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3M+2(平成アイドルのカタチ)
最近、記事の文字数が多いんですよね~💦
これも5000字を超える記事になってしまいましたが、アイドル現象はその時代の象徴でもあるので、つい詳しくなっちゃうんですよね、ご容赦ください!
多分、アラフィフ以上の世代であれば、アイドル関係で「3M」って聞けば、すぐにピンとくると思います。
そう、今回は、90年代前半に「3M」と呼ばれた方々について note していきます。
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私が10代を過ごした80年代は、きらびやかなアイドルたちが活躍した時代でした。
スカウトやオーディション番組で選ばれた少女たちは、デビューと同時にシングル曲をリリースするのが普通だったのです。
もちろん、角川三人娘みたいに映画やドラマを通じて人気が出て、その後に歌手デビューという例もあるんですが、大半のアイドルはデビュー=歌手デビューで、TVで流れる歌唱の姿によって周知され、トップアイドルに上っていくわけなんです。
ただ、その流れも、80年代の終わり、昭和から平成になる頃に変化していきます。
「ザ・ベストテン」や「夜のヒットスタジオ」などの歌番組が次々と終了していき、いわゆる「アイドル冬の時代」が訪れるわけです。
そして、新たな流れとして出てきたのが「美少女」ブームです。
私の感覚では、まだアイドルが全盛だった頃に現れた "後藤久美子" さんや "小川範子" さんからの流れだと思うんですが、90年代を通じて定番化していくんですよね。
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タイトルの「3M」というのは、90年前後に80年代アイドルと入れ替わるように現れ人気となった、宮沢りえさんと牧瀬里穂さんと観月ありささんの3人のイニシャルを総称したものです。
彼女たちはCMによる美少女ぶりが話題となって、ドラマや映画で主演、そして歌手デビューしていくというパターンで、平成に入ってからの新しいアイドルのカタチだったように思うんです。
■ 宮沢りえ
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日本とオランダとのハーフということもあって、他にない雰囲気をもって登場した宮沢りえさん__
その可愛さが世間に知れ渡ったのは1987年の 『三井のリハウス』のCMでした。
『三井のリハウス:白鳥麗子編』1987
話題になりました~、このCM!(このCMシリーズからは、その後、坂井真紀さんや一色紗英さんなど、数々の美少女が登場しました。)
このCMの後、宮沢りえさんはバラエティ等にも出演し、大人気となり、宗田理:原作の角川映画『ぼくらの七日間戦争』で女優デビューします。
『ぼくらの七日間戦争』1988
そして、人気絶頂の中、いよいよ歌手デビューもしちゃうんですよね。
"アイドルというのは歌手デビューするもの" という、なんか慣習的なものが残ってた時代でもあったんです。
デビュー曲を手掛けたのは、当時、これまた絶頂期だったTMNの小室哲哉さんでした。
「ドリームラッシュ」1989.9
作詞:川村真澄/作曲:小室哲哉
編曲:小室哲哉・久保こーじ
なんでしょう…
80年代アイドルとは、また違ったオーラがあるような感じですよね。
全身から発する何かがありました。
「NO TITLIST」1990.2
作詞:川村真澄/作曲・編曲:小室哲哉
2ndシングル
この2ndシングル『NO TITLIST』もヒットしました。
宮沢りえさんは、この後も90年代前半は歌手活動を続けているのですが、なんか、他の話題が大きすぎてw、あんまり曲は話題にならなかった気がします。
1991年は写真集『Santa Fe』の発売、1992年には貴乃花との婚約そして婚約解消と、世間は大騒ぎでした。
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リエママ絡みの様々なバッシング報道もあって、一時期、芸能活動を休止しますが、復帰後は舞台や映画など役者として活躍しています。
いろいろあったせいなのか、あの頃放射していた "何か" は失われてる感じなのですが、その分、役者としての新たな魅力をまとった感じです。
最近でもネットフリックスドラマ『阿修羅のごとく』で、未亡人の長女役を演じています。
■ 牧瀬里穂
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パッツン前髪に前歯全開の笑顔が印象的だった牧瀬里穂さんは、「ミスビタミンCハイシーガールコンテスト」を通じてデビューするんですが、同年、出演した『JR東海』のCMが無茶苦茶話題になるんです。
『タケダ ハイシーL』1989
『JR東海 X'mas Express』1989
前年の深津絵里さんも話題になった "達郎さんのクリスマスイヴ" が流れるシリーズなんですが、この牧瀬里穂さんのバージョンは可愛すぎて…
私も大好きでした!
