大学Nコン・制作論 映像CM編
音声CM編はこちら
今回は映像CM編です。
音声CM編を見てから読むことをお勧めします。
CMの要素
CMには、以下の二つの要素が必要です。
・舞台設定
・メッセージ
この二つがあって初めてCMが形作られます。
逆にこの二つが決まっていれば、脚本を書くのは容易です。
音声CMと同じです。が・・・
映像CMでは舞台設定が若干軽視されている感じがあります。
メッセージ性のほうを大事に、先行で考えたほうがいいと思います。
理由は後述します。
メッセージ
音声CMと同じですが、Communication Messageなので、メッセージ性は大事です。
大事なことは次の二つ。
社会的に意味があること、もしくは共感を得られやすいもの
一文で言い表せるもの、もしくは映像で伝えきれるもの
1に関しては音声CM編と同じなので割愛。
2に関しても、基本的には音声CM編と同じですが、そのメッセージを"映像"で伝えきれるなら、テキスト情報やキャッチコピーを使わなくてもいい場合が一応あります。(「わたし、翔ける。」など)
ただ、上級者向けではあるとだけ・・・
舞台設定
舞台設定ですが・・・音声CMのように自由に舞台を描けません。
映像で宇宙旅行とかの演出はできないですし、できて陸上とかカフェとか、場所のめどが立つものになるのです。
そのため、日常や学校を舞台にするか、PV風にするか、アニメーションを頑張って描くかあたりになることが多いかなと思います。
そのため、舞台設定はあんまり凝れません。
もし凝れたら強いかもしれませんが・・・
要素を決めよう
さて、要素を決めていきましょう。
テーマを起点にブレストしていく手法が効果的です。(音声CMと同じ)
舞台設定に対してテーマを使いにくいので、基本的にメッセージに対してテーマを使うことになります。
またこれにより、映像CMでは、テーマの使い方が被りやすいので、テーマの重複使用・ダブルミーニングなんかも有効です。
(例:「Life is art.」「「枠は苦」を「わくわく」に」)
脚本を書こう・演出を考えよう
要素を決めたら脚本を考えてみましょう。
これと同時に絵コンテを書くのも良いでしょう。
ここで断言したいことが一つ。
映像演出で評価の半分は決まります。
近年の映像CMはある意味で映像コンテスト化しています。
これは、テーマの使い方で差が開きずらいことや映像技術のレベルが高まっていること、脚本の質を見られない(本で語ると低評価につながる)ことなどが影響しているとみられます。
特に、この2年の優勝作品、「わたし、翔ける。」「「枠は苦」を「わくわく」に」はまさに、PV的な映像演出が光っているとも言えると思います。
このメッセージと映像演出のバランスは非常に難しく繊細で、審査運も絡むものですから、ある意味、"いい意味"で諦めて、自分の作りたい作品を作ることを大事にしてほしいと思います。
映像演出については、カメラワーク、カメラ割りなど、たくさんの映像作品から学んでください。それしかありません。
映画、PV、企業CMなど多くのインプット方法があると思います。自分の好きなもの、目指したいものに沿っていろいろなインプットを試してみてください。
そのうえで、アウトプットにも注力していただければと思います。
あと、小道具や場所は決して手を抜かないように。
カメラに映っている範囲はその世界観を形作っていますから、細部に至るまで作りこんでください。
あえてここで脚本について。
出来るだけ少ない言葉でパンチのあるメッセージをテキストないし声で伝えられるといいと思います。
映像にナレーションを乗せる演出がダメなわけではないですが、それが本当に効果的なのか、じっくり考えてみてください。
メッセージをはっきりさせ過ぎるという面でも、脚本で語ることについては、すこしブレーキを掛けながらのほうがいいと思います。ぼくはメッセージはっきりしてたほうが好きですけど
また、映像CMはその特性上、脚本や絵コンテの段階でブラッシュアップしきることが少し難しいです。プロがやってない以上、サークルメンバーなど他人には絵コンテだけだと画や全体像を認識しづらく、「よくわからん」と言われがちです。
ここはある意味自分を信じるしかないかもしれません。
録音・編集しよう
脚本ができたらさっさと作りましょう。
映像でも演技が重要ですが、声というよりは表情が大切かなと思います。
表情でメッセージや感情を伝えきることができると最高です。あと顔のビジュも大事
講評でよく言われることですが、音声処理にも気を付けましょう。
ノイズ処理ももちろんそうですし、音質やアフレコするなら口に合っているかというところもちゃんと確認してください(一敗)。
完成!
完成したら、いろいろな人に見せて意見をもらいましょう。
直せるところは直して、提出します。
最後に
インプット・アウトプットが非常に大事です。
Nコン時期以外でもいろいろな作品をみて、インプットし、脚本の練習をしてアウトプットをたくさんしましょう。
音声CMと違って、民間のCMコンテストは少ないですが、"ACジャパン学生広告賞"はレベルが高くて学びにつながりやすいです。
音声CMは9作品作って優勝2作品、準優勝2作品なので語れるんですが、映像CMは12作品作って最高成績が3位です。
このページは音声CM以上に参考程度にしてください。