そのネココゲタ?と中野サトミについて
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マイページの紹介文にも書きましたが、私、90年代に少女漫画誌「ぶ〜け」でデビューして12年ほど、試行錯誤しながら雑誌を幾つか渡り歩いて、少女漫画のストーリーを作ることに行き詰まりを感じ、漫画業界からフェードアウトしてしまったものです(まだA5版型の美しい「ぶ〜け」でデビューできたという事実だけは今も人生の頂点だったかもしれないと思います...)。
今思えばもっと勉強して幅広い世界を取材したり、別のジャンルなどにもなりふり構わず営業すればよかったなと思いますが、その時はなんだか八方ふさがりな状態で、何が描きたいのかも分からなくなって、もういいや!となっていました。
12年ほど前のことですが、当時SNSがもっと普及してて、活用してたら違ったのかなぁ?(当時はSNSは趣味の洋楽情報収集にしか活用しておらず、仕事の営業ツールとは考えてなかった)。
並行してイラストを描いたり、漫画家さんのアシスタントをしたり、単発のバイトをしてみたり、フラリとアメリカにライブ観に行ってみたり(この辺はまた別の機会に)、音楽ファンジンでレビュー書いたり、友人が企画するアメリカンミュージシャンの来日ライブを手伝ったり(当時はホント趣味に余力を全てつぎ込んでいたなぁ)そこそこそれで楽しく生きていたんですよね。
気ままな生活から一転...
その後、ずっとお世話になっていた漫画家さんが広島に転居され、自分は病気(良性ですが)入院、そして東北の震災でバイトも一旦業務停止。イラストの仕事もいきなり減ってしまい、生活どうしようと思っていたところに週5日のオペレーターの仕事に呼ばれて、当面の生活費にと通うことに。
しかし、定時に帰れるとはいえ片道1時間半の通勤で、絵を描く気力が一気にダウン。もうここでずっと働いて普通の会社勤め(派遣だけど)もいいかな、とすら思って3年が経っていました。後から知った話だと、この頃からSNSやウェブの需要が上がっていたとか...なんか、つくづくアンテナ張るのが下手だったみたいです...
そんな時、以前の職場で知り合った、ご近所の女性から「デザインの仕事をお願いしたいので打ち合わせしましょう」という電話。
喜びいそんで会いに行くと、「子猫が生まれたんだけど、見にこない?」というお話に。
一応、仕事も絡んでるし、まあ、見に行ったところ、そのまま一匹引き取ることになってしまいました。
↑持って帰ってきた夜、洗面器で用を足す、生家での愛称「ゴールデン」
子猫のあまりのエネルギーと多動っぷりに、最初は戸惑っていましたが、だんだん愛情が募ってきて、その挙動を記録しているうちに漫画にしたいとネームを作り始め、珍しく営業を始めたところ、すぐに「ねこぷに」に不定期連載が決まりました。
アビシニアンを飼っている作家さんがいなかったこともあってか、ラッキーな滑り出しで、写真も掲載していただきました。
このこはラッキーをはこんでくれる?!
ネコ愛溢れる作家さんたちの中で、それまでネコに特別な愛情を持っていなかった私の、かなりドライな表現には、異質なところもあったようですが、そこが良いと言われたり。
↑(2019/7/31追加)友人が猫と暮らし始めてから、幼児語使ったり、溺愛してたのにやや引いていたのもあって、可愛いけど素直になれず、ドライに接していたところはあるようです。
漫画を描いている人はみんな自分ちのネコの可愛らしさや面白さを読んでもらって、共感したり笑ったりして欲しいのだと思います。
私の場合、動物番組は好きだけどネコが大好き!ってわけではなく、一人でいるのが大好きだった自分が、変化していく過程も描きたかったのですね…。
↓(2019/7/31追加)変化の過程をザックリ省くとこんな感じです。幼児語とか極力避けてますが「そうだにゃ〜」「辛いにぇえ〜」とか言ってしまうこの頃です...。
しかし、人生そうそううまくはいかないもので、たった半年後にこの連載は雑誌の方向転換により一旦終了となってしまいました…
アンケートにメッセージをくださったものは、ちゃんと受け取っていますし、ツイッターで見つけてくださった方から、再開希望のお声もいただけて、嬉しかったです。当時読んでいただいた方、ありがとうございます。
連載中、3時間かけて通勤していた仕事を辞め、またイラストの仕事を再開しましたが、3年のブランクのせいか、まだまだイラストの業績は上がりません。そして世の中はエッセイよりもなんというか、ちょっとファンタジーなネコ漫画が主流になってきているようです。そんなもので、コゲタの漫画についてはなかなか営業をするのが億劫になっていました。
それでも日々成長して(というかもうオッサン。。。)大きくなっていくコゲタ、今も毎日笑わせてくれます。
やっぱり、このまま埋もれさせるのは嫌だなあ…と思い立ったわけです。で、今更ながらイラストレーターとしてのインスタアカウントも取得。これもなぜ連載当時にやらなかったんだろう、と今思うと不思議です。
ラッキーをはこんでくれなくても、一緒にいると楽しい
先日やっとメディアックスさんから、原稿を返却いただくこと、noteへの掲載を許可していただくことの了承を得ましたので、原稿が返却次第、第一話からこちらに掲載していきたいと思います(7/31追記:メディアックス掲載分は新作と分けて、マガジンとしてアーカイブします)。
SNSから単行本化されて25万部突破とか、そんな夢みたいなラッキーはないだろうと思いつつ、少しでもコゲタというおもしろかわいいアビニャンを愛してくれる人が増えてくれるとうれしいです。
新作も執筆中ですので、ぜひ暖かく見守ってやってください。
ちなみに、藤城清治氏の猫のボクシングは、私の中のベストオブアビニャンです!
(C)Seiji Fujishiro "boxing cat"