大学Nコン・制作論 音声CM編
みなさんこんにちは、SmallBoxです。
今回はよりよい音声CMの作り方について書いてみたいと思います。
CMの要素
CMには、以下の二つの要素が必要です。
・舞台設定
・メッセージ
この二つがあって初めてCMが形作られます。
逆にこの二つが決まっていれば、脚本を書くのは容易です。
舞台設定
舞台設定は、例えば、
「クレーマーが電話をかけてくる」
「『後の祭』という祭りに取材する」
みたいなことです。
舞台設定で大事なのは
特徴的であること
音声で(開幕5秒ぐらいで)世界が伝わること
1について。
基本的に舞台設定が他と被るというのは大きな減点です。
ありきたりな設定というのはできれば避けたほうがいいです。
2について。
音声で伝わりにくい設定というのはやめたほうがいいです。
特にCMは30秒しかありませんから、開幕5秒ぐらいである程度世界が視聴者に見えるようにしないと、メッセージを伝えるための時間が無くなったり、視聴者がついていけなくなったりします。
音声で伝わりやすい設定というのは、効果音で状況がわかるような設定であるとか、最初の一~二文で状況がわかるような設定であるのが良いです。
前者だと、電話・ゲームなど
後者だと、ラジオ番組・表彰式・童話などでしょうか。
お決まりのBGMがあるようなシチュエーションであれば、効果音ではなくBGMを使ってもいいですね(結婚式など)
例外の話を一つ。
全編ナレーションで進むような作品も可能性としてはあります。
その場合、1は特徴がなくなってしまうので、伝え方の脚本に特徴を生み出す必要がありますが、2は考える必要がなくなります。
シンプルになるので、ただの語りに終始しないように気を付けましょう。
ex.「耳をすませば、ほら」「人間味」「枠にはめられるな」etc…
(僕はこのタイプの作品を作るのは得意じゃないです・・・)
メッセージ
Communication Messageなのですから、メッセージ性は絶対必要です。
メッセージ性のないCMは(大学Nコンの場合)CMとは言えません。
メッセージ性で大事なのは
社会的に意味があること、もしくは共感を得られやすいもの
一文で言い表せるもの
1について。
原則どんなメッセージでもいいんですが、CMとしてみんなに伝える意義があるかどうか、そのメッセージに価値があるかどうかを考えたほうがいいです。
そのことを考えると、基本的には社会問題に片足を突っ込むか、世間的に正しいとされているようなことにしたほうがいいです。
前者であれば、「男女差別」「環境問題」など。
後者であれば、「感謝の言葉をかける」「挑戦する」など。
後者を選ぶときに気を付けたいのが、「当たり前すぎるメッセージ」にならないこと。
当たり前すぎるメッセージはみんながもうすでに分かっていることなので、わざわざ伝える意義は薄まります。
すこしズームインしたメッセージにするなどして工夫しましょう。
2について。
CMは30秒しかありません。
30秒で伝えなければならないので、複雑なメッセージや難しいメッセージはそもそも向きません。
そのなかで、「最後の一文」でバシッと決めることができる範囲のメッセージにしましょう。
脚本を書く前に、バシッと決められるような最後の一文を考えておくと、脚本が書きやすいです。
ラストの一文はとっても大事なので、ここは気を付けましょう。
注意点
大学Nコンの場合、"テーマ"が設定されています。
基本的には、舞台設定・メッセージのどちらかにテーマが含まれているようなものにしておくことをお勧めします。
メッセージであれば、最後の一文に自然にテーマを使えるものがベストです。
どうしても、うまくいかない場合はCMの中にテーマを紛れ込ませることも手段の一つではあります。
年によって異なりますが、無理してテーマを使うぐらいなら、紛れ込ませることにシフトしたほうが審査員受けは良いかなぁと思います。
ただし、効果的なテーマの使い方ではないことには留意しましょう。
要素を決めよう
