耳に残りまくる映画音楽の世界(国内編)
film music world Ⅳ
自分にとって記憶に残る映画のテーマ音楽に関するシリーズ記事なのですが、今回が、一応、最後になります。
前回までは海外の映画音楽の作曲家さんたちについて書いてきたので、最後は、国内の作曲家の皆さんについて ”note” していきたいと思います。
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日本の映画音楽といえば、やっぱり、坂本龍一さんと、久石譲さんの二人の巨匠から紹介していかないとですね。
坂本 龍一
1983年、自身も出演した「戦場のメリークリスマス」以降、手掛けた映画音楽は数知れず。
ワールドワイドに活躍し、ベルトリッチ監督と組んだ「ラストエンペラー」ではアカデミー賞を受賞しています。
その他、外国映画では、同じくベルトリッチ監督の「シェルタリング・スカイ」や「リトル・ブッダ」、デ・パルマ監督の「スネーク・アイズ」や「ファム・ファタール」他、「バベル」や「レヴェナント: 蘇えりし者」などを手掛けています。
また、国内映画では「戦場のメリークリスマス」と同じく大島渚監督の「御法度」他、数多くの作品に関わっています。
もう言わずと知れた、世界のサカモトです。
必ずしも関わった映画が話題になってるわけではないので、耳に馴染んでないものもありますが、ほんと、たくさんのテーマ曲を制作していて、世界に誇る日本のアーティストなのです。
今回は、代表曲として「戦場のメリークリスマス」と「シェルタリング・スカイ」のテーマ曲を紹介します。
「戦場のメリークリスマス」
「シェルタリング・スカイ」
個人的には、この「シェルタリング・スカイ」のテーマの悲しい調べが大好きなのです。
久石譲
もう一人の巨匠、久石譲さんは「風の谷のナウシカ」以降、すべての宮崎駿監督作品に関わっていたりするので、もはやコンビと言って差し支えない感じで、世界的評価も高い方です。
ただ、テーマ曲だけではなくて、「風の谷のナウシカ」での「レクイエム」や「天空の城ラピュタ」でパズウの吹くラッパ曲「ハトと少年」など、耳に残る挿入曲も多かったりするんですよね。
他にも北野武監督との「ソナチネ」「HANA-BI」そして「菊次郎の夏」なんかでも美しい調べを聴かせてくれています。
選曲には悩むのですが、個人的な好みで「海の見える街」と「人生のメリーゴーランド」を...
「海の見える街」(「魔女の宅急便」より)
「人生のメリーゴーランド」(「ハウルの動く城」より)
なんでしょうね、行ったこともないのにヨーロッパを感じてしまうんですよね、不思議です。
余談ですが、久石譲さんの昔のソロ活動では、ご自身が歌ってる曲もあったりするんです。
その一曲が、あの話題になった昼ドラの主題歌だったりするのです。
歌声も素敵ですよね。
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国内には、他にも印象的なテーマ曲を作ってくれてる方たちがいます。
菅野よう子
「下妻物語」や「ハチミツとクローバー」、そして「海街diary」に関わっている菅野よう子さん。
今では「花は咲く」の作曲者として知られていますが、もともと、CMやSFアニメで活躍されていた人です。自分の中では、「カウボーイビバップ」の主題歌『TANK!』がカッコ良過でした。
クラシックやロック、ポップスやテクノ、ジャズまで、幅広い音楽性を持ってる方なんですが、「海街diary」で聴かせてくれた美しい曲たちは、ほんと映画にマッチしていました。
「海街diary」
CM曲だと、このコスモ石油の「Seeds of Life」もキレイな曲ですね。
高木正勝
宮崎駿監督が久石譲さんなら、最近、新作が話題の細田守監督といえば、高木正勝さんなのです。
高木正勝さんは、細田監督の「おおかみこどもの雨と雪」、「バケモノの子」、「未来のミライ」など、3作品の音楽に関わっています。
特に「おおかみこどもの雨と雪」で、雪原を走るシーンで流れていたこの曲は印象的です。
『きときと』
高木正勝さんは、様々な作品を発表しているアーティストで、個人的には坂本龍一さんのスタンスに近い感じを受けるんで、密かにワールドワイドな活躍を期待してたりします。
服部隆之
おじいさんが服部良一さん、お父さんが服部克久さんという作曲家一家の服部隆之さんですが、TVや映画で活躍されています。
映画では平成ゴジラや「ラヂオの時間」、最近でも「七つの会議」などに関係しているんですが、やっぱり映画化もされた「HERO」のメインテーマが印象的です。
数々のTVドラマの音楽を手掛けてる服部隆之さんですが、日曜劇場の「半沢直樹」に関わってからは、そのイメージが強すぎて消えません。w
その後、池井戸潤原作のドラマと言えば服部隆之さん!って感じになってますね。
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映画音楽には、いろんなジャンルの方たちが、いろんな形で参加してくれるので、自分にとってはとても楽しいフィールドだったりします。
服部隆之さんのようなプロの作曲家もいたり、坂本龍一さんや高木正勝さんみたいにアーティスト活動をしながら映画音楽に関わる人もいたりするんですよね。
そして、今後、期待しているのが、ゲーム音楽の作曲家の方々の参入だったりします。
すぎやまこういちさんの「ドラクエ」のテーマなんか、世代を越えて愛されているし、菅野よう子さんや久石譲さんなんかも、けっこうゲーム音楽にも関わっていて、今やゲーム音楽も、作曲家さん達にとっての一つのフィールドになっていますよね。
なので、逆にゲーム音楽畑の作曲家の方たちが、映画音楽でも活躍するようになってくると楽しいと思うのです。
そんな一人が、ゲーム「モンスターハンター」のテーマを書いている甲田雅人さんです。(これがなかなか熱い曲なんです。)
ハリウッドで実写化された「モンスターハンター」なんですが、残念ながら、テーマ音楽は違うらしいんですよね~。
でも、この世界観には、甲田雅人さんのこのスコアの方が、絶対、似合ってると思うんですよね。
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様々な、映画音楽の作曲家さんたちを紹介してきましたが、何より映画との出会いがあったからこそなのです。
映像だけでなく、音楽を全身で感じるためには、やっぱ、映画館がいいな~と思います。
映画館に規制がかかったり、制作にも困難が生じたり、映画業界は苦しい部分もありますが、また、たくさんの映画とともに、たくさんの映画音楽に出会えることを期待したいのです!
(関係note)
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