ほのぼの小話#5
「ネズミくんの想い」
おじぃさんと、ネズミくん、二人の想いも重なり、
足取りはどんどん早まっていました。
体力に自信のあるおじぃさんでしたが、
言葉も減り、息が切れるようになっていました。
どうやら、山の奥に進みながら、高いところまで登って来ていたようです。
「はぁ、はぁ。」
「よいしょ、どっこいしょ」
かけ声をかけながら、辺りを見回しました。
「ネズミくん、大丈夫かい?」
静かに振り返ったネズミくん、少し小さく見えました。
「少し休もう。だいぶ高いところまできた」
見下ろすと、溜め息が出るような絶景が広がっていました。
「だいぶ歩いたな~。フクロウさんの居る場所まであとどれくらいだろうなぁ。」
「そうですね、この峠を越えた先ですね。」
「そぅかそぅか。もう少しじゃな!」
少し先が見えた気がして、おじぃさんにもようやく笑顔が戻りました。それにつられるようにネズミくんも、少し微笑み返しました。
「ここまで、長く歩いて来てわかったよ。」
「昔の人が探せなかった理由が。」
ネズミくんは、だまって聞いていました。
「道しるべもない、あてもなく歩くことが、どれだけしんどいことか。。」
「わしは、途方もないことしてるんじゃろうか、、」
ネズミくん、少し体を揺らしながら
「正解はないと思うけど、、」
「この旅に参加してから、おいら、心が毎日熱く燃えているんだ!これまで生きていて、こんなワクワクしたことなかった!それがとってもうれしくて♪」
ネズミくんの目に涙が溢れていました。
そんなネズミくんを見て、おじぃさんも、目頭が熱くなって、しばらく、無言で絶景を眺めていました。
長い道中、弱気になりかけたおじぃさん。
ネズミくんの励ましのような言葉に、心をあたためられ、また前を向くのでした。
フクロウさんの居る山奥まであと少し。
つづく
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