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仕手株の魅力と旬の見極め方 狙い目は年末相場

師走相場がスタートした。新型コロナウイルスの新たな変異株の出現や米国の金利上昇など、多くの懸念材料によって日経平均株価をはじめとする主要株価指数は調整を余儀なくされている。

一方、全体相場の下落などはどこ吹く風とばかりに、ある特定の銘柄群には短期投資家の資金がしっかりと流入している。それが低位の材料株だ。例年12月は「モチつき相場」ともいわれ、低位材料株が投機筋の売買によって乱舞する季節でもある。今週の10万円株は、正月のモチ代稼ぎ銘柄として足元で動意づいている銘柄をピックアップ。ただし、あくまでも短期投資向きなので、フットワークを軽くして対処していただきたい。

東証1部の「井筒屋」(8260)は、往年の仕手株として短期投資家にはおなじみの銘柄。〝兜町の風雲児〟と呼ばれた故・加藤暠(あきら)氏が得意としていた銘柄だ。その井筒屋が11月後半から出来高を伴い、火柱高を連発している。

同社は、北九州が地盤の老舗百貨店。足元の業績はコロナ禍によって厳しい状況だが、今期は前期に比べて大幅増益を達成する見込みだ。株価(6日)は、397円と3万円台で投資可能。チャートも投機筋によってつくられたかのような強気の形状となってきた。そろそろ最後の仕掛けが入りそうな雰囲気だ。

かなり荒い値動きとなっているが、特定資金介入の形跡がうかがえるのが東証2部の「ナガホリ」(8139)。同社は宝飾品の製造卸売り大手で、今期は久しぶりの黒字化が視野に入ってきた。長らく180円近辺の横ばいが続いていた株価は11月中旬から動意づき、11月29日には2倍高の360円まで買い上げられた。その後は短期調整に入ったが、再び今月6日に動き出した。6日は前日比21%高の303円で取引を終えている。

東証2部の「マーチャント・バンカーズ」(3121)は、ネットの〝イナゴ投資家〟たちが全員参加型で買い上げた銘柄。国内外の企業や不動産などへの投資業務などを展開しており、今期は大幅な増収増益を計画。足元はスピード上昇に対する調整が入っているが、年末に向けて掉尾(とうび)の一振も。

これら銘柄は業績や材料などは二の次で、「買うから上がる。上がるから買う」といった需給による上昇が中心。あくまでも短期投資向きだ。(三枝裕介)

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