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人間の二面性を学ぶ

「はぁ!?何それ」

急に不機嫌になり、高圧的な態度になる彼。

その原因はと言えば
私のせいでもあるのだけど…

時を遡ること3ヶ月前。

桜の花も満開の時をすぎ、
散りゆく花びらは
風に乗ってはらりと舞い
道端に積もり始めていた

そんな時に出会った彼とは、
新しいクラスで仲良くなった友達の1人
一度だけ彼の家に集まって
みんなでご飯食べたくらいだったかな
それ以外は受講してる授業があった時に少し話すくらいだった

その彼の家でご飯食べるのに、
色々買い出しに行くことになって
初めて2人きりになった

自然と重い物持ってくれたり、
若干人見知りで男性と話すのが苦手な私に
気をつかって話題をふってくれたり
体格は大きくて怖い印象だったけど
とても笑顔が柔らかくて優しい人だった


そして7月の終わり

「俺と付き合ってくれませんか?」
と告白される

恥ずかしいような嬉しいような…
だけどなんだか不安…

まだ私には恋をする覚悟がなかった
まだ私は彼を好きだと言える自信もなくて
こんな中途半端な気持ちで
彼の気持ちに応えられるのか

嫌いじゃないってだけで
すぐにイエスと答えられない私は
「すこし時間をくれない?」
と答えるのが精一杯だった

電話でのやりとりだったから
その時の彼の表情は
全くわからなかったけど

翌日から実家に帰る予定だった私は
冷静に彼に対しての気持ちを
真剣に考えたいと思っていた

・・・・
・・・・
・・・・

答えがでるようででないままに1週間

待たせすぎでしょ私

待ちきれなくなった彼から電話がかかる


優しい声だった
お試しで付き合ってみてもよかったのかもしれない
だけど
無意識に私の口から出た言葉は
「…ごめんなさい。付き合えない」

きっとこれだけ彼のことを考えても
やっぱり好きって感情が生まれなかったんだろう

相手の表情もわからないまま
数秒の無音が恐怖だった
できることなら顔を合わせて話したかった

すると急に聞こえてきたのは

「はぁ!?」
というまるで別人かと思うほどの
高圧的な怒りに満ちた声

それからは
「ちょっと待ってって、待たされた挙句これ?」
「期待させといてなんなん?」
と、一方的に吐き捨てて
「もういいわ、わかった」

ブチッ!…

切れる電話

しばらく呆然としたあとに
目からひとすじの涙がこぼれ落ちる


しばらくは返事をこんなにも保留にして
彼を怒らせてしまったことに
すごく罪悪感をもっていたのだが

待たせたことで彼の本性が見えた
あのとき
軽い気持ちで付き合ってたらどうなってただろうと

せっかくできた友情すら失ったが
失ってよかったと思えた人間はこれが最初

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