時間がドライブする宇宙
‐ またはTB視点による物理への再解釈 ‐
本稿は新しい理論の提唱ではありません。
新たな視点で既存の物理理論に再解釈を試みるものです。
この新しい視点を「TB視点」とネーミングしました。
既存理論の言い換えに過ぎず「当たり前の事を」となるかもしれません。
今回は時空間の再解釈を起点に相対論までを含む仮説を整理します。
(動画版をYoutubeにアップロードしています)
1 : 時空間を再定義する
‐ 時間0次元 + 空間3次元 ‐
TB視点での再解釈、最初の対象は「時空間」です。
時間と空間は不可分に絡み合い、時空間として成立しています。
本稿では以下の通り時空間を再定義します。
時空間とは3次元空間と時間の次元が密接に組み合わさったものである。その際、時間の次元を0次元に設定します。
ご存知の通り アインシュタインは空間と時間が連携したものを4次元時空と定義しています。次元の数は4つであると言っているだけです。
TB視点では時間次元を0次元とし、改めて「ゼロオリジン3次元時空」と再定義します。
0を起点とするのでゼロオリジンです。理由は次の通りです。
3次元世界から2次元平面に転移すると高さ方向への移動が制限されます。
次に1次元である線世界に転移すれば平面方向への移動が制限されます。
0次元では全方向への移動が制限されてしまいます。
これは時間軸上で過去や未来への移動が制限されるのと同様です。
ですので時間次元を0次元として設定し再定義しました。
2 : 膨張宇宙を再定義する
‐ 宇宙は「増大」している ‐
TB視点による次の再解釈対象は「膨張宇宙」です。
通常、ビッグバン宇宙論では「宇宙は膨張している」と表現されます。
膨張というと風船が膨らんだり、体積や表面積が増えるイメージがあります。
辞書的にも「増える」とありますが、数や体積、表面積と増える対象が複数あり少々混乱します。
本稿では宇宙を「膨張」ではなく「増大」すると再定義します。
空間が膨張するのではなく、時空間を構成する最小単位の数が増えるという事です。
膨張という言葉を「増大している」と改めて認識を正確にするものです。
改めて時空間は増大する「増大宇宙」と定義します。
3 : 時間とは何か
‐ 0次元は何処にある?‐
TB視点により「時間」を再解釈して0次元への考察を進めます。
誰しも空間を認識しています。
本稿では時間を0次元として空間と絡み合うゼロオリジン3次元時空として認識しています。
では時間の0次元は何処にあるのか?
1次元や2次元は概念です。実体はありません。
しかし概念なので3次元中の何処にでも設定が可能とも言えます。
ですので0次元も全ての3次元空間上に設定が可能です。
先ほど宇宙は増大していると定義しました。
つまり全ての3次元空間上に0次元=時間次元が存在し、且つその時間は空間と共に増大していることになります。
時間も空間も全ての宇宙で増大しているのです。
ビッグバン以降、空間と密接に絡み合う時間も増大している。時間もまた増えているのです。
4 : 時間の流れとは
‐ 時間は何処から来て何処へ行くのか?
まずはTB視点で「時間の概念」を整理しましょう。
先に一般的な時間概念を整理します。
私たちは過去、現在、未来と時間を俯瞰してイメージしています。
その中で再生、早送り、一時停止とビデオのように操る事が可能です。
これを「ビデオ的な時間(Videotic Time)」と呼び区別します。
次に本視点での物理的な時間を考えます。
時間は何処から来ているのか?それは未来からでしょうか?
そして何処へ行ってしまうのか?それを過去と呼ぶのでしょうか?
空間の増大は宇宙の拡大です。
やってきた空間、即ち増大した空間は実在空間として残るということです。
(何処から来るのか?という問いは一時保留)
これを時間で考えてみましょう。
やってきた時間、即ち増大する時間は全ての3次元空間上で発生し広がり実在する時間となるという事です。
時間も体積的な広がりを持っているのです。
この視点による端的な解釈は以下の通りです。
観測者の位置から離れた地点はすべて「過去」ということです。
時間とは各0次元から出現するものであり各々の距離を表す尺度が「過去」になります。
時空間はあらゆる場所で発生し、空間の広がりと共に時間も広がります。
観測者Aと観測対象Bに空間的距離がある場合、AがBの情報を認識するには空間的な距離=時間が必要です。
離れたBの場所で発生した「時間」を認識するには距離同様の時間が必要になるのです。
これがTB視点での「時間」概念です。
例えば1光年の距離は光速度で1年の時間が必要であり、1光年先を観測する事は1年前の過去を見るという事です。
これは距離に関わらず数メートル先であっても、その場所で産まれた時間は観測者が認識する際に過去になるという事です。
このような時間概念を「0次元時間(0 Dimensional Time)」とネーミングします。
5 : TB視点による再定義から見えるもの
‐ 仮説群 ‐
TB視点により時空間をゼロオリジン3次元時空としました。
また増大する宇宙の中では空間のみならず時間も増大しているとしました。
これにより幾つかの物理法則の違った側面が見えてきます。
以下にそこから見えるものを仮説として列記します。
仮説【時間の矢】エントロピーより先に
「ビデオ的な時間」は数学的に時間反転対称性を持っています。
これは様々なシミュレーションも可能にする非常にパワフルな体系です。
しかし「時間の矢」不在という問題も併せ持ち、エントロピーでの答えが模索されています。
一方、0次元時間では宇宙の増大は時間の増大としても認識します。
つまり時間を空間的に広がる概念として説明しています。
それは正方向への時間進行と解釈でき「時間の矢」も正方向への矢としてのみ現れると考えられます。
仮説【特殊相対論】 同時性の消失と光速度不変
0次元時間では時空間的な遠方は過去になります。
この時空間の中を高速で移動する。これは「過去」に近づく行為でもあります。
静止する観測者Aから高速で移動する観測対象Bを見た場合、対象Bが遠方、過去に早く辿り着くように見えます。
これは即ち観測対象Bの時間進行が遅れて見えるという事にはならないでしょうか?
