ニューミュージックな夜【第1夜:チューリップ編】
シティポップのムーブメントのおかげで、けっこう昭和の歌曲が見直されたりしてるのは嬉しいのですが、あまり、耳にしないのが
「ニューミュージック」という言葉!
こんなにシティポップが注目されてるのに、「ニューミュージック」って、あんまりきかないんですよね~
でも、私が小学生から中学生だった頃、70年代~80年代にかけて、自らソングライティングしてるシンガーやグループの方(現代ではシティポップと呼ばれてる方も含めて)は、だいたい「ニューミュージック」でくくられていた感じでした。
私が中学生になる80年代では、すでに、ちょっと古い感じもして、正直、自分より年上のお兄さんお姉さんが聴く音楽だったのですが、自分が音楽に興味を持つようになった頃、よく耳にしてたのは間違いないのです。
そんな懐かしさとともに「ニューミュージック」について ”note” していきたいと思います。
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そもそも「ニューミュージック」の規定は曖昧で起源も諸説あり、一説では荒井由実さんの登場がきっかけとなったと言われています。
そのため、ここで紹介するのは、自分が「ニューミュージック」として聴いていた方々なんで、認識に違いがあった場合はご了承ください。
では、第1夜は、荒井由実さんと同じく1972年にメジャーデビューした "チューリップ" から始めていこうと思います。
チューリップ (TULIP)
70年代に多くのヒット曲があるんですが、小学生だった私にとって、初めて "チューリップ" を意識したのは、1979年のヒット曲「虹とスニーカーの頃」でした。
「虹とスニーカーの頃」1979.7
作詞・作曲:財津和夫/編曲:チューリップ
タイトルとともに冒頭の歌詞が印象的ですよね。
正直、歌詞の意味はよく分からなかったのですが、よくラジオでも流れていた曲です。
そして、同じく、よく流れていたのが財津和夫さんのソロシングルだった「Wake Up」という。
「Wake Up」1979.12
作詞・作曲・編曲:財津和夫
CMで、ウェイクアップ ♪ ウェイクアップ ♪ とサビの部分が流れていて、けっこう刷り込みが行われた曲でした!
ところが、事情はあまり分からなかったのですが、私が、音楽を聴くようになっていった80年代には、あまり "チューリップ" の活躍は憶えてないのです…
もちろん、自分の音楽趣向が、邦楽はシティポップ、洋楽はロックだったこともあるので、ただ、耳が向いてないということもあったのでしょうが、目にするのは、財津和夫さんが松田聖子さんに曲を提供してるって情報で、 "チューリップ" としての情報はキャッチできてなかったというのが正直なところなんです。
「夏の扉」1981.4
作詞:三浦徳子/作曲:財津和夫/編曲:大村雅朗
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80年代の情報はキャッチできなかった私ですが、ラジオを通じて70年代の 名曲たちを知っていくことになります。
"チューリップ" には、「心の旅」や「青春の影」、「サボテンの花」などの ヒット曲があることが分かっていくんです。
「青春の影」1974.6
作詞・作曲:財津和夫/編曲:チューリップ
「サボテンの花」1975.2
作詞・作曲:財津和夫/編曲:チューリップ
そんな距離感の自分にピッタリだったのがベスト盤なんですよね。
ちょうど、10周年を迎えた "チューリップ" の記念盤として、『TULIP LAND』がリリースされるんですが、多分、一番聴いたのがこのアルバムなんです。
『TULIP LAND』1982.8
実は、2枚組だったのですが、自分の知ってるヒット曲の多かった1枚目をよく聴いてました。(すみません💦)
今回、サブスクには見当たらなかったので、収録曲も紹介しておきます。
今、改めて収録曲を見ると、あれ?、あの曲入ってないんだってとこもあるんですが、このベスト盤が、本当の意味で、私にとって "チューリップ" の入り口となったアルバムなのです。
… こうして、"チューリップ" を聴き始めた自分だったのですが、すぐに、ボーカルをとっているのが財津和夫さんばかりでないことに気づくのです。
"チューリップ" って財津さんのバンドだと思い込んでたので、はじめは意外だったのですが、どうやら、自分にとっては、もう一人のボーカル:姫野達也さんの歌の方が好きだったりしたのです。
財津さんの誠実な歌声も好きなんですが、なんか姫野さんの歌って心に残るんです。
そんなボーカル姫野達也さんの曲を一気に紹介します。
「心の旅」1973.4
作詞・作曲:財津和夫/編曲:チューリップ
「夏色のおもいで」1973.10
作詞:松本隆/作曲:財津和夫/編曲:川口真・チューリップ
「銀の指環」1974.1
作詞・作曲:財津和夫/編曲:チューリップ
「ぼくがつくった愛のうた〜いとしのEmily〜」1974.10
作詞・作曲:財津和夫/編曲:チューリップ
「博多っ子純情」1977.8
作詞:安部俊幸/作曲:姫野達也/編曲:チューリップ
アルバム『WELCOME TO MY HOUSE』収録
う~ん、やっぱ、姫野達也さんのボーカルもいいんですよね~
"チューリップ" って、コーラスがきれいなバンドだという事を再認識させてくれます。
ただ、徐々に姫野達也さんがボーカルをとる曲は減っていくんですよね~、ここら辺の事情はいろいろあるんだと思いますが…
結果、いろいろあって、1978年に吉田彰さんと上田雅利さんが脱退、1985年に姫野達也さんと安部俊幸さんが脱退し、【第一期】のメンバーは財津さん一人になっちゃうんです。そして、1989年に解散。
80年代の "チューリップ" って、いろいろあってた時期だったんで、中学生の自分には印象にないのかもしれませんね。
和製ポール・マッカトニーと呼ばれる財津和夫さんなんですが、そのビートルズ趣向がシンプルに発揮されたのは、やっぱ【第一期】だったと思います。ただ、この時期の "チューリップ" にはマッカートニーが二人いたってことなんでしょうね。
「風のメロディ」1976.9
作詞:財津和夫/作曲:財津和夫・姫野達也/編曲:チューリップ
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80年代の終わりに解散した "チューリップ" なんですが、時代は巡るもので、1990年に吉田栄作さんが「心の旅」をカバーしてヒット。
また、1993年のドラマ『ひとつ屋根の下』の主題歌として「サボテンの花」が、挿入歌として「青春の影」や「ぼくがつくった愛のうた〜いとしのEmily〜」が使われて話題になります。
さらに、コーヒーのCMでも「魔法の黄色い靴」が使われたりして、なんか【第一期】の "チューリップ" が再評価されるんです。
あの90年代の流れは不思議ですよね~。
70年代に青春を過ごした人たちがクリエーターになっていったということなんでしょうが、そんな再評価の波もあり、また、90年代半ばの『ザ・ビートルズ・アンソロジー』ムーブメントの刺激もあって、1997年に【第一期】のメンバーが中心となって再結成され、以降、度々、再結成されています。
1997年の続編ドラマ『ひとつ屋根の下2』の主題歌では、再結成後に新録された「サボテンの花」が使用されたりして、歌詞とかを考えると、なんか感慨深かったんですよね。
(関連note)
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