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令和5年度から開始したデジタルデバイド事業のご紹介
こんにちは!事業推進担当です。今回は、今年度新たに開始したデジタルデバイド事業について、お伝えしたいと思います。
■視覚・聴覚障害者向けスマートフォン体験会
東京都では、令和5年度から新たに、視覚・聴覚障害者向けのスマートフォン体験会を実施しました。
体験会では講師やアシスタントが参加者に寄り添ってサポートを行い、疑問の解消や操作の補助などを丁寧に行うことで、スマートフォンに不慣れな障害者の方でも安心してご参加いただけるようにしました。
(1)視覚障害者向けスマートフォン体験会
視覚障害者向けスマートフォン体験会は、全盲と弱視の方を対象としており、きめ細かなサポートが可能となるよう、少人数制で実施しました。
講義では、画面読み上げ機能のボイスオーバー(※1)やSiri(※2)などのアクセシビリティ機能を使った基本操作やSeeing AIなどの視覚障害者向けの便利なアプリの紹介を行っています。
参加者の方からは、「楽しかったです。ボイスオーバーを使いこなしたい!」といった好評の声を多くいただきました。
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※1:iPhoneに搭載された画面読み上げ機能
※2:iPhoneに搭載された音声認識機能
(2)聴覚障害者向けスマートフォン体験会
聴覚障害者向けスマートフォン体験会は、聴覚に障害のある方を対象としており、こちらもきめ細かなサポートが可能となるよう、手話通訳や要約筆記をつけるとともに、少人数制で実施しています。講義では、アクセシビリティ機能を使った基本操作や聴覚障害者向けの便利なアプリやサービス(※3)の紹介を行っています。
参加者の方からは「文字サポート・手話サポートがあり、とてもよかったです。」という声をいただきました。
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※3:遠隔手話通訳や電話リレーサービスのこと。特に、遠隔手話通訳は多くの役所窓口に導入されており、手話を使う聴覚障害者が行政手続を行うのに必要なサービスです。
(3)来年度の取組
令和6年度からは「スマートフォンを活用した障害者向けアクセシビリティ向上支援事業」としてリニューアルいたします。これまでの体験会に加え、他の参加者とともに便利なスマホの活用方法やスマホに関する困りごとを共有しあうフォローアップの場を設置するとともに、参加者向けに個別の相談受付を実施します。
■高齢者QOL向上のためのデジタル活用支援
東京都は、都内自治体と連携し、令和5年度より、高齢者を対象にした定期相談会・スマホの相談を通した交流の場を設置しました。こちらでは、今年度実施した定期相談会と交流の場の様子を紹介します。
(1)定期的な相談会
同一会場で月2回以上実施する相談会で、相談者:アドバイザーが1:1のものです。定期的に実施することで、高齢者にとって、「ここに行けばいつでもわからないことを聞ける」という環境を目指したものです。
(2)スマホの相談を通した交流の場
同一会場で週1回実施するもので、相談者:アドバイザーが複数:1のものです。スマホに関する困り事への相談対応に加え、スマホ利用の動機付けや参加者間での交流促進につながるよう、健康に関するアプリや、ゲームアプリを使ったプログラムを取り入れました。
参加者からは、「また来週もきて習いたい、次につなげたい」など、定期的な開催ならではの声が多数寄せられました。また、「相談相手のいない人は助かる」「ほかの参加者と交流できて楽しい」という声も多くいただいています。
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(3)来年度の取組
高齢者が身近な場所でスマホに関する相談会を通して交流を図り、スマホに触れるきっかけや動機づけにつなげることを目指し、来年度は、区市町村への補助事業化を予定しています。
「誰ひとり取り残さないデジタル社会」に向けて、来年度も東京都では、様々なデジタルデバイド事業を展開してまいります。