星のテーマソング(2) -双子座-
双子座のテーマソング、2曲目。私の中の双子座視点で選曲です。
今回は、成長したオトナの双子座だなって感じる曲を。
怒髪天「オトナノススメ」
怒髪天の歌は、私にとって血となり、肉となるもの。この歌ももちろんそう。この歌を知っている人からすると、どこが双子座?と思うかもしれない。
でも私は、成長した、オトナの双子座にこんなにふさわしい歌はないんじゃないかなと思っています。
双子座はピーターパン
なにかの本で、双子座がピータパンになぞらえられているのを読んだことがある。好奇心旺盛で、フットワーク軽く飛び回っている。飽きっぽくて落ち着きがない。ピーターパンは、いつまでもこどもっぽい双子座のイメージにピッタリかもしれない。
たしかに、双子座太陽の私も「こどもでいた〜い♪」とトイ○らスのCMソングを歌いたくなるくらい(笑)、責任とか考えただけでもゾッとすると思っていた。
でも現実に生きる私はピーターパンにはなれず、毎年毎年確実に歳をとっていき、筋肉痛は翌々日に現れ、なりたくもない管理職になるための研修を受講させられ…。受けなかったら管理職候補にならないんですよね!と嬉々としてたずねたら、全員受講だから受講してくれって上司に頭下げられたよ…。
体力的なことや仕事だけではなく、家族のことなども。
なんだかずっしり、足取りが重くなりそうで、そういう状況は、双子座的には「ああ、いやだいやだ、やっぱり大人になりたくない…」って思ってしまうかもしれない。
でも、思い出してほしいのです。双子座は風の柔軟宮。12星座のなかでも、しなやかさはピカイチだということを。
背負って楽しむ
民法の改正で来年の4月1日から成人年齢が18歳になるそうですが。20歳になったとき、自分は働いていたけれど同級生には学生もたくさんいた。
なんとなく、30歳を目前に控えたときのほうが「いいかげん大人としてしっかりしなければ」みたいな気持ちがあったような気がする。だから「もうすぐ30代か、なんか嫌だな」と思っていた。
そう一番思っていたのは、28の頃かもしれない。
29歳になって、30歳までいよいよあと一年となったとき、大好きなバンドマンたちはみんな30代で、みんな楽しそうだった。そりゃ音楽やってる人たちだもん、楽しそうにみえるでしょと思う人もいるかもしれないけれど、あるバンドマンのインタビューでの発言が目からウロコものだった。
「30代になって家族が増えて、社会的責任みたいなものもいっぱい出てくるけど、そういうのを背負ってやるのも楽しいやん」
というようなことを話していたのだ。
あ、そうなんだ。なんだ、そうかそうか、なんで楽しめないなんて思ってたんだろうって思った。さらに「たぶん40代になっても、同じこと言ってると思う」と答えていた。実際、50代になった今も、いろいろあるのだろうけど、すごく楽しそうにみえる。
そのバンドマン、5月生まれの双子座。私と同じ双子座の人がそう言ってるのだから、その説得力たるや。
そこからは俄然30代が楽しみになった。なりたくもないものになるための研修は嫌だったけど。
30歳になって、怒髪天の音楽と出会って、ますます楽しくなった。
私の父親は幼いときに他界していて、母親は私が35歳のときに体調を崩し、そのまま2ヶ月ほどで亡くなった。
ちょうどその頃、仕事も忙しくなりはじめていて、仕事に母親のこと、一気にどーんとシリアスな波が来たみたいな状況だった。他の家族もいるし、自分ひとりで背負い込むほどではないにしても、背負わなければならない責任ってこういうことなんだろうなと思った。
しんどかったし、この状況がいつまで続くのか不安もあったけれど、私にはあの言葉と音楽がすごく支えになってくれていた。「責任を背負って、その上で楽しんでやってやろう」と毎日思っていた。
仕事も、母親のことも楽しんでやる。それにチケットを取っていたライブにも行く。家族と調整して、ダメならほんとうに諦めるし、行けるならおもいっきり楽しむ。そういう状況になっても、楽しみはみつけられるし、楽しんじゃダメなわけじゃない。
そう思うことでなんとか毎日やり過ごしていただけかもと思わなくもない。すごく力んでもいたと思う。そうすることで、ときどき浮かんでくる、「とはいえ、ほんとうに楽しんでもいいのかな」という気持ちも打ち消していたんだと思う。
母親が亡くなってから半年ほど、この「オトナノススメ」がリリースされた。
オトナはサイコー!オトナはサイコー! ぜんぜん楽勝 恐れるに足らん
オトナはサイコー!青春続行! 人生を背負って大ハシャギ
後悔はしていないけれど、「楽しんでもいいのか」と思っていた気持ちの残像もまだこの頃にはあって。
この曲を聴いたとき、責任を背負って、その上で楽しむって思っていた自分の背中を「それでよかったんだよ」と、ポンと叩いてもらったようでうれしかった。
それで乗り切ったのだから、それはそれでいいじゃないか。次に苦しい状況になったときにも、また「楽しんでやってやる」って気持ちになれた。
しなやかなオトナ
ある日、怒髪天のライブの入場待ちをしているとき、前に立っていた女子二人の会話が漏れ聞こえてきた。二人は30歳を目前に控えているようで、「兄貴たちはオトナはサイコー!っていうけどさ、もう30になるのにそんなわけにいかないじゃん」って話していた。
よっぽど割って入って「人生を背負って大ハシャギ」、できるよ!と言ってやろうかと思った。
三十かそこら辺りで つまらねェ大人へと
避けられぬ悲しきさだめ ウソだ!それはデタラメだ!
身を持って、私、知ってるよ!
そしてそれを悲しきさだめにするかしないかは、けっきょく自分次第だってことも。
双子座はいつまでもこどものような心を持っているって言われる。それはしなやかで、やわらかい心のことなんだと思う。
双子座に限らず、大人になるってことは、あれもダメ、これもダメと凝り固まるってことではないと思う。いろんなことを経験してきたからこそ、いろんなものの見方、考え方ができる。それは、柔軟さが増してるってこと。
オトナ、最高じゃないか。
あれがダメならこれ、これがダメならそれ、だ。人生を背負って大ハシャギ、しなやかな心があれば、できると思う。
そして双子座は、それを最大限に生かせる星座だと思う。大人の、成長した双子座の、大きな魅力のひとつだって胸張って言っていいと思う。
双子座は誰よりもこどものような心を持っているからこそ、しなやかなオトナになれるのだ。
だからこの歌を、成長したオトナの双子座のテーマソングのようだと私は思うのです。