株主総会も資本政策も、SaaSの力で精緻に管理。投資家とのコミュニケーションもシンプルに。(ガレージバンク株式会社 山本 義仁さん)
※記載の状況は取材当時(2023年7月24日)のものです。
ガレージバンク株式会社について
山本 義仁さんプロフィール
サマリー
金融×買取というビジネスモデルでチャレンジの機会を作りたい。眠っているモノを活用するリースバック契約
ーー改めて、事業内容について教えてください。
弊社は「モノの価値を、みんなの『できる』に。」ということで、持ってるモノを預金口座のように、資金として使える社会を作っていくことをミッションに掲げています。
具体的には「cashari」というアプリを運用しております。持っているモノの価値を査定して可視化し、その価値を資金化できるサービスを提供しています。またGMOあおぞらネット銀行と連携し、BaaS(Banking as a Service)を活用したウォレットサービスも提供しています。
「そもそもいくらで売れるんだ」「手放したくないけどお金には変えたい」という、モノを売る時に生じるペインを、オンライン査定とリースバックで解消しています。
リースバックという契約形態は、資金調達の手法として、法人ではよく利用されるスキームです。例えば、大手広告代理店がそれまで所有していた本社ビルを売却し資金を得ながらも、継続して入居するケースなどが挙げられます。
持ってるものを売る、けれど手元で使うために借り続けるという契約、いわゆるセールアンドリースバックというスキームを、個人に対してアプリで提供しているのが特徴です。
ーー創業のきっかけはなんだったのでしょうか。
大学生や社会人になりたての頃、お金はないけれど、パソコンなどの動産資産は持っているところに着目して、こうした資産をうまく流動化できるのではないか、と考えました。
いわゆるミレニアル世代、現代の20〜30代は所持している動産資産の割合が大きいので、これを流動化させて、新しいことにチャレンジする機会を作ってもらえたらいいのかなと。
共同創業者で学生時代の友人でもある磯田は、元々家業が質屋であり、モノの目利きとしての知見がありました。彼と、金融業界でリースバックの提案をしていた私とで事業を始めたのがきっかけです。
ーー従業員は8名とのことですが、管理部門は何名くらいいらっしゃるのでしょうか。
弊社メンバーの大半は、エンジニアやカスタマーサクセスを担当しており、管理部門は非常に少人数で回しているのが現状です。smartroundを実際に使っているのは私1人です。代表としての業務と事業開発に加え、IRも含めて対応しています。
少人数なので悩みは尽きません。特に管理部門は、大量の業務を少人数で捌かないといけないのですが、誰に任せてどう効率化していくかというのが難しくて、バランスが取りづらいなと感じています。
ガレージバンク株式会社代表取締役の山本さん。smartroundのヘビーユーザーでもあり、様々な機能を使いこなしている。
SaaS導入により、株主総会の運営や資本政策の作成を簡便かつ精緻に
ーー導入のきっかけはなんだったのでしょうか。
名前は元々知っていましたが、株主総会や資本政策をしっかり管理したいと思っていたタイミングで投資家の方からご紹介いただきました。どこまで無料で使えるのか試してみたら結構使える、と感じたので本格的に導入しました。
ーー株主総会は元々どう運用されていたのでしょうか?
以前はメールでやりとりしており、自分で招集通知の作成や送付、議事録の作成、登記まで行っていました。smartround導入前は、臨時総会なのか定時総会なのか、議案を取り違えていないか、委任状の回収漏れはないかということがとても気になっていました。
smartroundはそうした抜け漏れをカバーしてくれるので、ありがたいです。
時間が削減されたのはもちろんですが、心理的な負担が減ったという印象が大きいです。精緻に管理したいと考えていたので、そういった面で気が楽になりました。
ーー資本政策の管理はどのように変わりましたか?
