あれ?ロイバル一本とれてね?
ブランドン・ロイバルvs.ホジェリオ・ボントリン
展開
1R
序盤、ロイバルは右手でホジェリオを触るふりや、左の蹴りのフリを繰り返してボントリンを入れない。
ボントリンはロイバルの左中段に合わせて軸足を払って投げる。ロイバルがすぐ背中を取りにいくので、ボントリンは立ち技に戻して仕切り直し。
少し距離が縮み、ロイバルがボントリンの前手に触り、腕を蹴ってボントリンの前進を阻む。
ボントリンは左右を構え直し、右から鉤突きの連打。直撃せずロイバルは離れる。
ロイバルがまた触るフリ蹴るフリを繰り返し、左前に構えたボントリンは前に出れない。
ロイバルが打撃で前進し、ようやくボントリンの手の届く距離になるが、先に当てられていて強い打撃がボントリンは打てない。
ロイバルの蹴りをボントリンがようやく流し、背中を取って真下へ投げる。ボントリンはロイバルの横につく。
ボントリンはまずきっちりロイバルを抱え込み、上からロイバルの寝技を封じる。ロイバルはもがいてボントリンの片足をロイバルの両足で抱え込み、ひっくり返して上を取ろうとするが失敗。ボントリンは上を取り続ける。
ロイバルは脇を差す代わりにボントリンの脚に左脚を絡めて、背を向けるように立ちあがる。ロイバルはボントリンが背中に回るのを防ぎつつ立ちにいく。
ボントリンは察知して組み直すと、ロイバルはボントリンの腰を足で挟むところまで持ち直す。
ロイバルはボントリンに腕ひしぎを仕掛け、ボントリンがそれを防ぐどさくさに紛れ、ボントリンを脚で突き放して立ち技に戻す。
ボントリンは頭を振ってロイバルの的を絞らせないが、踏み込むまでに至らない。
ボントリンが右前に構え、ロイバルの逆突きに逆突きを合わせる。ロイバルはもらっても怯まず、逆突きを繰り返すフリから逆蹴り。ボントリンは気にせず、機を掴んだと判断して前進。ボントリンは左前に構えつつ頭を振る。
ロイバルは動いてる頭ではなく、ボントリンの腹を蹴る。ボントリンはこれを払い、ロイバルの背中を取る。
抱えて上げようとするが、ロイバルは抵抗し失敗。真下に下ろすと、ロイバルが回転しボントリンを下から脚で支配しようとする。
ボントリンはロイバルから上を取り続ける事を優先し、打撃の隙間も極めにいく機会も避けてロイバルを抑え込む。
ロイバルが三角を仕掛けると、ボントリンはそれを外して上を守る。
ボントリンが背中に回ろうとするも、ロイバルは回転し、そこにボントリンが縋り付くとロイバルはまた回転して立ち上がる。
2R
ロイバルがいきなり引き込み、ボントリンに三角を仕掛ける。ボントリンは振り解くように外し、逆に背中を取る。背中を取りロイバルを封じるように腕を組む。足をかけようとするとロイバルが抵抗して手順が進まない。
ロイバルはボントリンの腕を外すが、ボントリンは立たせず上を取る。
ロイバルは下から三角や肘を狙うが、ボントリンは耐えて一瞬立ち、すぐに打ち下ろしながら上を取り直す。
ロイバルは諦めずまたボントリンの胴を脚でかかえ、下から攻める。ボントリンは立たせないよう、ロイバルの背中を床につけるよう抑え込む。
ロイバルは金網を使いボントリンに脇を取らせ、そこから立ち上がる。ロイバルが腕を引き抜くと、お互い突き放し立ち技に戻る。
ロイバルが力の入らない順逆連突きを打つと、ボントリンも頭を振らずに耐える。
ロイバルが突然よろめいて尻をつける。バテた?
