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頭が混乱しているので、誰かに話を聞いて欲しくなる ~とあるOLの乳がん日記㊺

45.

とりあえず妊孕性温存の話を聞きに行くために、別の病院に明日行くことになった。

次の日は土曜日だったけれど、予約をねじ込むことができたということで、本当にありがたいと思って、やっぱり自分は運がいいんじゃないかと思った。

最初に告知をされたときみたいに、病院のあとは会社に行く予定だったので、母と駅で別れて会社に向かった。
向かう間もずっと頭の中はいっぱいで、お昼近くになっていたのに、食欲は全然なかった。
私は何かあるとすぐにご飯が食べられなくなるので、今日の朝まで普通にご飯を食べていたけれど、また当分食べられなくなると思った。

会社に着いたら、やっぱり前回と同じように上長に時間をとってもらって、さっき聞いてきた話を伝えた。
仕事に直結するのは、抗がん剤を受けるかもしれないことと、その結果勤怠に影響が出ることだった。
上長はもう、最初のときみたいに驚くような顔を見せないで、そうか、という顔をして、仕事のことは心配しなくていいし、治療に専念するようにと言った。

でも、上長に話したものの、いつまでたっても頭の中の混乱は収まらなくて、もっと誰かに話を聞いてほしいと思った。
だけど、ここまでほとんど、病気のことは言っていなくて、さらに事態が深刻になっているので、今更誰かに話を聞いてもらうにも、誰に聞いてもらったらいいのか、全然わからなかった。

ガンという病気では、家族も第二の患者と言われていて、親しい人ならなおさら、その人にとっても衝撃を与えてしまうと思った。
だから誰でもいいから、話を聞いてほしいけれど、聞いた人が全然ショックを受けない人がいいと思った。

例えば看護師さんとか、私と全然関係ない人ならいいんだと思って、関係ない人なら、その辺の知らない人でもいいんだと思ったけれど、でも、こういうときに、知らない人とどうやって知り合うんだろうと思った。

そして、今思うと、どうしてそれが思いついたのか、本当にわからないけれど、思い浮かんだ言葉を、スマホの検索エンジンに入れて、そのページを開いていた。

それは「おっさん」を「レンタル」できるサイトだった。

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