さて、要素を決めていきましょう。
テーマを起点にブレストしていく手法が効果的です。
メモ帳でもノートでも黒板でもいいので、書き出せるだけ書きだしましょう。
発想に発想を飛ばして、何でも書きましょう。
書けば書くほど良いです。
この中からビビッと来たものを採用してみましょう。
舞台設定、メッセージのどちらかにテーマが含まれていれば、もう片方はテーマが含まれている必要はないわけです。
親和性の高いものを探しながら、いろいろ試行錯誤してみましょう。
先にメッセージが決まった場合ですが、そもそも舞台設定は割とパターンが多くないです。
決まり文句があるようなもの(番組、○○式、童話、有名な詩など)は作りやすいので、ぜひパターンとして覚えておいてください。
あまり大学Nコンでは見かけませんが、擬人化も一つの手です(ただし、「音声で(開幕5秒ぐらいで)世界が伝わること」の面で若干難があります、工夫しましょう)。
舞台設定が決まった場合は、意外とメッセージを考えるのに苦労するかもしれません。
もし、日ごろから伝えたいメッセージみたいなものがあれば、親和性があるか確かめてみましょう。
舞台設定からそれっぽいメッセージを発想できるなら、そのまま脚本を書いてみてもいいと思います。
脚本を書こう
とはいっても、要素を決めていればそんなに苦労しないはずです。
おもいのままに書いてみましょう。
書いたあとは読み上げてみましょう。
30秒にしっかり収まるかを確認してください。
結構ギリギリなのであれば、削れるところがないかを確認したほうが良いかもしれません。後々苦労します。
脚本を書いた後は、その脚本を数日寝かせましょう。
寝かせた後、それを見返すと、「ここは変えてもいいな」「ここはこの表現のほうがいいな」ということが自然と思い浮かぶことが多いです。
もし書いた脚本が気に入らないものであっても、寝かせた後であればよい方向に直すことができることもあるので、あきらめないように。
もちろん、ほかのサークルメンバー等がいれば、その人たちに見せて意見をもらうこともとてもいい方法です。ただ、否定ばっかりするような人に見せるとモチベがダダ下がりなので、気を付けましょう。
可能であれば、たくさんの要素のパターンを用意して、いろいろな脚本を書いてみてください。
アウトプットを増やすことはあなたのCMにとってとっても良い経験になります。
音声CMは本当に脚本が大事です。
一文一文、一つの助詞をとっても、納得できる表現を探し続けましょう。
ただ、最初に気の赴くままに書いた表現が一番本音を書けている、みたいなときもあるので、直すときは上書きじゃなくて別名保存のほうがいいかもしれません(ぼくは上書きしちゃうけど)。
あ、最後の一文はバシッと決めてね。
伝えたいメッセージを短い一文でしっかり伝えきりましょう。
録音・編集しよう
脚本ができたらさっさと作りましょう。
録音の音質は非常に大事です。
スマホ録音でもしかたないですが、できるだけ良い環境で撮ることをお勧めします。
編集でのノイズ消しの方法は学んでおくと後々役に立ちます。
演技も重要です。
ラジオドラマほどは重要ではないですが、できるだけ役にはまった人を見つけましょう。
編集ですが、間に気を付けてください。
タイトルコールの後の間はしっかり開けないと視聴者が追い付けません。
それ以外にも立てる台詞は立てる。そのための間や音量を突き詰めましょう。
あと、音量調整は可能ならしっかりしたスピーカーにつなげて、調整できるといいですね。
完成!
完成したら、いろいろな人に見せて意見をもらいましょう。
直せるところは直して、提出します。
最後に
インプット・アウトプットが非常に大事です。
Nコン時期以外でもいろいろな作品をみて、インプットし、脚本の練習をしてアウトプットをたくさんしましょう。
インプットは民間のCMコンテストがたくさんあるので、その作品を見るだけでも全然違います。
音声CM以外の制作論ももしかしたら作るかもしれません。
その時はよろしくお願いします。