この人たちの影にこの人在り(90年代編)
in the shadow of this person
これまで、数々のヒット曲が生まれてきましたが、その影にはアーティストやアイドルたちの力を発揮させるための戦略やサポートがあったことも見逃せません。
商業的で夢の無い話のような気もするんですが、やっぱり時代やリスナーを踏まえて、単なる消費ではなく、新たな価値観を生み出す作業なんですよね。そこに関わるソングライターさんたちには、なんか職人気質さえも感じられたりするんですよね。
有名なとこでは、松田聖子さんと松本隆さん、チェッカーズと芹澤廣明さん、菊池桃子さんと林哲司さんなどのコンビが思い浮かびます。
80年代は、プロの作家さんとともにニューミュージック系のソングライターさんたちが参入してきて、アイドルとはいえ、良質なポップスが充実してきた時代でした。
90年代に入ると、小室哲哉さんを始めとしたソングライター個人によるプロデュースが増えるようになって、なんか盛り上がったんですよね。
今回は、そんな90年代を沸かしてくれたソングライターさんについて ”note” していきたいと思います。(小室哲哉さんは除いてます。悪しからずです。)
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SPEED/伊秩弘将
まずは、SPEEDのプロデューサーと知られる伊秩弘将さん。
個人の活動は地味でしたが、SPEEDへの楽曲はすごかったですね。
『THE夜もヒッパレ』での助走があったとはいえ、デビュー曲の「Body & Soul」がいきなりヒットして、2ndシングルの「STEADY」以降はミリオンを連発でしたから、ちょっと無敵モードに入っていた感じでした。
特に、5thシングル「White Love」はダブルミリオンを達成し、今でも冬になると聴きたくなる名曲です。
「Body & Soul」(1996.8)
「STEADY」(1996.11)
「 White Love」(1997.10)
今、見ても小中学生には思えないですね~。
そんな彼女たちの活躍の影に伊秩弘将さんがいたのです。
PUFFY/奥田民生
奥田民生さんとPUFFYも忘れ難いコンビですね。
1996年に「アジアの純真」でPUFFYがデビューした時は、企画物の匂いがプンプンしてたので、あれよあれよと大人気になって、今もなお活動する息の長いグループになるとは思わなかったです。(すみません💦)
小室ブームの中、あの無気力・脱力テイストの自然体が人気を呼ぶのですから、奥田民生さんの影響は大きいですね。
民生さんのプロデュース業は、自分だけに傾倒させないことがモットーみたいで、デビュー当初こそ「アジアの純真」「これが私の生きる道」「サーキットの娘」「渚にまつわるエトセトラ」など、自らがソングライティングした曲が多いのですが、その後のPUFFYは、いろんなアーティストの曲を歌っています。
熱狂的な人気が下降した後も、息の長い活動が出来てるのは、このプロデュース方針のおかげだったかもしれませんね。
「アジアの純真」(1996.5)
15周年記念 ”Ami Yumi Emi ヴァージョン"
「これが私の生きる道」(1996.10)
「渚にまつわるエトセトラ」(1997.4)
こうして、初期のヒット曲を聴いてみると、なんだかんだ言って、歌い方とか民生さんっぽいですよね。(影響されてます、しっかり)
特に2ndシングルの「これが私の生きる道」なんて、ビートルズ愛がだだ洩れてます。w
モーニング娘。/つんく♂
『ASAYAN』のオーディション企画から関わってるのでモーニング娘。の生みの親でもあるんですよね。
以降、全作品のほとんどのソングライティングも行っています。
ただ、他のハロプロ関係の曲もあるので、すごい楽曲制作数なんですよね。小室哲哉さんもすごかったけど、つんく♂さんもかなりすごいです。
モーニング娘。のシングルは、明るいポップスから、ロックナンバー、ダンスチューン、ディスコファンク、ビッグバンド風、昭和歌謡、そして近年はエレクトリカルダンスチューンと、ほんと多彩なんですよね。そこが小室さんとの違いのような気がします。
代表曲となると「LOVEマシーン」や「恋愛レボリューション21」になるのでしょうが、個人的には、メロウでせつない歌謡曲っぽい歌に、一番、つんく♂さんらしさを感じます。
「Memory 青春の光」(1999.2)
「リゾナントブルー」(2008.4)
「しょうがない 夢追い人」(2009.5)
こういう歌謡曲チックな曲を聴くと、できることなら、つんく♂さんの歌声で聴いてみたくなるんですよね。
Mr.Children/小林武史
奇しくも小室哲哉さんとイニシャルが同じなので、TK時代と併せて言われるほどヒットを連発していた小林武史さん。
まあ、小室さんと同じく、女性関係ではいろいろあってますが、ミスチル以外にもレミオロメンなんかもメジャーシーンに押し上げてるんで、その力は本物なのです。
これまでの3人と違って、Mr.Childrenの楽曲のソングライティングには関わってませんが、編曲等の曲作りに関わるスタイルが知られています。
その影響がよく分かるのが、Mr.Childrenのデビューシングルとなった「君がいた夏」です。
「君がいた夏」(1992.8)
この曲のイントロを聴いた時に「こりゃぁサザンだな」って、普通に思っちゃうぐらいな感じですよね。
それぐらい、曲作りには小林武史テイストが滲み出てたんです。
「Replay」(1993.7)
「CROSS ROAD」(1993.11)
その後、「Replay」や「CROSS ROAD」の頃になると融和してきて、ミスチルサウンドっぽくなっていくのですから、やっぱ、さすがなのです。
Mr.Childrenのその後の活躍を考えれば、影のメンバーだと言っても差し支えない感じなのです。
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今回は90年代を風靡した4組を紹介したんですが、一応、再結成したSPEEDを含めると、今も皆さん活動中なんですよね。(それも凄い感じがします。)
冒頭にも書きましたが、90年代のこの流れを作ったのは、小室哲哉さんであることは間違いないんです。
なので、記事にはしてませんが、ベースには小室哲哉リスペクトがあることをお忘れなくなのです。
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