大人の週末起業
2019年6月1日初版
著者 藤井 孝一 経営コンサルタント | 中小企業診断士
レコメンド⭐⭐⭐⭐
すべての世代に問う!この先、会社にしがみついて働き続けるか、自分の好きなことで稼ぎ始めるか、あなたはどっちですか?
「週末起業」という言葉をご存じでしょうか?
私は本書を手に取るまでその言葉を知りませんでした。この著者は、今から20年以上も前に「週末起業」という働き方、言い換えれば「副業」に関する書籍を出版し、それがベストセラーになったそうです。
昨今において、ようやく政府の働きかけにより大企業を中心に副業が解禁される動きが出てきました。それでも中小企業においては、副業解禁は、まだ限定的です。
しかし本書によると、会社員をしているうちから「会社員として、いつまで働くのか」について自分なりにプランを練っておいた方がよいとのこと。
実は会社が副業を解禁するのを待たなくても、いまから目立たず始められる副業はあります。会社員をしながら将来の事業の種をまいておき、芽が出たら本業として起業することもできます。
ところで、「人生100年時代」は耳にタコですが、正直これって良いことなのでしょうか、悪いことなのでしょうか?
もちろん昔から長寿は、めでたいこととしてお祝いされてきました。何歳になっても誕生日のお祝いメッセージをいただくと嬉しいものです。
がしかし、私は100歳まで生きて、老人ホームのような施設で誕生会をしてもらっている姿をリアルに想像できません。というか、本音をいえば怖くて想像したくないのです。
あなたは自分が100歳になった姿を想像できますか?
統計データをみれば、日本人の寿命が延びているのは、間違いない事実です。2023年に厚生労働省が公表したデータによれば、平均寿命は男性が81歳、女性が87歳です。2000年時点では、平均寿命が男性が77歳、女性が84歳なので、約20年の間に3~4年寿命が延びていることになります。
これは人々の健康に対する意識の高まりと医療の進歩によるものだと思われます。健康で長生きできるのは幸せなことですが、生きていくためにはお金が必要です。長生きする分、年金だけでは心細くはありませんか?
ご存じの通り、年金支給年齢は繰り上げされています。60歳から65歳までの期間は、再雇用制度か定年延長制度を利用すれば、現職の会社に在籍しながら細々と暮らすことはできるかもしれません。
とはいえ、同じ職場だったとしても、定年後は立場が弱くなります。そうなると、老害だと嫌われないように周りに気を使いながら、やりがいのない仕事をするはめになります。こんな未来を誰も望んではいないのではないでしょうか。
そこで会社員の生活を続けながらも、心を別の場所において「週末起業」すれば、副収入を得ながら本来自分が求めていた仕事を追求することにより、豊かな人生の後半を生きることができるというのが本書の趣旨です。
決してこれは他人事ではありません。日本人なら誰もが60歳以降の生き方をいつか問われることになります。
あなたが100歳まで生きるとして、選択肢は、次の4つです。
①雇用延長で65歳まで働く(余生35年)
②60歳定年退職する(余生40年)
③転職する(余生40年)
④自分で稼ぐ(余生?年)
①と②は会社員生活をまっとうし、退職後を余生としましたが、年金暮らしの余生が長く続きます。
現在のところ、老齢基礎年金は年間約78万円です。厚生年金(国民年金含む)であれば、平均で年間172万円となっています。こうみると、年金って、めちゃくちゃ少なくないですか?
③は定年前に転職をするケースですが、50代での転職は難しいうえに、年収が下がることがほとんどです。それに転職しても、よっぽど有能でない限り、定年が伸びることはありません。
ただ、④の自分で稼ぐことができれば、70歳、80歳になっても健康なうちは働くことができます。余生の年数は自分で決めることが可能です。
この余生シミュレーションは、40代、50代のミドルエイジからしておくとよいと思います。
55歳以上のバブル世代は、消費意欲が旺盛な人が多いことから、生活レベルを落とし節約しながら生活する老後は虚しく感じることもあるでしょう。
そして我々、就職氷河期世代は、人生振り返ってみるとずっと不景気続きで、本当に人生ついてなかったなとしみじみ思います。(泣)
そんなミドル世代に朗報があります!
会社に頼らずとも「週末起業」をすれば、年金以外に収入源が確保でき、老後の生活にゆとりができるかもしれません。
週末起業は、あなたのアイデア次第です。多額の初期投資も必要ありません。いままで培ってきた知識と経験を活かすことで、副収入を得る仕組みを考えるだけです。
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