先日、『君の街にも○○がやってくる!!』という宣伝のポスターを見かけた。
何がやってくるのかは正直覚えていない。何かのキャラクターとかイベントだと思うのだが、多分あまり興味のないものだったのだろう。
そんなことよりも、この時の僕は『君の街にも』と言う言葉で頭がいっぱいだった。
そう。ついに僕はこの街を手に入れたのだ。
「君の街」とまで言われたのなら、この街は我が物。当然の帰結である。
いつかは圧倒的支配者になって、バスローブを着たまま、ブランデーを片手に街を見下ろしたいとは思っていたものだ。
夢は叶ったのだ。
しかし僕は下戸である。残念ながらブランデーの部分は諦めざるを得ない。だが、ここは妥協しても良い部分だ。
お酒は無理に飲むものではないし、お紅茶とかリラックス出来るものにしよう。誰も文句など言わないし、言わせない。
なんたって街の支配者なのだから。
しかしここで、それ以上に重大な問題がある事に気づいた。
僕の街なのに、何がやってくるのかさえ把握していないし、許可を出した覚えもないのだ。
こんな事でこの街の支配者足り得るのか。
夢は一瞬にして儚く散った。
こんな短期間で栄枯盛衰を味わえたのは、僕くらいのものだろう。
これも経験、それでいいのだ。
夢とは、叶った瞬間に夢では無くなり、現実になる。現実とは問題ばかりだ。
そんな問題に向き合う事も、時には逃げ出す事も必要なのだと思う。
殆どの問題や悩み事は、予防注射の列に並んでいるようなものだ。終わってしまえばなんてことはない。
コレは僕の好きなweb漫画のお気に入りの台詞から引用。
とりあえず今はゆっくりと次の夢を探そう。
落ち着いてお紅茶でも飲みながら。
ここはやはりスタバのジョイフルメドレーを買うべきだな。
そういえば、バスローブなんて持ってないけど、最早どうでもいい。
ほら。問題なんて、終わってしまえば、なんてことはないだろう?
かしこいごりら
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