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一生の食事の回数は決まっている。自分の料理を通して、もっと食事に興味を持って欲しい|smallkitchens作り手:山崎まりさん

料理が好きな人は、誰もが一度は「料理を仕事にできたらなぁ…」と夢見るもの。

しかし、

「自分の料理が通用しないのでは…」
「自分でお店を出しても、お金のやりくりはできるのか…」。

料理を仕事にするには、たくさんの壁が存在します。

smallkitchensは「料理を仕事に」する "半歩" を後押しする、そんな場です。

集まったsmallkitchensの作り手の方々は、1人ひとり大切にしているこだわりがあり、個性があり、目指しているゴールがあります。

今回インタビューした作り手さんは、山崎まりさんです。

”料理” はマイペースに長く続けられる仕事

ベンチャー企業でシステムエンジニア(SE)として働いていた山崎さん。

SEの特性上、深夜の勤務があったり、ベンチャー企業ゆえの仕事量の多さから、やりがいを感じつつも余裕のない日々を過ごしていました。

「このまま60歳まで働くのはちょっと辛いかも…」と感じ始めていた山崎さんの中に、”料理” を仕事にしたいという願望が芽生えます。

「マイペースにできて、かつ80歳や90歳になっても続けられる仕事と考えた時に、大好きな『料理』がいいんじゃないかと思いました。」

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元々、SEの仕事をする傍ら、フランス料理を学ぶ学校に通っていた山崎さん。ベンチャーを辞めフリーランスになる事でSEの仕事を減らし、ケータリングや料理教室など料理の仕事にも携わるようになりました

「気持ちがガサガサして、イライラしてきたんです」

山崎さんの中に眠っていた、料理に対する想い。それが表れた象徴的なエピソードがあります。

結婚後、仕事の多忙さも相まって料理をする回数が減ってしまいます。そして、スーパーのお惣菜で食事を済ませる回数が増えていきました。

その時山崎さんは、自分の中に芽生えた「違和感」を、敏感に感じ取っていました。

「スーパーのお惣菜は平均的に美味しい味を目指して少し濃いめに作られている事が多いですよね。最初の1日は『美味しい』と思うんだけども、2日目3日目となると自分でも分かるくらいに気持ちがガサガサして、イライラしてきてしまって。」

旦那さんが買ってきたお惣菜の味がイマイチで、喧嘩になることもあったそう。

食事は、自分のからだの源。食事に丁寧に向き合うことは、そのまま自分を大切にすることに繋がるのかもしれません。

食べた人が ”食事” に興味を持ってくれるように

再び、手料理をつくり始めた山崎さん。

すると元々料理なんて無理してしないでもコンビニのお弁当で十分、と言い切っていた旦那さんがある日、スーパーのお惣菜を食べて「美味しくない」と顔をしかめたのです。

「あれ?と思いましたね。」

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自分の料理を通して、食べた人が、より食事を大切にするようになる。その喜びを、山崎さんは噛み締めていました。

「食事を重視していない人も、すごく美味しいものを食べ続けていれば味覚が変わってきたり、食自体に興味を持ってくれるようになるのかもしれない。

自分の料理を通して、食べた人が、より食事を大切にするようになったらこんなに嬉しいことはない、と考えるようになりました。

旦那さんの舌が変わってきた事を感じて、俄然やる気が出たという感じです(笑)。」

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山崎さんがつくった
『ヘルシーだけどボリューミー 絶品 メンチカツ弁当』

一生のうちに食べられる食事の回数は決まっている

料理をしていて楽しい瞬間を尋ねると、

「美味しさを共有できた時ですね。私が『これは絶対美味しい』と思ってつくったものを、食べた方に『美味しい』と感じてもらえたら、すごくハッピーです。」

しかし、ただ「共有したい」だけではないと語ります。

「顔が見える人と共有したい気持ちがあります。料理をする時に、食べる相手が『何を食べたいだろう?』とか『今どういう気持ちだろう』とか、そういうことを想像して料理を作りたいんです。」

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料理を通じて、誰かを思いやり、深く繋がることを大切にしている山崎さん。

最後に、「食事」と「人生」を重ねて、食べる方への願いを語ってくれました。

「1日3食と考えた時に、一生のうちに食べられる食事の回数は決まっているじゃないですか。だから、『すごく美味しかった』と思ってもらえる食事を届けたいと思います」

日常では、人生がその「長さ」を感じさせないように、食事の回数も日々カウントダウンが進んでいる。誰もが生きていくために必ず通る道だからこそ、栄養を摂る以上の意味を追い求める。

食事の時間が人生を豊かにすると信じている山崎さんだからこその言葉でした。

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