靴の底がボコっと取れて壊れる ~とあるOLの乳がん日記【136】
136.
外出2日目、この日は昨日時間がなくて行けなかった場所に行くことにした。
母校から徒歩7~8分のところにある、お堀の傍の遊歩道みたいなところだった。
学生時代は、昨日行った神社よりこっちのほうがテリトリーで、よく学校が終わったあとに、友達とコンビニでちょっとした食べ物を買って、ベンチで食べて、お堀ぞいを何往復もしておしゃべりしたりした。
何をそんなに話すことがあるんだろうと思うくらい、おしゃべりをしたし、楽しかった。
緑がたくさんある場所で、たぶん最後にここに来てから二十年以上は経過してると思った。
でも、だからといって、とくに感傷的になることもなかったと思った。
ここに来るのが目的というよりは、歩くという目的のために決めたゴールというだけなので、しばらくそこを歩いたらもういいかと思って、帰路についた。帰りは電車を使った。
病院の最寄り駅に着いて、病院に向かうと、途中に古本屋があった。
だから、そうか、ここで本を買うのもいいな思って、ふらりと立ち寄った。
そうしたら、さっそく昨日コンビニで買ったばかりの本が売っていたので、むぅ、と思った。
そういえば、そうやってこの日も歩いたりしていたら、だんだん靴底がぱかっと剥がれて壊れてきた。
歩くたびに靴がぱかぱかして、どうしようと思ったけれど、まあでも、まだ歩けるだろうと思いながら、歩いた。
でも、ついに横断歩道を渡っている最中にぼこっと完全に分離した。
誰も気にしてないと思うけれど、ちょっと恥ずかしかった。
仕方なく、靴底を手に持って歩いた。
今日の朝、母親に歩きやすい靴を持ってきてほしいと言っていたので、ちょうどよかったと思った。
病院に戻ってベッドで横になっていると、両親が来た。
両親は、先生にどんな感じで治療が進んでいるか確認したいらしかった。
外歩きを始めたこともあって、先生は私の経過は良好だと言った。
そうしたら、今週末は家に外泊していいということになって、それは、明々後日だった。
だから、ここで気を抜かずに、明日も、明後日も、歩いて、どんどん元気になろう思った。
両親が帰ったあとは、やっぱり歩き疲れたみたいで、ぐっすり寝た。
姉が仕事帰りに立ち寄ってくれたけれど、私は寝ていたので、姉は私の顔を見たらすぐに帰ったみたいだった。
あとから聞いたら、私はお休みなの?って聞いたらしかった。
うつらうつらしていたので、ほとんど覚えてなかった。
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