1+1は
双子座は多角的にものごとを捉えるのが得意と言われたりします。実際どの程度できているのかよくわかりませんが、そういう多角的視点は持っていたいものだなぁとは思います。それって、ものごとを柔軟に捉えていくということでもあると思うで。
忘れられないワンシーン
話は変わりますが、私が小学生の頃に放送していたドラマの中で、忘れられないワンシーンがあります。
ストーリーなんてほとんど覚えていないぐらいなのに、強烈に覚えているシーンがひとつだけ。
公園のような場所で、主人公は先生に
「『1+1』はいくつだ?」
と問う。先生はその質問に戸惑いながらも、『1+1』は2に決まっているだろうと答える。
すると主人公は足元の土(砂)を右手で握って左手に乗せ替える。
「1足す、」
もう一度、右手で土を握り左手に乗せ替える。
「1は、」
ふた握り分の土がこんもり乗った左手を先生にみせながら、
「『1+1』は、おっきな『1』になるだけだ!」
子供ながらに衝撃的なシーンだった。
「もしも学校が…!?」というドラマのタイトルは覚えていたので、気になって調べてみると、その第4話に登場するシーンだった。
このシーンは印象的だったようで、ドラマのことを調べているときに、このシーンのことを書いていらっしゃる方は多かった。
『1+1』はおっきな『1』になるだけ
このセリフが忘れられなくて、自分が中学生になったときに、当時の数学の先生に「『1+1』はなぜ2なのか。おっきな『1』じゃダメなのか」と質問したことがある。
実はあまり好きな先生ではなくて、先生を少し困らせてやろうという意地悪な気持ちもあったのかもしれない(なにせ反抗期ど真ん中のお年頃…)。
そんな私の質問に対して、その先生は
「1+1が2になるのは『加算の法則』によるからで、それによらないときは、おっきな1でも間違いではない」
というような答えをくれた。私はドラマの中の先生のような答えが返ってくると思っていたので、予想外の答えを返されてびっくりしたけれど、「あ、そっか」と思った。それでいいんだ。目から鱗だったし、ものすごく腑に落ちる答えだった。
その答えに私はなんて返したか覚えていない。でも、先生がくれたこの答えは、このドラマのワンシーンと一緒に、私の中にずっと残っている。
多角的視点
双子座の多角的視点を考えていて、ドラマの中のワンシーンと、自分が中学生のときの先生の答えを思い出した。
そう、「1+1」の答えが「おっきな1」になっても間違いじゃないかもしれない。
「1+1は?」という質問に、私たちはたぶんすんなりと「2」と答える。そこで「いやいや、2とは限らないじゃん。おっきな1かもしれないし」とか「『いーっぱい』でもいいんじゃない?」なんて考えていたらまどろっこしいし、算数、数学の問題が解けない。
でも、「2とはかぎらない」のような考えを巡らせることも多角的な視点でものごとを考えるってことなんだろうし、双子座はそういう考えに至る率が高そうな気がする。
いわゆる「常識」の枠からはずれたことも考えてみる。
「常識」や「普通」が万能なものさしではないことを一番よく知っているのは、旅と商人の神様、ヘルメス(水星)を支配星に持つ双子座と乙女座だと思う。
「常識」や「普通」は別のコミュニティーでは全く意味が違ったり、そもそも大した意味がなかったりすることもある。旅をしてそのことを知り、価値の違いを商売で活かす。
「あれもこれも考えられるかも!」と、くるくるといろんな角度から素早く対象を眺めて考えるのは、双子座のような気がする。「常識」の枠を気にせずくるくる考える。
乙女座も同じように考えるだろうけど、「常識」の枠を意識しながら考えていそう。分析するためには比較も大切だから、「常識」の枠の内と外を見ている気がする。「こういう考えもできるよね。…なーんてね、ふふ」とか思いながら。
だから、「多角的視点」というと、圧倒的に手数の多そうな双子座だと思う。
それにしても、私の突然の質問にちゃんと答えてくれた先生に、今は感謝している。やっぱりそれほど好きではなかったけれど、すごく印象に残っている先生ではあるなぁ。