羊の話
最近、どうも夜よく眠れない。なかなか寝付けない日もあれば、夜に目が覚めてしまってそのまま寝れなくなってしまったり。
寝ようと思えば思うほど、頭がぐるぐるしたり、体が熱くなってきたりして、さらに眠れない。寝る前にスマホやパソコンを見るのをやめたりしても、さして変わらない。
いつも睡眠に気を使っている友達に、何かいいアドバイスがない?、と聞いたら、「色々考えすぎなんだよ」という前置きの後、
「古典的だけど、羊の数を数えるのが結局一番いい」
と言われた。LINEの画面を見ながら、プッと吹いてしまった。
眠れない時に羊の数を数えたらいいというのは、科学的根拠はまるでない。羊は英語でsheepという。寝るという動詞のsleepとスペルが似ているから、sheep, sheep, sheep....と頭の中で数えて繰り返しているうちに、sleepになって眠りにつけるというダジャレのような話である。
けれど、一番いいと断言されてしまったので、試さないわけにはいかない。
ベットに横になり、目を閉じて、羊の数を数えた。いろんな羊が出てきた。最初は、広い草原を走り抜ける羊。それがしばらく続いたのち、次はベルトコンベアに乗せられて流れてくる羊。そのうち羊が私の想像の画面の枠の中に溢れてくるようになった。あまりの数の多さに、数えられなくなってきて、いつの間にか、ゲームのぷよぷよの画面が横になって現れて、ぷよぷよが羊の顔になって一気に流れてきた。
地獄だ。
瞼の皮が熱くなってきて、もわーっとしてきて、目を開けたくなったが、我慢して開けなかった。なんなんだよ、このアドバイス、と頭の中で思った。
でも、そこで記憶は途切れた。
そう、本当に寝れたのだ。
結局、夜中に一度目が覚めたが、もう一度やってみたら、またしても大量の羊が滝のように流れてきたところでまた眠りに落ちた。
本当にこの羊のおかげで昨夜寝られたのか、今後の検証次第だが、とりあえず寝れたのでよかった。友達と羊さんありがとう。
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