携帯やスマホのない時代だからこそのショートストーリーが、観る人に甘酸っぱい思いをさせてくれたCMでした。(遠い目…)
翌年の1990年には、相米慎二監督の『東京上空いらっしゃいませ』と、市川準監督の『つぐみ』という2本の映画で話題となります。
『東京上空いらっしゃいませ』1990
『つぐみ』1990
自分にとっては、やっぱ『つぐみ』が印象的でした。
原作を読んでた自分としては、”つぐみ” 役ってのは、ややイメージが違ってたんです。
ただ、何でしょう、決して巧い演技ではないんですが、あの年齢にしかない魅力があったのは間違いないんです。
そして勢いに乗って歌手デビューも果たします。
「Miracle Love」1991.10
作詞・作曲:竹内まりや/編曲:小林武史
この曲、竹内まりやさんの曲なんですが、けっこう好きな曲なんですよね~、個人的に…
たどたどしい歌声ではあるんですが、いい曲なんです。
ちなみに竹内まりやさんのセルフカヴァー版では、ぐっと大人の歌に聞こえるんで、ぜひ聴き比べてほしいです。
その後主演した稲垣吾郎さんとの月9ドラマ『二十歳の約束』も、なんか、"カキーン" や "ヒューヒュー" って、妙なセリフばかりが話題でしたが、かなり印象的でした。
『二十歳の約束』1992
深津絵里さんも、恋のライバル役で出演してたんですよね。
2008年に結婚した後は、しばらく姿を見せなかった時期もありますが、現在も役者を続けられています。
… でも、牧瀬里穂さんって、ずっと可愛いんですよね。
NHKの朝ドラ『らんまん』で、浜辺美波さんのお母さん役を演じてましたが、嘘だろっていうほど可愛いままでした。
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■ 観月ありさ
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いつも、おでこを出してキリっとした眉が印象的だった観月ありささんなんですが、実は子役として幼少期からのキャリアを持った方です。
『森永製菓 くるみの森』1982
そんなキャリアの観月ありささんが話題になったのは、レナウンや富士フイルムの一連のCMでした。
『レナウン スコレー』1990
『富士フイルム スーパーHG 400』1991
ほんと可愛かったですね~
自分的には『富士フイルム』のこのCMが印象的でした。
線の細さが、また、"美少女" を際立たせていたと思います。
そして、観月ありささんも歌手デビューするのですが、そのタイトルが「伝説の少女」!
いや、そのまますぎです。
「伝説の少女」1991.5
作詞・作曲:尾崎亜美/編曲:佐藤準
MVをあらためて見ると、曲のMVというよりも、観月ありささんのイメージビデオみたいですね。
ただ、観月ありささんって、歌も上手だったんですよね。
他の二人よりも歌手活動に力を入れてた感じで、ソングライター陣も尾崎亜美さんに奥居香さん、呉田軽穂さん等々、すごかったです。
その中でも特にヒットしたのが小室哲哉さんのプロデュースした曲たちでした。
「TOO SHY SHY BOY!」1992.5
作詞・作曲:小室哲哉/編曲:小室哲哉、COZY
『KIRIN シャッセ』1992
シャッセのCMも印象的でしたが、最大のヒット曲となったこの曲は、作詞・作曲・編曲・プロデュースを小室哲哉さんが行った楽曲です。
trf は翌年1993年からの始動なんで、実は、"プレTK" みたいな位置づけなんですよね。
また、CMや歌手活動だけでなく、ドラマや映画にも引っ張りだこだったのですが、その容姿ゆえ、ほんと静かな美少女的な役も多かったのです。(『もう誰も愛さない』など)
ただ、中井貴一さんと共演したドタバタドラマ『じゃじゃ馬ならし』なんかで活動的な面を見せると、19歳で主演した『ナースのお仕事』ではコメディエンヌとしての新たな一面を開花させて、その後は幅広く活躍しています。
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最近では、2021年の『劇場版 ルパンの娘』に出演してるんですが、深田恭子さんに橋本環奈さんに加えての観月ありささんですから、なんか各世代の美少女勢ぞろい!って感じでしたね。
