「あのね。」【ミリシタ】
「所恵美」はどのようなアイドルなのか。
彼女はなぜアイドルになって、何を目標にしているのか。
そして彼女の「なりたいアタシ」とはなんなのか。
それは(少なくとも恵美Pの間では)懸案事項であったし、長年言われてきたことでもある、
なぜアイドルをしているのか、というのを問われれば「特にない」となるし、なぜアイドルをやっているか、と言われれば悪く言えば「なんとなく」、取り繕って言えば「みんなと一緒に」アイドルをやっているともいえる。
M@STER SPARKLE2-05に収録されている『Beautiful Believer』、自分がどんなものなのであるか、何になれるのか、ということをネイル、チャーム、メイクといったワードで恵美らしく表現している。
この歌詞を見た時に、素直に感じたのは「まだ早い」であったし、メタ的に見てミリシタ内でのアイドルの成長と、コンテンツとしての曲のペースがリンクしていないことは理解していたのもあって「いつかくるだろう」と。
そもそもとして具体的な『夢』とはなんなのだろうか。
まだ自分の言葉で「あたしの夢ってなんだろう」って言えるような子じゃないけれど、もし本気で夢がなんなのかと具体的に言えるような成長をして、その上で聞く「美しいアタシ」が楽しみだな、と思っていた。
ただ、今思えばそれが間違いだったのだと思う。所恵美という人間はアイドルとしても人間としても、想定を超えて強く、逞しくなっていた。
ミリシタメインコミュ145話『I Belive……』
ここでもまた、『Belive』に続くものが何なのか、というのは書かれていない。『アタシ』なのかもしれないし、『My friend』かもしれない。その答えは所恵美当人しか知らないし、知るべきでもないと思う。
ただ、以前『THEIDOLM@STER MILLION LIVE! 10th LIVE-TOUR Act-4』の記事を書いたときにも思ったが、きっとそれでいいのだと思う。
所恵美は、確かに不十分だと思う部分が多々ある。
アイドルになることが目標になっていて、今やっているのは「楽しいから」という曖昧で具体性に欠ける理由でしかない。
しかし、「あのね」と声をかけられる場所が、人たちがいるのならばそれでいい。彼女はその中で成長し、ときには頼られながら、この「楽しい」場所で大きくなっている。
彼女が信じていたものを脱いで美しくあることを選んだように。自分らしく美しくなる、とは。
今の彼女はその先に目指すべき夢があると、信じているのではないか。
ミリシタ五周年にして実装された、『夢にかけるRainbow』
「私」がどうなるか、輝いていくか、それぞれの色を合わせていく、ということにクローズして書かれた歌詞のように、彼女が自分自身の光で輝いていく瞬間が、一番「彼女のプロデューサーで良かった」と言える瞬間なのではないだろうか。
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