプの人です私)
「私たちが入院中の主治医、主主治医です」
そうなのね、大学病院のシステムですか?
経験がないので分かりませんが入院中は教授先生が主治医ではないのです。すっごく若い子どもみたいなプクプクした体型(幼児体型)の主治医と主主治医(医学部で講師)が登場。
「私たちが入院中の主治医、主主治医です」初めまして。
そうなのね、急に登場されても、初めましてとか不安。。
でも今、考えてみたら。教授先生が主治医だったら、それはそれで話がややこしかったな、それはそれで無理言いにくかったな。
痛みに超弱くて、大きな怪我をした時、手術で麻酔の効きが悪く悶絶した話とか聞いて笑ったり出来なかったな(プクプク)、何で医師になろうを思ったのかなど入院中に色々聞いたけど、綺麗さっぱり忘れました。笑
手術前(それも前日の夜)説明(怖いことの可能性を全て説明)は、眠れない場合に飲むように処方された眠剤が全く効かなくなる程のそれ。
あれいる?答え、いるんです。
ギリギリまで何かを口に入れ、
水分ガブガブ飲んで、日付が変わって絶飲食スタート。
カウントダウンは始まった。
怖い。
10時入院・12時昼食・16時シャワー・18時夕食・19時術前説明・24時絶飲食スタート
その日はやって来た
2016年6月21日
エアコンの効きが悪く、脳内は怖いことの妄想いっぱい、
喉も乾く、絶飲食、
で、あまり眠れず手術当日の朝を迎えました。
お腹すいた。喉渇いた。そして、怖い。
とっくにお腹は鳴り出してます。
手術は14時45分ごろスタートの予定。
なのに?確か、8時過ぎごろから点滴が始まりました。早。
手術まで6時間超
しつこいようですが食べることも、飲むこともできません。
お昼頃に家族達が来るまで喋り相手もいない。ひま。
そうだ!
(持って来てるけど)
コンビニに行って髪の毛を結ぶゴムを新調しよう(今?)
看護師さんに一応の確認
「売店に行って来てもいいですか?」
「時間まで自由に過ごしていいですよ、でも飲食はダメなんで」
この念押しの注意は何ですか?笑 こっそり食べる人とかいてるの?とか面白妄想しつつ、点滴ゴロゴロ押しながら院内コンビニにゴムだけを買いに行く。
もうする事は何もない。
家族たちが来るまで、ベッドでゴロゴロ、好きな音楽を聴きながら過ごしました。
確か、前の手術が押して実際スタートが16時くらいになったような記憶。
お迎えの時間になり、その時はきた。
主治医、主主治医、病棟担当看護師さんが病室に迎えに来てくれ、
点滴のゴロゴロを自分で押し、
歩いて隣の棟にある手術室まで、
歩いて行くという驚きの展開。それが結構遠いのです。
(歩きながら遠さを先生方が謝ったほど遠い)
この時間が本当に怖かった。怖い場所に自分で歩いて行くって。しつこい。これは普通なんですか?
イメージと違う。ドラマの観過ぎ
ビビりながら手術室へ向かう私をリラックスさせようと話されたのか?
肝胆膵外科がなぜ手術室から遠いのか?という内情を先生方は面白おかしい風に教えて下さいましたが、そんなこと今はどうでもいい。。と、思いながら「へぇ〜」「え〜」といいつつ、ゴロゴロ歩き手術室へ向かう。恐怖
近代的な自動ドアが開き、明らかにそれまでの景色とは変わる
銀色ピッカピカの眩しい手術室に到着
その場所に一歩足を踏み入れてから、夢を見ているようなフワフワしたような感覚になり。でも記憶はやけに鮮明。
ズラッと番号が書いた沢山の手術室?が並んでいて、呼び込まれたところにフワフワ吸い込まれる。
さむ!!!この場所、すっごく寒い。
名前の確認があり自分の名前をフルネームで答え、始まった感。
これから私が命を預けるチームの皆さんに迎え入れた感覚。
その時にふと思った。
言いたい。
言われるがままにフワフワと手術台にのり、
謎の何かを吸わされて眠らされてしまう前に言いたい。
今言いたいと思ったこれを言わなければ、この旅のスローガンに反します。
わたしの気持ちの中に一点のくもりもなく手術を迎える。
その為に行動する。そのために、後悔なく動く。
その日が今日、今日で終わりになるのか、今日からまた新しいことが始まるのか分からないけど、この2ヶ月の私の目標は今日の私の心の中の景色。
これから私が命を預ける、先鋭私チームのみなさんに言いたかった。
もし、万が一、手術中に何かが起きるかも知れない、
万が一が起きた時に思い出して、
いつもより何かを頑張ってくれるかも知れない、
そんな時はいつもより頑張って欲しい。
こんなこと言わなくても頑張ってくださる、でも言いたい。
言う前に眠るわけにいかない。
この2ヶ月間、自分で選択し決めたことを後悔しないように握り拳を心の中に作りながら頑張った。
この2ヶ月間、私に携わってくれた全ての人に感謝しながら、
私の気持ちの中に一点のくもりもなく今日を迎えることが出来た。
そこで最後にまだお願い。
手術室にいる全員に聞こえるように大きな声で、
それも少し泣きそうな、でもここは大きな声で、
「みなさん、よろしくお願いしまぁ〜〜〜〜〜〜〜すぅ」
(動機はちょっと不純、何かあったらいつもより頑張って)
近くにいた方の返答が聞こえ、
キンキンに冷え切った冷たい手術室に一瞬エネルギーを感じて、
横について下さっていた年配の看護師さん?が、私の左腕を温かい手でさすり、左手を握ってくれながら「大丈夫ですよ、頑張りましょうね」と言って下さり。じんわり泣き。夢の中。
今日はこの辺りまでにします。
続きはその⑤で。
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