違和感の答えを探して・・・。
先日授業後、受験生と雑談をしていた時、話が盛り上がったことがあったので、そのことを書いておきます。
その受験生は、共通テスト理科について、こう言っていました。
「共通テスト理科の対策に苦労している。模試や問題集を解いても違和感がある」というのです。
自分の悩みと全く同じだったので、やっぱりかという感想しかありません。
昨年は、共通テスト数学があまりにあれだったので、数学にスポットライトが当たってしまい、理科はあまり話題になりませんでした。しかし、私は理科も結構ヤバかったという印象を持っていました。
化学は平均点がついに50点を割りました。前に書いたこともありますが、理系しかいないテストで平均点が50点を割り込むのは、相当なものです。
予想された通り、生物も難化し、こちらも平均点が50点を下回りました。
数学だけでなく、理系は理科も負担の大きいテストへ変貌したと理解すべきだと感じています。
しかし、そのような問題意識を持っている受験生がいるにも関わらず、彼らを納得させる教材が見当たらないというのが、今のところ私の理解です。
この受験生は、「市販の問題集などは、ベクトルというか、方向性が違っている気がします」と話していました。
自分も同感です。
難化を予想して、問題を難しくすることは、それなりに理解するのですが、問題の難しさの方向性が共通テストの意図することを捉えていないと感じるのです。
昨年度、共通テスト模試は結構荒れました。問題が難しすぎて、話題になった模試もありました。
今年度の共通テスト対策では、今のところ予想される範疇の問題を解くというトレーニングは、諦める方針で対応しています。
予測を諦める代わりに、的を大きくして、解法の方針が立ちにくい問題にいかに対処するかを鍛える問題をやり込む方針で臨んでいます。
市中に出回っている対策問題に、答えが「存在している」という従来の発想を捨て、基本「存在していない」という前提でどこまで対応ができるのか、この仕事をするものとして、存在意義が問われているのだろうと感じています。