見出し画像

日本限定英語詞曲選集

 Japan limited


 その昔、日本でのみヒットする英語の曲があったんですよね。

 もちろん、それらの曲は日本の映画主題歌になったり、日本のCMで使われたりと、ヒットする理由はちゃんとあるのですが、本国では知られていないので、「ベストヒットUSA」なんかでは、紹介されない曲だったりしたのです。

 ブルゾンちえみ with Bのネタに使われたオースティン・マホーンの「ダーティ・ワーク」なんかは、時期がずれて日本でヒットしたりしたのですが、自国で発売された曲なんで、このテーマには含まれません。
 今回は、基本、日本で使用するために作成された曲について、思い出しながら ”note” してみたいと思います。

 

+  +  +  +  +  +


「角川映画」の主題歌たち

 自分が中高生の頃、圧倒的に人気だったのが「角川映画」で、薬師丸ひろ子さんや原田知世さん主演の映画は大ヒットしてました。
 当時は主演者が主題歌を歌うことも多かったですが、今となっては映画のストーリーよりも、主題歌の方が記憶に残ってたりするのが不思議です。

 そんな「角川映画」では、主題歌に外国のシンガーを起用することがあって、その中でも、かなりのインパクトがあったのが、ローズマリー・バトラーです。

 ローズマリー・バトラーは、1982年の『汚れた英雄』と1983年のアニメ『幻魔大戦』の主題歌で起用されました。


『汚れた英雄』のテーマ曲『汚れた英雄:Riding High』

 子どもだったんで英語なんてわかりませんから、サビでは~ ラリハー♪、ラリハー♫って歌ってました。
 実は、松田聖子さんの「青い珊瑚礁」のライターで知られる小田裕一郎さん作曲なのです。


『幻魔大戦』のテーマ曲『光の天使:CHILDREN OF THE LIGHT』

 これは観に行きました。
 ローズマリー・バトラーの主題歌も良かったですが、劇中、流れるELPのキース・エマーソンの曲がかっこよかったです。
 幻魔の世界にエマーソンのシンセサイザーはピッタリだったんですよね。


 そして、「角川映画」といえば、ローズマリー・バトラーとともに、1983年の『里見八犬伝』の主題歌に起用されたジョン・オバニオンも忘れてはいけない存在です。

『里見八犬伝』のテーマ

 このテーマが流れると、馬に乗って草原を走りたくなります。(乗ったことありませんが....)


CM起用で異例のヒット

 「角川映画」の主題歌たちと同時期、1984年にSONYのCMに使われてヒットしたのが、テリー・デサリオの『オーバーナイト・サクセス』って曲なんですが、曲は憶えていても、テリー・デサリオってシンガーを知ってる人っているんですかね。
 私も、曲名は憶えていても、テリー・デサリオって名前は、なかなか思い出せなかったりします。

『オーバーナイト・サクセス:Overnight Success』

 このCMの前年に、ダンスオーディションを舞台にした「フラッシュダンス」という映画が大ヒットしてたので、その勢いにあやかった感じもします。



突然、現れたドラマ主題歌

 時代は流れ1991年、当時のドラマ主題歌と言えば、米米クラブの『浪漫飛行』や小田和正の『ラブストーリーは突然に』などのJ・POPが全盛の頃です。
 そんな中、ドラマ『もう誰も愛さない』の主題歌となったのが、ビリー・ヒューズの『とどかぬ想い〜Welcome to the Edge〜』です。
 この曲も心に残る一曲ですね。(ドラマもインパクトあったし)

 まあ、もともと、このドラマのために作られた曲ではなかったのですが、あの "WINK" が日本語版でカバーしたことをきっかけに、ビリー・ヒューズ自身がセルフカバーしたものなので、ここに入れています。
 けっこうヒットしたんですよね。


『とどかぬ想い〜Welcome to the Edge〜』

 洋楽と邦楽のベストミックスみたいな感じでしたね。



*エクストラナンバー

 最後に、ちょっとマイナーなアニメ主題歌を紹介します。

 1983年のロボットアニメ「銀河漂流バイファム」の主題歌として起用されたのが TAO(和太鼓グループではない!)の『ハロー・バイファム』です。

 ロボットアニメの主題歌に英語の歌とか、冒険過ぎると思いませんか?
 明らかに子供向けじゃないですよね。
 結果として視聴率は低迷して打ち切られかけたのですが、打ち切り反対の署名がTV局に大量に寄せられて生き延びたという、まさにサバイバルなアニメでした。(内容も子どもたちが宇宙を漂流する物語でした。)

 TAOはボーカルこそ外国の人ですが日本のバンドなんで、ここで紹介するのはちょっと違うのですが、けっこう印象的な歌なので紹介しておきます。

『ハロー・バイファム:HELLO, VIFAM』

 無線風の声を入れてたり、 SEKAI NO OWARI のトランシーバーヴォイスから遡ること30年前ですから、けっこう先取ってますよね。
 転調するサビは、今、聴いてもかっこいいです!


+  +  +  +  +  +


 なんか、まとめてみると、ビリー・ヒューズ以外は全部1982年~1984年という結果になりました。

 この時期は映画音楽が大ヒットしてた時期でもあるんですよね。
 『オーバーナイト・サクセス』のとこで書いている「フラッシュダンス」をはじめとして、「フットルース」や「ビバリーヒルズ・コップ」、そして「トップガン」等々。
 ある意味、洋楽も輸入できる時代になっていたってことなんでしょうね。