【architect】岡山から発信できること|林業
新国立競技場は建築家隈研吾氏によって設計された
全国の木をふんだんに使うことで日本の資源を活かした設計というコンセプトでコンペを制した
隈研吾氏が言うようにこれからは『木の時代』が来ることは間違いないだろう
というかもう『木の時代』は来ている
欧米をはじめ木を使った技術開発が進み、今では木造のビルも珍しくなくなってきた
10階建くらいであれば問題なく可能だそうで、今後もっと巨大な建築が可能になっていくだろう
そんな『木の時代』にあって、日本の林業は世界的にみても遅れをとっている
国土の3分の2が森林である日本であるが、日本の森林面積の半分以下のドイツの木材生産量は日本の2倍である
それだけ日本の林業は衰退していると言える
衰退の理由は、林業従事者の減少により未整備の森林が増えたこと
一度人工的に植えられた森林は整備をしなければ荒廃し林業として成り立つ木材を生産することはできない
定期的な間伐により光を通さなければ安定的な木材供給はできない
また木材輸入の自由化により安価で安定的な木材が仕入れられることになったことによる、国内での林業従事者の減少をもたらしたとも言える
現在の木造住宅の多くは輸入材に頼っている
ここ最近ウッドショックと言って木材の価格が高騰しているのだ
これはアメリカでの住宅バブルが要因と言われている
建築材料では主に鉄の価格の高騰は今までも度々あり、今も鉄は高い水準だ
木材は比較的安定した価格を保っていて安心していたのだがここに来ての価格高騰は困り物である
そんな日本の林業事情を背景にしながら、岡山県に林業で成功している全国的にも数少ない自治体がある
岡山県の北中に位置し鳥取県との県境にある『真庭市』である
中国山地に位置する真庭市
岡山からも鳥取からもアクセスも悪く行くのも一苦労という街が今注目されているのだ
そんな真庭市の取り組みに注目してみたいと思う
(次回につづく)