【レバノンの経済状況】
【レバノンの経済状況】
レバノンは今、経済が危機的状況だ。
以前は一ドルが一五〇〇レバノンポンド。
でも今では二五〇〇〇レバノンポンドだ。
二十倍以上、高くなっている。
にも関わらず、国民の給料は以前のままだ。
要するに国民にとっては物価が二十倍以上、高くなっている事になる。
なんでこんな事になっているのか現地の人に聞いたが、要するに政治家が横領していると言う事だ。
どの国でも、政治家や国のトップの連中はロクな事をしない。
中にはそうではない人もいるだろうが、少ないだろう。
何故そう言う人達の全員が全員、そんな事になってしまうのだろうか。
人間は巨大な権力や財力を得ると、頭がおかしくなるとしか思えない。
身に余る力や富は、身を滅ぼすのだ。
しかも多くの場合が、自分の身では無く周りの人の身を滅ぼしている。
そんな事をして何が嬉しいのか、僕には分からない。
自分がどんなに幸せでも、すぐ隣に泣いている人がいたら素直には喜べない。
でもそんな事は一切感じない人が、この世にはいるらしい。
経済がこんな状況のお陰で、電力会社もまともに機能していない。
夜中は大体どこの家でも、電力は落とされ停電になる。
街の街灯も大体の場所は機能しておらず、夜は街中でも道が真っ暗だ。
更には信号機も点灯していない場所が多い。
なのでどこの交差点も大混乱だ。
そして今は少し前よりは大分マシになったらしいが、物の値段が毎日変わる。
昨日買ったものと同じ物を今日買おうとすると、値段が少し高くなっている。
何故かと聞くと、今日の値段はこれだと言う。
外国人なのでぼったくられている可能性もあるが、そんな雰囲気でもなかった。
おそらく本当なんだと思う。
その証拠にタクシーやバスの値段も毎日変わる。
ウーバーなどの事前に金額知れる様な場合でも、例え同じ距離だったとしても表示される金額が違うのだ。
時間帯などにもよるだろうが、二倍くらい値段が変わっている時もあった。
それだけガソリンの値段も、毎日変わっていると言う事だ。
それからクレジットカードはほぼ使えない。
またウーバーの話になるが、注文した時にカードで支払ったにも関わらず、降りる際に現金で払う様に要求された事がある。
話を聞けば、銀行もまともに機能していないらしい。
カードで支払われても、銀行からお金を引き出す事ができない様だ。
ATMもお金の入っていない所が多く、場所や時間帯を選ぶ必要がある。
そして更にもう一つ。
僕は幾らかのレバノンポンドを持って帰国した。
でもレバノンの経済状況の影響で、こちらではどこの両替所でも両替できない。
これはもう一度レバノンに行って使うしかない。