ー 3M後の2人のカタチ ー
ここまで「3M」の紹介だったのですが、その後、同じようなステップを踏んだ方をもう2人__
■ 内田有紀
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ドラマデビューなんですが、ユニチカのキャンペーンモデルとなって露出が増え、『ひとつ屋根の下』での舞台女優役で注目されて、一気にCM出演が増えた感じでした。
『ロッテ クランキースティック』1993
『アクエリアスネオ 絶海編』1993
「3M」の3人とは、また違ったタイプの美少女の登場でした。
活動的で健康的なイメージだったのですが、ボーイッシュな見た目から、"美少女" というだけでなく "美少年" の部分も持ってたと思うんですよね。
表現的にはアレなんですが、なんか男前だったのです。
そんなイメージも相まって、当時、絶大な人気があったんですが、主演ドラマでは、そんなイメージの役柄も多かったです。
そして、その勢いのまま歌手デビューも果たすことになります。
『17才-at seventeen-』1994
「TENCAを取ろう! -内田の野望-」1994.10
作詞:川咲そら、広瀬香美/作曲:筒美京平
編曲:松本晃彦
正直に言うと、歌手活動はやり過ぎた感がありました。(あんま得意そうじゃないですし…)
多分、過熱する人気の中で、いろんなことするのに疲れちゃったと思うんですよね。
2000年代に入ると、あらためて演技の勉強をするために「つかこうへい劇団」に入り、その後は舞台を中心にしながら役者業を続けています。
近年では、大門未知子の相棒役として欠かせない存在なんです。
■ 広末涼子
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最後に紹介するのは90年代後半に「ヒロスエブーム」を巻き起こした広末涼子さんです。
内田有紀さんと同じショートヘア組なんですが、他にも遠藤久美子(通称エンクミ)さんなんかもいて、ショートヘアの流れがあったんですよね。
まあ、いわゆる正統派の "美少女" ではなかったと思うんですが、少女と少年が同居したイメージの中で、"弾ける" ような可愛さがあったんです。
『P&G クレアラシル』1996
『DoCoMo ポケベル』1996
『クレアラシル』のCMがデビューですが、一気に人気が出たのは、この『DoCoMoポケベル』のCMですね~
元気で可愛いくて、世間の注目を集めました。
『ロングバケーション』1996
個人的に印象的だったのは、ドラマ『ロングバケーション』で、木村拓哉さん演じる瀬名がピアノを教えていた生徒役です。
CMとは違ったキャラだったのですが、私的には、この時に広末さんの持つ "美少女" 性を認識したのです。
そして翌年の1997年には歌手デビューも果たし、出演ドラマも大ヒットで、大活躍でした。
「MajiでKoiする5秒前」1997.4
作詞・作曲:竹内まりや/編曲:藤井丈司
「大スキ!」1997.6
作詞・作曲:岡本真夜/編曲:藤井丈司・山本拓夫
デビューシングルは竹内まりやさん、短いスパンでリリースされた2ndシングルは岡本真夜さんの曲で、どちらも元気少女:広末涼子さんのイメージにピッタリでした。
そして、その直後に出演した『ビーチボーイズ』も話題になったりと、この年の広末涼子さんは最強だったと思います。
アイドル的に大人気だった一方で、1999年の映画『鉄道員』や『秘密』では、印象的な演技を見せてくれてもいて、その後も数々のドラマや映画で活躍しています。
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90年代は、それまでの80年代アイドルの価値観が多様化した時代で、この "美少女" ブームもひとつのカタチだったと思うんですよね。
その他にも、歌って踊れる "沖縄アクターズ・スクール" 系や、オーディション風景をドキュメンタリーとして放送する "ASAYAN" 系など、新たな潮流が生まれてきたのもこの時代だったのです。
(関係note)
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