スマソル嘉麻 大手ケータイショップを退職し起業するまで② 大手ケータイショップの裏
前回のお話
前回、ざっくりと退職経緯を書かせて頂きました。
ケータイショップというのは想像以上に利益至上主義なところなのです...
辞めて思うのはもし、祖父や祖母、親戚の叔父や叔母が1人でケータイショップに機種変更に行くことが分かれば、絶対に付いていきたい。
なぜか??
不要なオプションや興味がないクレジットカードを付けられそうだから。
『タブレットが無料でもらえたよ~』って笑顔で帰ってきそうだから。
利益重視のケータイショップが無料でタブレットをくれるわけがないのです。
機種代金が『実質無料』なだけなのです。
基本料金がもちろんかかります。
解約しようとしたら、違約金、機種代金の残債がのしかかります。
必要のないものを『実質無料』という言葉の本質が分からないままサインしてしまう。
『使わないかもしれないけど無料ならもらって帰ろう』『ケータイショップっていいね♪』『あなた親切ね』と思い込んでしまう。
そう、大半のユーザーは騙されていること(不要なものを契約させられていること)を分かっていない。
『いい買い物をした』ぐらいに思っているところが怖い。
2.3か月後に高い請求が来ても、『機種変更したから高くなって当然か』と自分を納得させる。
それに今はどの業界もそうですが紙媒体で内訳が来ない。
オンライン(マイページ)で内訳を確認する必要があり、ほとんどの人がパスワードを把握していないし、そもそもマイページって何?という人もいる。
料金が高いな?って感じてもショップに行くのは億劫になる。
なぜか?
待ち時間が長いからです。
それにショップ側の事情を話すと、スタッフがお客様の料金内訳を確認をしたところで、キャリアからインセンティブ(手数料)なんて発生しません。
そんな用件のお客様の待ち時間が早いわけがないですよね・・・
どんどん後回しになります。
事実、起業して間もないころ、ボクのところに相談に来たお客様で
無料でもらったと思い込んでいたiPadが実は分割購入していたことが分かりました。
こちらのお客様、そもそものご来店理由は『データ量が少ない』という相談でした。
いろいろと確認をしていくと、お客様の認識は【5ギガ】でしたが
しかし実際のプランは【2ギガ】ということが分かり、お客様センターに繋いで、過去の手続き履歴を確認していくと、機種変更と同時に5ギガから2ギガに変更されていることが分かりました。
お客様に確認すると、手持ちのiPhoneを機種変更する時にiPadを『もらった』とのこと。
特に必要性を感じなかったが、無料なら貰おう。
家族の誰かが使うだろう、と貰って帰ったとのこと。
もっとヒアリングしていくと機種変更したぐらいから、それまで足りていたデータ量が月途中で使い切りうようになり、低速で困っていたことが分かりました。
これはボクの想像でしかありませんが、5ギガから2ギガに変更することにより、その差額分でiPadを契約させているのではないか?という疑念が湧いてくるのです。
そのことをきちんと説明し、お客様に理解させた上で契約しているのなら問題ないのですが・・・
プランを下げれば安くなるので、iPadを契約させても合計金額はさほど変わらない。お客様は気付きにくい。
お客様には説明せずにプランを下げ、iPadが無料ですよ、と契約させる。
合計金額で帳尻合わせをしているのです。
もしこれが、想像通りであればかなり悪質です。
このことに関して機種変更したショップへ3度相談に行っていることをお客様が打ち明けてくれました。
1度目は少し待たされはしたが、接客テーブルに案内されきちんとスタッフがついたが『機種が新しくなるとデータ量の減りが速いんですよ』と案内され終了。
それでも納得できず、2度目の来店。2度目は待合席で1度目と同じようなことを案内されて終了。
3度目は【待ち時間が長く発生していて待たれても対応できない】と玄関ドア付近で門前払いされ終了。
そしてボクのところに相談に来られたのです。
結局、こちらのお客様は別のショップでiPadは解約されました。
きちんと内容が分かってスッキリした。
あなたに相談して良かった。
と仰って頂けました。
大手キャリアショップの待ち時間が長くなる理由は様々な要因があります。
その一つをお話しします。
大手ケータイショップに行くと
待ち時間の間に大抵はアンケートを書くように求められます。
建前は【本日のご用件をお伺いするため】なのですが、本音はお客様の状態を案内前に知りたいのです。
例えば、【機種変更したばかり、家族みな自社契約済、光回線自社契約済、クレカ済、タブレット契約済】
というアンケート回答内容だった場合は、いわゆる信者的な人で《自社サービスを全て契約していて、もう提案する商品がない状態》ですので、誰が接客しても同じなのです。このような場合は【新人】を付けます。
【クレジットカード持っていない】というアンケート内容の場合は【クレカの獲得に強いスタッフ】をあてます。そのスタッフが空くまでの時間がそのお客様の待ち時間です。
店側にとって受付順なんて関係ないのです。
【タブレット持っていない】の回答の場合は、【タブレットの獲得に強いスタッフ】が空くまで待ちます。
インカムでこのようなやり取りをしながら作戦を練りながら一人のお客様を組織プレイで対応するのです。
実は、受付に立っているスタッフは、店内の状況把握をし、カウンターで接客しているスタッフに指示を出したり・・・店内で1番えらいスタッフや出来るスタッフがしています。
話がそれてしまいましたが、ケータイショップとはこんなところです。
大半の消費者が、不必要なもの(オプション、タブレット、フォトスタンド、高額アクセサリー等)を契約し、ケータイ代が必要以上に高くなっているのです。
契約時は、消費者も確認のサインしているのです。
なぜか?
待ち時間も接客時間も長いし、スマホプランは分かりにくいし、身体も頭も疲れているから早く終わらせるために、
ほとんどの人が [分かったふり] をしてサインしているのです。
大手キャリアショップのビジネスは
【のりかえ獲得 新規回線獲得 機種変更獲得】だけではやっていけないのです。
何かの用件でご来店されたお客様に、別のご提案(ショップの利益)をして獲得することで店舗運営を維持しています。
提案型接客&獲得が出来ないお店はキャリアから肩を叩かれるのです。
結果どうなるか・・・
【お客様第一主義のお店】は潰れていき、【利益第一主義のお店】が潰れたお店を買い取って店舗増やして運営します。
存続している今あるキャリアショップも利益主義のお店ですが、3年後、5年後のキャリアショップは
お客様にとって、もっともっと優しくないお店だらけになっているでしょう。
そんな仕組み、ビジネスに嫌気がさし、退職したのです。
私は、お客様に本当に寄り添って、スマホで困っていることを解決する。
大手キャリアが出来ないことをする!
お客様の困っている事を解決するために日々奮闘しています。
続く