元々、金融機関やスタートアップで働いていた経験から、Excelには慣れていたので、資本政策表を作るということになった時もそこまで抵抗感はありませんでした。最初の資金調達もExcelで対応していました。
しかし、smartroundを触ってみると使いやすく、複数のシナリオを簡単に作ることができるところなどが面白くて、どんどんハマっていきました。
資本政策smartroundは実際の資本政策をコピーし、シミュレーションを何パターンにも分けて行うことができる。
Excelでもできないことはないのですが、 最近行った株式分割を反映する時の手間を考えると、smartroundで管理する方が絶対楽で間違えないですし、必要なSaaSだなと思います。
ライブラリで資料の共有も。投資家とのコミュニケーションも効率化
ーー他にどのような機能を使っていますか?
投資を検討していただく方とつながって、ライブラリで資料を共有しています。
実際、20社くらいの投資家にデータを共有しています。基本的に、みなさんsmartroundで確認してくださいますね。
操作が分からないという問い合わせもありますが、ご利用ガイドを見ながら説明すれば問題なく使えています。
ーーありがとうございます。データを共有する手段は他にもありますが、smartroundを活用されているのはどういった理由からなのでしょうか。
1つは、資本政策smartroundで作成した資本政策表をそのまま直接見ていただけることです。Excelでエクスポートして共有することもできるのですが、実際にsmartroundで見てもらった方がロジックが伝わりやすいですし、リアルタイムで共有できます。
また、Googleドライブと違って、共有されている側の投資家からはスタートアップ側が他に誰に共有しているか見えないようになっているところもポイントです。Googleドライブだと投資家ごとにフォルダを作ったりしないといけないので。会社単位ですぐに閲覧権限を変更できるところも便利です。
あとは、投資家の方々に提出する資料をある程度標準化できるところです。
以前は、各社からいただいたDD資料のリストを踏まえて対応していたのですが、必要となる情報はある程度共通しているのに、会社ごとに求められる資料の名称やまとめ方といったものが少しずつずれているんですね。
はじめから「smartroundに資料はあります。足りないものがあったら個別に教えてください」と説明しておくことでコミュニケーションが楽になりました。独自の資料を求められることも減ったように感じます。
インタビュー中、「ちょうどsmartroundのチャットで資料共有のお願いが来ました」と、その場で早速投資家の資料共有を設定する山本さん。
SaaSではないビジネスモデルだからこその悩みやコーポレート人材を見つける難しさ
ーー機能について改善して欲しいと思うところはありますか?
事業計画が共有しづらいところですね。今はライブラリから共有していますが、資本政策と同じような形で共有できるようにして欲しいです。
資本政策と事業計画は裏表みたいなところがあって、ファイナンスイベントをこの時期に計画してます、という理由を説明する時には、結局事業計画を見せて説明する必要があるんです。だからそこは併せて見られるようにしてほしいですね。
ーー他に課題に感じていらっしゃることはありますか?
弊社はビジネスモデルが複雑なので、事業計画自体が分かりづらくなって、事業計画と予実のチェックがボトルネックになっていると感じています。
キャッシュフローとか各数値がちゃんと伸びてるかを追いかけようとした結果、事業計画の縦軸が400行になってしまって(笑)
事業計画の管理やsmartroundを使った業務を考えると自分の手もなかなか回らないなというところで、結局採用が急務かなというところです。
ーーコーポレート部門で採用の予定はありますか?
計画はあるのですが、コーポレート部門の実務ができる人材がなかなか見つからないのが課題です。アウトソースも考えていますが、最終的には自社に戻さないといけないですからね。これからシリーズが進んで、社内規定を整備したり、管理部門を整えたりすることも考えると、私以外にも対応できる人が必要だと感じています。
ーーありがとうございました。smartroundでは今後も機能を拡充してスタートアップのみなさまの負担を減らしていきたいと考えています。どんどん便利に使っていただけるようにアップデートしてまいりますので、これからもどうぞよろしくお願いします!
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