持って生まれた力(ウルスラの血の話)
natural‐born
「魔女の血、絵描きの血、パン職人の血。神様か誰かがくれた力なんだよね。」
自分の向き・不向きを感じる時、不思議と思い出すのが、”ウルスラの血の話”
1989年のジブリ映画、『魔女の宅急便』の中での会話の一つ。
このシーンの会話は、とても印象的です。
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以前は、持って生まれたものについて、懐疑的な自分がいました。
生まれた時から、何かが決定しているものではなく、いろんな経験や体験の中で獲得していくものだと思っていたのです。
もちろん、現在でも
様々な経験の中で、獲得していくものが多いとは考えているのですが、それだけではないことも分かってきたような気がします。
きっと昔は、「カエルの子はカエル」みたいな考え方に反発していただけなのでしょう。
”持って生まれたもの”とは、ちょっと違いますよね。
持って生まれたものは、親から受け継いだものというわけでなく、自分が持ってるものなんですよね。
そういうことが分かってきたのです。
さて、『魔女の宅急便』の中でのやりとりはこんな感じ
飛ぶことが出来なくなった魔女のキキ
どうやって飛ぶのかと聞かれて
呪文とかではなく ”魔女の血” で飛ぶのだと答えます。
その答に対して絵描きのお姉さんが言うのです。
「魔女の血、絵描きの血、パン職人の血。神様か誰かがくれた力なんだよね。」
「魔女」も「絵描き」も「パン職人」にも、同じように誰かがくれた能力が備わっているのだと...
なかなか素敵な言葉ですよね。
特別じゃない、皆、何かしらの能力を秘めているのですよ、きっと...
ちなみに、キキと知り合う、この絵描きのお姉さんは、映画の中では名前で呼ばれることはないのですが、実は ”ウルスラ” という名前があります。
そう、その名を冠した学校もありますが、女子教育の守護聖人と言われる聖ウルスラと同じ名前ですね。
自分の向き・不向きってのはあることなのでしょうが、自分の中に、そういう血が流れていると考えれば、まあ、それなりに受け入れられるものなんですよね。
大人になった今でも、まだまだ出来ることはあるのです。
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エンディングで流れたユーミンの「やさしさに包まれたなら」も、そんな歌詞ですよね。
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