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知っておきたいユーザテストの基本と注意点
こんにちは!スマートキャンプ デザインブログ デザイナーの柿澤です。
最近、業務でユーザテストを実施する機会があり、そのためにしたインプットや実際にユーザテストを実施して感じたことなどをシェアできればと思いこの記事を書きました。
デザイナーでもユーザインタビューやユーザテストの設計や実査を担当する方が増えてきていると思うのでお役に立てれば嬉しいです!
この記事は以下のような構成になっています。
ユーザテストとは?
ユーザにタスク(検証したい内容を含んだ一連の作業)を提示して、そのタスクを完了できるかどうか、どんな行動や心理で操作を行うかを観察するものです。ユーザテストで明らかにできることは主に以下の3つです。
効果・・・ユーザは独力でタスクを完了できるだろうか
効率・・・ユーザは無駄な操作を行ったり、戸惑ったりしないだろうか
満足度・・・ユーザは不安や不満を感じていないだろうか
また、ユーザテストは答えを求めに行くのではなく、テストを通じてユーザの行動と思考を観察し、その後担当者が分析するという姿勢で望むことを前提とされています。
ユーザインタビューとの違い
ユーザテストとよく混同されやすいものとしてユーザインタビューがありますが、それぞれの言葉の意味合いは以下のようになっています。
ユーザインタビュー ・・・ユーザの行動や心理を正確に把握し、解決すべき課題を発見するための調査。HCD(人間中心設計)のプロセスではデザインを行う「前」に行う活動とも言えます。
ユーザテスト ・・・調査から見えてきた仮説の検証やプロトタイプの評価を行うための活動。HCD(人間中心設計)のプロセスではデザインした「後」に行う活動とも言えます。
つまり、ユーザインタビューは課題を発見しに行く調査で、ユーザテストはそれらの課題を解決するためのプロトタイプや仮説を評価・検証するためのものです。
ユーザテストを実施する際に気をつけたいこと
ユーザテストは準備で9割の成果が決まると言っていいほど準備は大事だと思っています。
いざ、テストがはじまると想定できていなかった事態に差し掛かってあたふたし、円滑にテストを進行していくうえでの妨げになることがあるので準備は万全にいきたいですね。
ここからは私がユーザテストを行うにあたって気をつけていたことや反省点について備忘録を込めて書いていきます!
1. シナリオは具体的に設定してユーザを迷わせない
シナリオの説明に前提条件として抜けている部分があると質問を受けるケースがあります。例えば、実際にあったものとして、新規契約の想定なのか、それともリプレイスの想定なのかという質問を受けたことがあります。
その場で抜け漏れに気づいて即答できる場合はいいのですが、そうではない場合は「それによってテスト中にとる行動はかわりますか?」「意思決定のプロセスに変化はありますか?」と聞いてどんな影響があるか教えてもらい、検証したい内容に近い方の想定で操作してもらうのがいいと思います。
また、シナリオは読み上げるだけだと一度に全部を理解しきることが難しいケースがあるため、ユーザの方が見返すことのできるように目に入る場所に置いておくのがオススメです。(Zoomのチャット欄など)
2. プロトタイプはなるべくリアルに
テスト中にユーザは思わぬ行動をとることがあります。その際になんの動きもないと「ここも触ってみたいけどきっと何も起きなそうだ」と心の中で思ってしまい、プロトタイプで提供できる範囲内の行動をしてしまうことがあります。この場合、ユーザの本来やりたかった行動から乖離してしまう可能性があり注意が必要です。
また、インタラクション以外のダミーデータなどについても、一部だけ明らかな誤りがあったり、不整合が起きているとユーザがそのことに気づきその点に対する指摘が入ったりするケースもありました。
本来ユーザテストは仮説の検証・プロトタイプの評価をすることを目的としているので、プロトタイプの正確さに関するフィードバックをもらってもあまり有用な情報となりえません。
実際に使用したプロトタイプ(Figma)
3. テスト中の質問には答えない
冒頭でもユーザテストの概要について記載しましたが、ユーザテストでは「ユーザは独力でタスクを完了できるだろうか」(効果)を評価するため、テスト中にユーザの質問に答えてしまうことはゴールまでのヒントを与えてしまっていることと同じになります。
そのため、テスト中の質問には答えられない旨を事前説明の際にお伝えしておくことをオススメします。それでもテスト中に聞かれてしまった場合は、無視することはできないので「○○さんはどう思いますか?」と逆に質問し、感じたことを声に出してもらうように促しましょう。
4. テスト実施に必要なものや環境の準備
テストの内容によっては、テスト用のアカウントが必要だったり、ダミーの個人情報が必要だったりします。ユーザ自身のアカウントを使用してもらう場合は、個人情報に触れないような配慮も必要です。
また、現在の状況だとオフラインでは実施せず、Zoomなどのオンラインビデオ会議ツールで実施されることが多いと思います。そのため、事前に録画や画面共有の設定は確認して一度シミュレーションしておくのがオススメです。
最後に
どうしても作り手側にいると客観的に見れなくなったり、視野が狭くなったりしてしまいがちですが、制作したプロトタイプをテストをすることによって、初見のユーザの人にはどう映るのかというフィードバックを得ることができとても勉強になると思います。
自分の考えたアイデアやデザインを目の前で批判されてしまうこともありますが、ユーザテストは改善点を見つけるために実施するので、課題が見つかることは健全なことだと思います。本当のユーザに出す時までに改善してクオリティの高いものにしたいですね!
また、ユーザテストも型化したり環境の基盤ができてしまえば、クイックに行うこともできるのでオペレーションの効率化も実施していきたいです!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回もお楽しみに!
参考文献
出典:UXリサーチの道具箱II ―ユーザビリティテスト実践ガイドブック(オーム社、2021/3/25)
WRITER : SMARTCAMP Designer 柿澤
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