SMEC 通信3月号-意思決定と「ラ・ラ・ランド」-
2月もSMECにご参加頂きまして、ありがとうございました。
2月のハイライトといえば、やはり大阪でもSMECを開催することができたことです。初めましての方も、神戸にご参加頂いている方も来てくださり、なんとか新たな船出を切りました。時間はかかりますが、時間をかけなければ良いコミュニティーとして育たないので、神戸・大阪ともにしっかりと毎週オープンしていきます。3月もSMECをよろしくお願いします。
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Facebookページをご覧になられた方はご存知かもしれませんが、SMEC Osaka終わりに、福島にある焼肉屋さんに出向いています。福島といえば、大阪でも有数の飲食激戦区というのは既知ですが、実際僕は神戸人なので、実際のところよく分からないし、これからお世話になる土地なのでやはり周りのお店のことも知っておかなければならないだろうということで、「電波少年」的発想で行った先の店主におすすめの場所を教えてもらい、次週そのお店に行く。やっていることはいたってシンプル。SMEC本編がレコードでいうA面なら、焼肉はB面といったところです。レコードでも案外B面が良かったりするように、SMECも良い「味」だしてます。SMEC Osaka終わりにやってますので、お時間ございましたら肉焼きましょう。
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それにしても、福島にあるお店は気持ちが良いお店が多い気がします。前述したように、普段は神戸に住んでいるので福島なんで言ってみれば「この世界の片隅」だったわけです。そもそも訪れたお店の数は両手で数えるほどですが、少なくともこれまで行ったお店は、焼肉屋さんに限らずどこも申し分なく美味しいし、個性的。そしてなにより接客が素晴らしい。これが本当に食後の余韻に深く浸らせてくれて、すっかり「福島の中心で肉を叫ぶ」毎週末になっている。「この世界の片隅に」がセカイ系の価値観を終わらせたように、毎週末の焼肉奉行の末、見つけ出した本当におすすめできるお店を紹介し、「神戸牛もどき」文化を終わらせるのが、ひとつの目的です。
SMECは、「英語で結ぶ、豊かな出会い。」を掲げていますが、その出会いには美味しいお店も含まれています。
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映画のタイトルを上で出してしまったので、言っておきます。
「ラ・ラ・ランド」は噂通り素晴らしい映画です。
グラミー賞6部門受賞で上がりきった期待にしっかりと応えてくれました。
金八的観点からいくと人に夢と書いて「儚い」です。
そしてこの映画のコピーは「夢をみていた」です。
つまり、エグッてきます。
ちなみにですけど、この映画監督、デミアン・チャゼルは「セッション」を撮った監督でもあり、少ない資本で作った「セッション」のアンサーとしてミュージカル映画をハリウッドの大資本で作るとこの有様ですから、大変優れた人物です。講釈たれるのはこの辺で。ぜひ映画館に行って観てください。SMECは「英語で結ぶ、豊かな出会い。」を掲げていますが、その出会いには素晴らしい映画も含まれています。
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飲食店でも映画でも、ネットで検索したら膨大な情報やレビューが手に入る。しかし、みんなが良いと言っているものが、本当に自分に必要なのか、合っているのかどうかは疑わしい。今後、テクノロジーの進化でますます「レコメンド」機能が僕たちの意思決定にかかわってくる。「あなたに似たあの人もあの人も、これを良いって言ってたよ。」と訴えかけてくる。それはもちろん情報を効率的に手に入れることができて素晴らしいことではあるのだか、「・・・なんかちゃうわ・・・」とその情報に?を持ってしまったとき、僕たちはどうしたらよいのか?「食べログ信用できない」はSMECのラスボスの口癖だが、ではその代替方法として、どうしたらよいのか。
ここで話は冒頭の焼肉奉行に戻る。つまり店主に聞く。「みんなの総和」ではなく「あなたの主観」を信用する。あなたの舌を信用する。あなたの目利きを信用する。これは各々が日常で行っていることだろうが、これからの時代もっと必要になっていくんじゃないだろうかと最近思っている。飲食でも映画でもなんでも、自分の好みを追及している人が周りにいてその人にちゃんと聞く。聞かれた方もちゃんと答える。そして、ちゃんと感想を伝える。そうやって情報の精度をお互いに高めていく。歴史的にも、17世紀から18世紀にかけて、イギリスのコーヒーハウスやクラブ文化、フランスのサロンでも同様のことをしていた。当時は産業革命後で、今は情報革命後。インターネットで情報がとれる時代。その情報に悩まされる時代。損はしたくない。だから余計情報にがんじがらめ。ネット上でもコミュニケーションはとれる。今日人と会って情報を交換する意味はなになのか。この大いなる問い。
情報をコミュニケーション・ツールとして考えた場合、ただ単に情報の質を確かめ合うだけではなく、恋人、友人たちと自分との関係性の確かめ合い、そして相違点を発見しながらその関係性の深め合うのではないか。と考えているときに「ラ・ラ・ランド」を観てこの問いに対するひとつの答えの欠片があった。
それは
「困っている時に、背中を押してくれる人が周りにいることの心強さ。」
人間。やっぱり人に何か言ってもらうことで安心する。そうやって意思決定をしていることはあるよな。って感じた2月でした。
Written by 出巻亭玉子
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