精神腫瘍科の先生に、胸の震えの原因は「恐怖」だと言われる ~とあるOLの乳がん日記【97】
97.
がん患者さんのための建物の別棟で、1人で待っていたらスタッフさんがお茶を持ってきてくれたので、そこでまた話を聞いてもらった。
自分の身体に、異常事態が起きていて、ずっと胸の奥がふるふるして辛いことを話したり、色々また、泣いたりしながら話していたけれど、もう病院の予約時間が迫っていたから、行かなくちゃいけない時間になった。
それにしても、このスタッフさんだってお茶だって、それから場所にだって、お金がかかってるだろうに、それでもお金をとるわけではないので、どうやってこの場所を維持してるんだろうと思った。
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がん患者さんの建物を出て、だいたい30分くらいで病院にたどり着いて、精神腫瘍科の受診をした。
先生に、ずっと落ち着かなくて、しんどい話をして、SNSで教えてもらった原因候補の話をしたら、その薬を出してくれることになった。
でも、先生は、それが原因じゃないと思うと言ったので、じゃあ何が原因なんでしょうか、と聞いたら、先生は恐怖だと言って、私は抗がん剤で、心身に影響が出るくらいダメージを負っていて、それにものすごく恐怖を感じていて、それが原因でずっと震えているんじゃないかと言った。
それを治すには、いままで通り薬を飲んでいくくらいしか、対処法がないということだったので、だとしたら、今の状態はすぐには治らないんだと思って、特に打つ手がないことにがっかりした。
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次の日は、会社を早退して、乳がん患者さんの小規模な集まりに向かったり、別の日には、乳がん患者さんのための建物が夜やっている日があったので、それに行ったり、会社の産業医さんにまた話を聞いてもらったり、会社のカウンセラーの人に話を聞いてもらったり、とにかくひたすら、毎日のように、辛い気持ちを吐き出すことをした。
時間が経過していったからか、少しずつ胸の奥の震えは、弱くなってきたような気がするけれど、落ち込んだ気持ちは全然上がることがなくて、いつも辛い気分になった。
ある日の夜、家のソファで横になっていると、母親が、もう治療も始まって、仕事もしていて、病気の前とあまり変わらないでしょうと、だから元気になってほしいというようなことを言って、励ましてくれたけれど、私はそうだよね、と言って、でも、抗がん剤が終わっても、5年から10年ホルモン療法をして、その間やっぱり今みたいに辛い気持ちで、結婚もできないで、「幸せ」にもなれなくて、再発に怯えて暮らして、じゃあ私はこれから何のために生きるのと、そう言ったりして、そんな気持ちを引きずったまま、3回目の抗がん剤の日になった。
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