はじめてのポートフォリオの作り方|未経験者向けに紙・PDF・Webでのポイントを解説
スマートキャンプデザインブログ、デザイナーインターンの八尋です。
デザイナーを目指している方、デザイナーで転職をしようとしている方、ポートフォリオの制作で困っていませんか?
デザイナーの就活において最も必要とされるポートフォリオですが、自分一人の力で制作することはとても大変だと思います。
私は就活用に約半年ポートフォリオを制作していました。さまざまな現役デザイナーの方にアドバイスをいただいた経験をもとに、特に「はじめてのポートフォリオ制作」で気をつけてほしい6つのポイントを紹介していきたいと思います。
ポートフォリオとは
ポートフォリオとは、「作品集」という意味合いが強く、クリエイター自身のこれまでの実績や作品などをまとめているものになります。
これまで自分が何を行い、どのような思考でそのアウトプットに繋がったのかをわかりやすくまとめることによって、ただの作品集ではなく自分の経歴書や自己PRなども含めたものになると言えます。
ポートフォリオの媒体は紙、PDF、Webサイトなどさまざま
従来では紙に印刷し提出する方法がありましたが、最近ではPDFデータで送付したり、Web上でポートフォリオサイトを立ち上げ、URLを共有するなど、媒体の種類が多くなっています。
就職・転職サイトでのやりとりではメールなどの電子的なメッセージによるが主流なので、そのメッセージに添付できる媒体である「PDF」または「Web」が便利です。
DTP(印刷物中心)のデザイナーとして活動したいならPDF、WebやUIデザイナーとしてならWebで制作をするのがおすすめです。
紙のポートフォリオを制作する際についても詳しく解説した記事があります。あわせてご覧ください。
ポートフォリオでの作品の載せ方は大きく4種類
ポートフォリオは基本的に作品を載せることがベースとなりますが、その載せ方や順番などで個性を出すことができます。方向性がいくつかあり、その中でも主要なものを4つ紹介します。
1. 自己PRに基づいた載せ方
例)私は客観的に物事を考え、ユーザーの目線に立って物事を考える
→ユーザー目線を意識して制作された作品を中心に載せる
2. 相手の会社が求めていることに基づいた載せ方
例)受けている会社がコミュニケーション能力の高い人を取ろうとしている
→コミュニケーションを駆使して企画、制作、提案を行なった作品を大きく載せる
3. ジャンルに分けて配置する載せ方
例)自分は「企画力」と「伝える力」を学んだ
→それぞれの学んだことに関連する作品をまとめて載せる
4. 自分が一番自信のある作品を大きく配置する置き方
例)自分の強みであるデッサン力はこの制作で身についた!
→デッサンの作品やその力を生かした作品を効果的においてデッサン力をアピールする
分野が特殊で型にはまらないものは別に考える必要がありますが、はじめての場合はこの中から方向性を選ぶとよいと思います。
作品を載せるだけでなく、どのようにしてその作品ができたのかという思考やプロセス、制作背景も重要です。
ただ作品を載せているだけでは本当に「作品集」となってしまい、その作品に込められた想いや、自分の考え方などが伝わりません。
自分の技術だけではなく、どのようにして制作を行なっているかなどを面接官に伝える意味でも、文章による補足・説明は大切です。
ポートフォリオ制作時に気をつけてほしい6つのポイント
作品の載せ方によっては、作品の良いところを活かしきれていない悪い見せ方のポートフォリオになってしまうケースがあります。
実際に私がポートフォリオ制作中に指摘されたアドバイスから、特に気をつけていただきたい6つのポイントを選定しました。
(1) 作品の羅列になっているとNG
ポートフォリオは作品を載せるものですが、ECサイトやカタログのように写真や作品を単に羅列して載せるのはNGです。
どのように考えてそのデザインにしたか、思考のプロセスや作品のバックグラウンドを説明した文章を併記する必要があります。
(2) 説明が長すぎるのはNG
これは(1)で解説した作品の説明や思考のプロセスなどを伝えたいという気持ちが強いあまり、長すぎる文章なってしまった状態です。
ポートフォリオの説明は簡潔かつ分かりやすく、面接官が質問したくなるような長さの文章にします。
レイアウトの仕方にもよりますが、1作品あたり200字〜400字程度が多くみられますので、一言二言だけでもなく、長文すぎでもない文章量にしましょう。
(3) 細かい配置まで気を使っていないのはNG
線のウェイトやオブジェクトの配置など、細かくガイドを引いて制作することをおすすめします。
目視では限界があることと、細かい部分がずれていることは詰めの甘さを感じさせてしまいますので、なるべくガイドを引いて狂いがないように心がけます。
デザイナーの基本スキルでもありますので、細部まで気を配りましょう。デザイナーは配置のズレに敏感なので、よく見ています。
(4) 最初から完成をめざすのはNG
ポートフォリオは何度もブラッシュアップをするものであるという認識で制作していく想定で作りましょう。