ボントリンは立つまで待ち、ロイバルの蹴りを払って背中をとる。ロイバルはそこに肘を合わせるが、ボントリンは気にせず組む。
お互い背中を守り合って回り、ボントリンが一瞬担ぎ上げ、ロイバルが地面を脚で掴み直すと、崩れた一瞬をついてボントリンが背中に回る。
ボントリンはしっかり腰を取り、ロイバルが立とうとするも金網から出れない。
ロイバルが立とうとしても、ボントリンはするすると背中を取り続け、機を掴ませない。
ロイバルが腕を外すと、ボントリンは回り込むも失敗、立ち技に戻る。
ロイバルが打撃で前に出ると、ボントリンは外しきれない。さらに連打を浴びせようとすると、ボントリンが一瞬で両脇を差し、膝に乗せるように回って投げる。
3R
ロイバルが判定で不利と判断し、打撃で前進する。ボントリンは攻め疲れか真っ直ぐ下がる。
打撃戦になり、入り際はロイバルが当て、距離が縮めばボントリンが当てる。
ボントリンはロイバルの右刻み突きの出所も機も掴み、右前に構えて、左手でたぐるようにしてロイバルの右を防ぐ。
ボントリンが左前に構えてロイバルの蹴りを誘うと、ロイバルは誘いに乗って蹴る。尻餅をつくロイバルだが、すぐに立ち上がって立ち技。
ボントリンは頭を下げて左右に振り、ロイバルは順逆連突きで前進。ボントリンが右振り打ちを大きく外すと、そのままロイバルの腕をかかえこむ。ロイバルは振り解いて右から左逆突き。
ボントリンが頭を下げ、ロイバルはそこを狙って右膝、ボントリンはまともにはもらわず、そのままロイバルの腰を取って投げる。
ボントリンは上を取り、ロイバルは三角を狙う。
ボントリンが外そうと立つと、ロイバルは腕ひしぎ。ボントリン、ブラジリアンタップ!!
審判は気づかず、ボントリンは一瞬審判の顔色を伺い、止めにこないのを確認すると続行!おい!
ロイバルは騙されず腕ひしぎを継続し、ボントリンはロイバルの姿勢を丸めて極めを浅くし、両手で自らの手をとって外す。
ロイバルは三角を狙うが、ボントリンは察知して離れ、またすぐ寝技に持ち込む。ロイバルは立ち上がることもキツい中、ボントリンの組みに回転肘を狙い、失敗。
ボントリンはロイバルの横を取る。
ボントリンは馬乗りを狙うが、ロイバルはボントリンが脚を引き抜く瞬間を狙い立とうとする。
ボントリンがロイバルを抑えてたたせないようにすると、ロイバルは回転。ボントリンは背中へついていく。ロイバルはボントリンの脚を外し、この試合初めて上を取る。
ボントリンはロイバルは強くかかえこみ、ロイバルがなんとか引き離すと肘をしつこく打ち下ろす。
総括
あれ?ボントリンじゃないんだ?
とは思ったけど、ロイバルがかなり下から攻め続けていたので、ボントリンが上をとっていても、寝技を支配してるとは見なさなかったんじゃないかな。
どの局面でも勝負をかけるロイバルの頑張りに、ぼかぁ胸をうたれてしまったよ……
ロイバルは寝かされてよしと割り切って蹴りを繰り返すが、ボントリンは投げたら安易に上を取るのではなく、有利な位置まで流れるように奪った。レスリング技術が非常に高く、打撃の隙をついて組み付くのは得意にしてたのだろう。
ボントリンの蹴り足を流して、背中を取り、かかえ上げて投げ、横について抑え込む。とても自然に出ていたが、ロイバルに立たれる事を恐れて積極的に攻められなかった。結果論だが、抑え込んだ上で殴らないと寝技を支配した事にならない。
ロイバルは寝かされてもすぐ足で相手の腰をとれると思っていたが、それが成功しないとわかっても前進をやめなかったのは大きな勝因であったと思う。下から三角や肘を繰り返し、腕ひしぎはあと一歩だった。
ブラジリアンタップはわざとじゃなくて、弾みでやったんだろうな。深く入ってはいたが、審判に止められる危険を冒すような場面ではない。
予想外なとこ
繰り返しになるけど、ボントリンの寝技技術は予想よりずっとたかかった。投げて先手をうっていたことが大きい。ロイバルの背中や上を取り続け、かなり消耗させていた。
柔術家を寝技で仕留める型が、彼の中にあるんじゃないかな。ここまでいけるならボントリン勝利予想してもよかった。
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