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マレフィック

私は「星占い」を信じていない。
世の中の出来事が占いでわかって、そして回避できることならば、世の中の人が事故や災難に遭うことはもっと少ないと思う。

それと同時に「星読み」は好きだ。
まぁね、言い方変えてるだけで、やってることは同じなんだけど 笑
なんというか、向き合い方と言いますかね。

天を観測して、ホロスコープを眺めて、そして学術的に研究してきた、たくさんの人たちの叡智も占星術にはあるから。
そっちのほうに惹かれるんだと思う。

こういう解釈をしたほうが、より当たるのではないか、みたいな部分。
そのたくさんの解釈(と、その積み重ね)がおもしろいと思う。

今日や今年の運勢を見たところで、すぐに忘れてしまうけれど、この星の動きをそう読んでるのだな、と思うとわりと覚えている。

だから「星読み」という言葉を使いたくなっちゃう。


あるとき、「眠れる森の美女」にでていくる魔女、マレフィセントも、マレフィック天体も「マレ」だなぁと思って、調べてみたことがある。

malefic には、災いをもたらす、有害な、邪悪な、という意味がある。
ラテン語の「maleficus」から来ているみたいで、その「maleficus」には、邪悪な、という形容詞以外に、悪人、魔法使いという名詞の意味もあるみたいだった(素人調べです)。
魔法使いは畏怖の対象だっただろう。
そして、なるほど、マレフィセントは大魔法使いだ。

マレフィック天体の中でも、天王星以遠の天体は、望遠鏡ができて発見されたものだから、まぁ魔法使いみたいなものかもしれないなぁとも思う。

水星であれば、マーキュリー、火星はマース…というように、惑星にはギリシャ神話やローマ神話の神さまの名前がつけられていて、卵が先か鶏が先かみたいなことを考えたことがあった。
水星は動きが速いことから伝令の神マーキュリーを、火星は不気味に赤く輝くため戦争の神マースを連想したところから命名されたそうで、占星術で水星が知性を象徴しているのは、マーキュリーからの連想もあるんだろう。
火星は赤く不気味だし、戦争の神で、わざわいをもたらす凶星だ…とか。

冥王星は冥王プルート、それだけで怖そうなイメージ。
実際、占星術では破壊(死)と再生だとか、重いかんじの意味があったりするから、ホロスコープ上で冥王星が絡んでくると不安に感じる人も多いのだろうと思う。
でも、冥王星に関するそういう不安、恐怖感を持っているような言葉をみかけると、モヤモヤする。

天王星以遠の天体は、18世紀以降に発見されている。冥王星の発見は1930年、まだようやく100年だ。
天体の名前は、使われていないギリシャ神話、ローマ神話の神々の名前の中から命名はされるものの、時代的に占星術的な意味は考慮されていないと思う。実際、冥王星(プルート)命名時に「クロノス」(土星サターンはローマ神話からだけど、ギリシャ神話のクロノスのこと)も候補にあがっていたし。

占星術的にどうかは、占星術のほうでの解釈。もちろん、ここでも過去の動きをみたり、たくさんの議論を重ねてどんな意味があるのか見出していったんだと思う。

占星術的な意味を否定する気は全然なくて、ただ、まだ土星までの天体ほどの積み上げはないかもって思っているだけ。
今を生きている私たちが、あらたな冥王星の意味を見出すこともあるかもってこと。


私は、ホロスコープ上の天体は、持って生まれたカードだと思うことがある。カードゲームで最初に持つ手札。
カードゲームと違うのは、その持って生まれたカードを捨てられないこと。
ならば、使いづらいカードもうまく使えるように工夫していくまで(まぁ、完全に無視するって方法もなきにしもあらずだけど 笑)。

ああ、なんか嫌だわとか、なんか悪影響及ぼされそうとか、そんなふうに思わずに。
本来は、いいも悪いも使う人次第。
私は、私の土星も冥王星も気に入ってる。
スムーズにできたことより、ちょっと苦労してできるようになったことのほうが、愛着あったりするじゃない?

これは、マレフィック天体だけじゃなくて、自分の中でなんかちょっとやだなーって感じるサインや天体にも言えること。
手放せないカードは、折り合いつけてつきあっていくしかないのだから、いつまでも嫌だ嫌だしてないで、それなりに工夫するか、まるっきり無視を決め込む腹をくくるか 笑

私の中にも、なんかやだなーってサインがあるけれど、それは自分の中で伸び伸びして使いまくっている、お気に入りの力と相反しているからだとわかっているし、わかっているからこそ、それなりにやり過ごせている。
嫌だーって思ってる時間がもったいないって思っちゃうし 笑
(自分の中での活かし方での話で、そのサインが強い人のこと嫌いなわけじゃないよー)


眠れる森の美女で、祝いの席に招かれなかった魔女は呪いをかける。
でも、100年経てば目が覚めるよう、その呪いを弱めたのも魔女たちなのだ。
実写映画「マレフィセント」で、マレフィセントが呪いをかけながらも、愛にあふれた魔女として描かれたように、時代とともに、新たな解釈が生まれるかもしれない。

マレフィック、魔法使いの天体たちは、果たしてどんな魔法を、スパイスをかけてくれるだろう。
刺激的なカードって、きっとゲーム(人生)をおもしろくしてくれるわよ。

ってことを、どうか思い出してみてほしい。