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精神腫瘍科の薬を変えてみたら、少し様子に変化が出る ~とあるOLの乳がん日記【70】

70.

そういえば、薬はやっぱり変わることになった。
私の症状の、太陽を浴びていたら元気になったけれど、ずっと頭の後ろがすーすーする、というのを先生が聞いて、今飲んでいる薬は確かに元気になるものだけれど、薬を変えてみたら、何か変わるかもしれないと言うので、わかりましたと言った。
でも、薬を変えるのは怖いので、いざとなったら飲まなくてもいいやと思った。

部屋を出て、待合室に座って、さっき先生に言われた「入院」という言葉を頭の中で何度も考えたりした。
なんだかんだ言っても、じきに前みたいに戻れると思っていたから、まさかそんなことを提案されるとは思っていなかった。
いつもの看護師さんに話を聞いてほしくて、あたりを見回したけどいなかったので、しばらく待合室で待とうかなと思った。
泣き疲れていたので、少しぼうっとしていた。

待っていても看護師さんは来なかったので、仕方なく帰ることにした。
帰るときにいつもお世話になっている受付の人に話しかけたけれど、忙しそうだったので落ち込んだ。
そんな気持ちのままエレベーターを待っていたら、看護師さんがお昼を買って戻ってきた。

そのことにほっとして、でも長く引き留めては悪いので、入院を提案された話をした。
看護師さんはうんうんと話を聞いてくれて、少しでも話せてよかったと思った。

家に帰って、母親に入院の話をしたら、そんな入院なんて、と言った。
私も聞いたばかりのときは、そんなことできないと思ったけれど、帰っているあいだずっと紹介された病院のホームページとか、口コミとかを見ていて、それで治るなら入院したいという気持ちに傾き始めていた。
とにかく母親が明日一緒に病院に行ってくれることになって、夜になって、新しく処方された薬と水を持って寝床に向かった。

薬を飲もう、と思っても怖くてなかなか勇気が出なくて、たぶん30分は葛藤した。
もしこれでもっと酷くなったらどうしようという気持ちが拭えなくて、ずっと動悸がしていたけれど、やっとえいやっ、という気持ちで飲んだ。
眠くなかったけれど一生懸命心を落ち着かせて目を閉じた。

そうしたら夢を見た。
真っ暗な道をバイクでまっすぐ走っていて、見えるのは、バイクから伸びているライトに照らされた地面だけで、周りも、前方も、何も見えなかった。
なんとなく、さらにスピードを出そうとしたけど、やめた。
やめて、スピードを落としていくと、前方に通行止めのバーが見えた。

もしさっき、スピードを出していたら、ここにぶつかるところだった、と思って、危なかったなと思いながらバーに書いてある文字を読むと、「死への道」と書いてあった。
うわー、危なかった、このまま行ってたら死んでたわと思って別の道へ進路を変えた。

そんな夢を見て、起きたら、首の後ろのすーすーとした感覚が消えていた。だからなんとなく、大丈夫かもしれないと思った。

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smallshel
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