世界に広がり続ける、楽しく学ぶ防災教育の輪 - イザ!カエルキャラバン!を事例に
2021年6月9日(水)JICA地球ひろば主催セミナー
【記事転載:JICA地球ひろば】
NPO法人プラス・アーツの永田 宏和 理事長より、防災訓練「イザ!カエルキャラバン!」のコンセプトと、国内外の地域での取り組み事例についてご紹介いただきました。
永田氏が大切にされている、今ある何かを作り直す「+(プラス)クリエイティブ」の発想は、様々な制約の中で行動する時のヒントになりそうです。参加者からは、「世界各国に防災を楽しく学ぶ仕組みが根付き、さらに広がっていっている事に感動しました」などと感想をいただきました。プログラムの海外展開の秘訣や登壇者の素敵なお人柄などについてたくさんの質問やコメントが寄せられ、大盛況の90分でした。
【考察】
国内だけでなく、海外への取組み展開が行われている
今回、オンラインセミナーで紹介された「イザ・カエルキャラバン」防災訓練プロジェクトは、国内外の地域と連携した取り組み展開について、スカウトたちが考える地域社会との防災テーマ以外でのプロジェクト企画および実行に際しても参考となる内容が沢山ありました。
カエルキャラバンは、1995年の阪神淡路大震災の体験者へのインタビューをもとに作られています。カエルキャラバンについては、次の動画をご参照下さい(3:14)。
特に、注目する点は、この防災プログラムのローカライズいついて苦慮された取組み展開だと思います。しかし、下記の「参考資料」にある講演会資料のスライドからだけでは、細かな理解を会得するのは難しいかも知れません。セミナー講演の録画が公開されると、細かな理解が出来るのですが、残念ながら、今回の公開動画はありません。
ボーイスカウトにおいては、メッセンジャーズ・オブ・ピース(Messengers Of Peace)そしてスカウト・フォア・SDGs(Scouts for SDGs)の目指すゴールは「より良い世界の創造」(Creating a Better World)ですが、カエルキャラバンの取組み推進団体であるNPO法人「プラス・アーツ」も『地域の人たちが、お互い仲良く、生き生き暮らす元気なまちになることを「地域活性化」ではなく「地域豊饒」(*1)』を基本指針にしています。
(*1)豊饒(ほうじょう)とは、土地が肥えていて作物が
よく実ることやそのさまを指す言葉。
特に、世界スカウト機構(WOSM)は、世界中のスカウト仲間と共に、地域社会と協調した取組みプロジェクトを推奨しています。地域と連携・協調した取組みについて考え、実践して行くことは、今後の国内外プロジェクトの企画かつ実行において、学ぶ点も多々あると思います。
カエルキャラバンは、既に国内500回以上の取組み実績があり、海外についても20ヶ国以上に展開が行われています。
最後に、このプロジェクトが長期間継続かつ拡大して来た背景には、プロジェクトを企画して実行する人たちの熱い情熱と固定化にとらわれずに、その地域や時代、環境条件に応じた柔軟な対応が求められます。そして、いかに持続可能なプロジェクトとして発展させることが出来るかが重要だと思います。
【参考資料】
NPO法人プラス・アーツの活動に関する紹介資料(注)ホームページアドレスなど記載)(PDF/321KB)
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