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期待は、時として希望であり、そして祈りである

Expectation is Hope, Expectation is Prayer.



 村上春樹さんの小説で一番好きなものは?と、きかれたら、、、

 私は迷いながらも『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と答えると思います。



 村上春樹さんの長編#4に当たりますが、「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」という2つの話がパラレルに進行されていく内容で、長編#2の『1973年のピンボール』や、後の#10『海辺のカフカ』や#12『1Q84』とも共通した構成になっています。

 春樹さんのパラレルタイプの作品は、特に好きなのですが、中でも、この作品が1番だと思っています。

 いずれ、春樹作品の考察もしてみたいのですが、今回は、この本の中のシニカルな一言について。



 それは、「ハードボイルド・ワンダーランド」で主人公の一言

 期待するから絶望が生まれる。


 読んだ当時、この言葉のひっかかりが強くて、自分なりにストンと落ちる感じがしたんです。

 なので、自分も、ものごとに期待しすぎないように、また、相手には期待させすぎないように心がけたりしていました。


 まあ、年齢を重ねてくると、絶望することにも耐性ができてくるものなのか、「絶望してもいいから期待したい!」なんて考える時もあったりします。(皆さんもそういうときありませんか?)


 期待しないことは、絶望しないための予防線だと思うのですが、たとえ絶望することが分かっていたとしても、絶望することに怖れてはならない時もあるのです。(川平慈英風に読んでください。)


 期待をするだけで、希望となり、それが願いや祈りに変わったりして、それだけで前向きになれたり…。

 そんな思いを持てるだけで、幸せな気持ちになることがあるのです。




 「イメージのジャンプ力の話」に続いて、村上春樹さんネタとなりましたが、他にも書きたいことがたくさんあったりします。そのうち書くと思うのですが、改めて、自分に影響を与えた作家さんだなあ、ということに多謝です。