一方、高速で移動するB側の視点では常に自身を起点に時空間が増大しているので時計の遅れを感じる事はありません。
これは特殊相対論と同様、対象Bから観測者Aを見るとA側の時計が遅れて見えるという事になります。
静止、移動中に関わらずどの場所でも0次元時間が増大する視点では以下の解釈も可能です。
それは光速度不変の原理への解釈です。
高速移動する観測対象Bが「光速度」を観測する場合、観測対象Bを起点に時空間は増大しているので光速度は一定の見え方になります。
仮説【一般相対論】宇宙増大の斥力と重力
時空間は増大しています。それを抑止する要因を設定できないでしょうか?
それを物質(=エネルギー=質量)の存在と仮定します。
非常に大きな物質は時空間の増大を抑止すると考えるという事です。
物質のある場所では時空間自体の発生が抑止され、他の時空間との間に歪みが発生します。
その歪みは時空の曲率であり、即ち重力として発現するのではないでしょうか?
時空間中での曲率の発生は重力の発現と時間の遅延を発生させる事になります。
つまり質量が曲率を産むという既存事実を物質が時空間増大を抑止するから、という見方で再定義するものです。
言い方を変えれば時空間の増大は斥力であり、その対として重力があると考える事もできます。(斥力ですがクーロン法則ではない)
また重力が宇宙増大への抑止力であれば、重力にも上限があり無限大の重力は存在しないのではと想像できます。
以上、TB視点による再解釈で重力までの枠組みを俯瞰してきました。
本稿のTB視点、ゼロオリジン3次元時空による重力までを扱う枠組みを「大きな枠組み」と呼称します。
仮説【大きな枠組み、小さな枠組み】
さて0次元である時間次元を考え、今まで保留していた「未来がどこから来るのか?」を考えます。
時空間の再定義で0次元は過去、未来方向への移動が制限されるとしました。
過去に関しては時間の出現後に距離、空間として形成されます。
では未来、より厳密には現在ですが、これはどこから来るのでしょうか?
これへの答えを虚軸に求めます。
実時間と虚時間が交わる虚数時間とは違います。
時間の流れが虚軸にあり、ゼロオリジン3次元時空の0次元に「現在」が発現するという仮説です。
0次元である時間は虚軸上にあるという事です。
空間3次元と虚軸である時間の0次元は素粒子物理や強い力・弱い力・電磁気力など相互作用を形成する受け皿もしくは孵卵器なのかもしれません。
このミクロな枠組みを「小さな枠組み」とネーミングします。
「大きな枠組み」を前提に「小さな枠組み」が内在するという事です。
0次元時間は「大きな枠組み」でも「小さな枠組み」でも重要な役割を果たしてる可能性があります。
物理学の4つの力で重力がけた外れに弱いのも「大きな枠組み」と「小さな枠組み」という枠組みの違いに起因があるのかもしれません。
6 : 時間がドライブする宇宙
‐ 整理しつつ先へ ‐
まず時間の次元を0次元に求めゼロオリジン3次元時空としました。
次に宇宙は増大し空間の増大と共に0次元の時間も増大するとしました。
時間は同時多発的に産まれます。空間的な距離は時間でもあり遠さは過去とも言えます。
この中で光速に近い移動は静止するものから見れば過去への接近であり、時間の遅延として現れます。
一方、移動するものからすると都度その場で新たな時間が産まれ通常の時が流れる特殊相対論と同様に見えます。
また時空間の増大を抑止する存在を物質に求めれば、時空間発生の遅延は時空の曲率となり重力理論と重なります。
このようにゼロオリジン3次元時空を起点にマクロ視点で重力までを考えるフレームを「大きな枠組み」とし、
この枠組みをベースに素粒子発生の場とするミクロ視点を「小さな枠組み」とネーミングしました。
以上が時間を軸にしたTB視点での再解釈です。
時間の重要性を考え「時間がドライブする宇宙」とタイトルしました。
しかしTB視点での再解釈はまだ途中です。
まだ「小さな枠組み」への考察を掘り下げていません。
これを進めるにはパワフルに数学、物理、プログラム、コミュニケーションの力を持つ友人が必要です(笑)
興味のある方はご連絡を~。
7 : 補足、クレジット
「TB視点」は時間に纏わる新たな視点を意味する造語です。「TB」は単なる記号です。
トップ画像:NASA
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