深圳の日本人児童殺害事件とSNS
昔から警告していたことが、日本でも東アジア圏でも起きてしまった。
SNSの憎悪投稿とデマがとうとう現実世界に飛び出した。先日深圳で日本人学校に通学する小学生が刺殺されるという事件が発生した。中国当局は原因を直接的には明らかにしていないが、
・柳条湖事件の勃発した9/18に起きた事件であること
・中国のSNSで日本人学校がスパイを養成しているというデマが拡散していること
・6月の蘇州の事件と同様に一貫して日本人学校が狙われていること
・日本政府が中国政府に反日的な投稿の規制を呼びかけていること
などから、「SNS発のヘイトクライム」である可能性が非常に高い。
ことあるごとに日本のSNS空間の最近の異常な雰囲気を感じていたが、海外ではさらに酷いらしく、無根拠のデマが我が物顔で跋扈をしているようだ。
SNSはしばらく治外法権に近く、なんでも言いたい放題だったが、そのせいでデマや差別だらけで最悪の空間になってしまった。
その影響が現実世界でも無視できないものになってきている。言論統制しろとまでは言わないまでも、社会の安寧秩序を乱す悪質な投稿にはやはりペナルティを課すべきだと最近は感じている。
SNSで認知が狂ってしまうというのは個人の体験としても、また多くの人の意見を聞いていても実感するところで、狂った認知が現実まで変えてしまうようになるならばそれは危ういのかもしれないと思う。
SNSが脳に与える負の影響はもっと公で語られるべきで、すでに欧米などでは未成年者に対する規制を始めている国なども出てきている。
結局2000年代に語られてきたインターネットに対する希望の末路がこのようになってしまったことを、もう少し大人たちは認識するべきだ。
もちろんインターネットにしてもSNSにしても負の側面ばかりではなくて、社会をさまざまな形で進歩させたことは事実だとは思う。しかし、世の中も変わり、負の側面が露骨に顕在化するようになってきた今、使う人間側もそのことを意識しなければならない。
クルド人関連のデマや、フェミニストの憎悪投稿に数万のいいねがつくなんて、異常であるとしか思えない。
多くの人は「意図を持って発言する人間」の存在を気にも留めていない。
願わくばそのように考える人が増えればと思う。