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スマソル嘉麻 大手ケータイショップを退職し起業するまで①

おはようございます。

タイトルの【スマソル嘉麻】というのは、ボクが昨年2019年9月に作った小さなケータイショップの名前です。

smartphone + solution

『スマホのことなら何でも解決するよ♪』という意味の店舗名です。

起業する前、ボクは某大手ケータイショップで店長をしていました。

10年ほど店長をしていましたが、心はずっと葛藤していました。

今している仕事に意味はあるのか?お客様のためになっているのか?』

葛藤の理由は、

キャリアからの無理な指標。

代理店経営者からの圧力。

(ケータイショップというのは直営店はほぼありません。代理店制度です)

キャリアからの指標は・・・

獲得項目が細分化されポイント化されていて例えば、単純にMNPや新規、機種変更の台数評価もあれば、月間の機種変更の台数に対してAというオプションは95%以上付帯しないといけない、とかBというオプションは90%以上付帯しないといけないとか・・・分割購入可能なアクセサリーをいくら以上つけないといけないとか・・・NPSといってお客様アンケートの回答率や点数も評価対象なのです。

その獲得項目で店舗はランキングされ、手数料に影響する仕組みです。

評価項目は書きだすとキリがないくらい数多くある。多分『え?そんな評価もあるの?』いうのもあると思う。

店長はこうした評価項目を頭に入れ自店舗が今どの順位なのか、何が不足しているのか、不足を補うには何をすべきか。

スタッフには得手不得手があるのでご来店されたお客様にどのスタッフを対応させるのか、時にはお客様の手続き内容によってはお断りする判断も重要になってくる。

全ては、より上のランキングに入る為である。

特にランキングの狭間に位置付けている時の月末付近はピリピリしている。

もう少しの頑張りで上に行けるか、下がるかで天国と地獄なのです。

このような指標の追いかけっこを毎月毎月しています。

ボクは一つのキャリアショップでしか経験はありませんが、他も似たりよったりだと思います。

話はそれますがボクは歴史が好きだ。日本史、特に戦国時代。

『生かさず殺さず』という言葉がある。

お殿様が農民への年貢を取るときの言葉だとボクは思っている。

高い年貢にすると農民が納めきれず、ゆくゆくは息絶えてしまう。

低い年貢にすると殿様は儲からないし、農民が遊びだす。

殿様は様子を見ながら年貢を高くしたり低くしたりして絶妙なバランスを保っている。殿様が農民の生殺与奪権を絶妙に握っている。

話は戻ります。

キャリアと代理店はお殿様と農民。

キャリアは代理店に課す指標をその時々で絶妙に締めたり緩めたり、項目を増やしたり、削除したりしてくる。

指標を締められた時、つまりは指標が上がった時がつらい。

何がつらいかというと、最終的なしわ寄せはどこにいくのか?

【無知なお客様】なのです。

『今までは6000円のプランに10人中7人加入できれば良し』とされていたのが『今度から8000円のプランに10人中9人加入させないと同じ手数料を貰えない』といった具合。

代理店としては是が非でも同じ手数料を維持しようとします。(店がつぶれる為)

どうにかしてでも、ほとんどのお客様に高いプランに加入して頂く必要がある。

その結果、説明不足によるグレーな加入促進や、半強制加入など起こりうる。

するとNPSというお客様アンケートが全店舗的に下がる、キャリアの好感度が下がる。しばらくすると、指標が緩くなる。

この繰り返しなのです。

ボクの葛藤というのは、もちろんこの図式のようなことなのですが

1番は

高卒で右も左も分からない新卒の子が入ってきて...

お客様はAというプランが合うのに、それより高いBというプランに加入させなくてはならない。もっというとさらにC、D、Eというオプションに加入させなくてはならない。

はじめは出来ない。きっと人の心があるから。

しかし続けていると獲得できるようになる。すると歩合が付きその子の給与が上がる。さらにはF、G、Hまで獲得する子も出てくる。

キャリアや代理店的には超優秀スタッフである。

ボクからすると、『心がすれてきただけ』『自分の給与>お客様の都合』なのです。

純真無垢な新卒の女の子が、すれてきて、こちらの期待以上というか、ひいてしまうぐらいに獲得してきてしまう・・・

もちろんお客様の支払い額は言うまでもなく高くなっています。

こんな光景を目の当たりにするのがボクは一番つらい。

獲得した女の子はたいてい目を輝かせながらボクに獲得報告してくる。

ボクのすることは【褒めて】【フィードバックする】

そして獲得事例として、他のスタッフへ【共有】する。

ボクの仕事の1つは心のすれたスタッフを作ることなのかもしれない。

しかし順調(キャリア的に)に育つ子だけではない。1年もせず早ければ1ヵ月で退職する子もいる。きっとそういう接客が絶対に嫌いで好きになれない子たち。

ケータイ業界は離職率が高い。1番に占める理由はボクはこういう事なんだと思う。

そしてボク自身のことを振り返ると

『結局、ボクもお金のためだけにやっていた』と、そう思う。

それともう一つ思う。

『ボクは無理強いな営業をするところは向いていない』

続く

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