初めから完璧を目指して凝りすぎると、あとあと指摘されたとこを直す際、全体の構成すら変更する必要があった際のショックが大きいこともあります。初めから完成度100%を目指すのではなく、面接や他者のレビューを通して常に改善するサイクルを作りましょう。
(私は変なところでA型なのでこだわりすぎて、大きくつまづきました。)
(5) プロフィールや個性が表現されていないのはNG
自分の個性やカラーをデザインに落とし込むのは、自己表現として良い手段です。私の場合は「イラストを制作するのが好き」「紫が好き」ということを自分のカラーとして、ポートフォリオ全体に散りばめました。
イラストはフリー素材も活用しましたが、なるべく自力で制作するように心がけました。フォント選定を凝ってみたり、イラストを入れてみたりするだけで個性が出ると思います。
デザイナーがポートフォリオで評価する際、デザインへの凝り具合や、趣向、スキルなどを読み取る要素のひとつになります。
(6) ページ数が多すぎる
自分の作品をたくさんのせたいがあまりに、何十ページにおよぶ超大作になってしまう人もいるかと思います。
適切なページ数の目安は15〜20ページ程度
初めてであれば15~20ページに収められると面接官もみやすく、良いかと思います。作品が多い場合はこれ以上に増やしても良いですが、力を入れたものに厳選したほうが、流し読みされにくく、しっかり読んでもらえるポートフォリオになると思います。
これら6つのポイントは、ポートフォリオ制作初心者がハマりやすいポイントです。(実際私が指摘されたものです・・・・・・)
これら6つに共通して言えるのは、見る人のことを考えていないという点です。自分だけがみて完結するものではないので、見る人のことを一番に意識して制作することが大切です。
ポートフォリオ初心者に便利なツール(Webポートフォリオサービス)
「ポートフォリオを制作したいけど、制作している間にも自分の作品を持っていきたい」
「デザインの勉強をそこまで行なっていなかったから作り方がわからない」
という方にとてもおすすめなツールを紹介したいと思います。
RESUME(レジュメ)
誰でも簡単にWebポートフォリオを作成することができるサービスになります。
完成された制作物だけではなく、自主制作した物やボツになってしまった案まで記録に残すことで、自分だけのオリジナルなポートフォリオが作れます。
MATCH BOX(マッチボックス)
質問に答えていくだけで簡単に自分の作品をポートフォリオにすることができるサービスになります。
登録をするとキャラクターのマッチ坊くんが質問事項を教えて誘導してくれるので、迷うことなく制作でき、とても便利です。
Adobe Portfolio(アドビポートフォリオ)
Adobe社によって配布されているポートフォリオ作成サービスで、コーディングをしなくても美しいポートフォリオサイトが作成できます。
ポートフォリオサイトを制作するにはコーディングの知識が必要となり難しいので、このようにコーディングをしなくてもwebサイトが制作できるこのサービスはおすすめです。
ポートフォリオを制作してくれる就活サービス
就活サイトで「マイナビ」や「リクナビ」を使用している就活生が大半だと思います。
ここでは、クリエイターを目指す就活生にとてもおすすめな、作品を投稿するだけでポートフォリオを制作してくれる就活サービスについて紹介します。
Wantedly(ウォンテッドリー)
Facebookと連携して行う就活サービスです。
気軽に企業に訪問することができ、選考にとらわれないフランクなコミュニケーションを行うことができます。
また、作品を投稿することでポートフォリオとなり、企業の目に止まるとスカウトメールがくる場合もあります。
ViViViT(ビビビット)
採用担当にポートフォリオを見せるまでの手続きをステップを省略し、サイト内で制作できるサービスです。
こちらも興味のある企業とコンタクトを取ることができます。
ReDesigner for Student
作品を投稿することで、自分のプロフィールとして掲載され、企業とのマッチングができるサービスです。
会員限定のアカデミーも開催されており、同じくデザイナーを目指す学生との交流や現役のデザイナーから学ぶことができます。
自己分析をし、ポートフォリオで自分を表現しよう
ポートフォリオ作りはとても重労働です。自分のこれまでの作品を並べ、どのような背景や思いで制作したのかをわかりやすく制作する必要があります。
初めから完璧を目指すのではなく、まずは自己分析から初め、どんどんブラッシュアップしていきましょう。何回もブラッシュアップを繰り返すことによって、自分の作品を最大限に生かしたポートフォリオになります。
私もまだまだ製作中なので、デザイナー志望の皆さんは一緒に頑張りましょう!
WRITER : Yu Yahiro ( SMARTCAMP / Designer Internship )
EDITOR : Yuta Morishige ( SMARTCAMP / Designer / @MorishigeYuta )
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