【architecture】天井高さ
某ハウスメーカーのCMで俳優の竹野内豊さんが、天井の高い家を建てたものがあった
実は竹野内さんは天井が低くて狭いところが大好きなのを隠しているのが、面白おかしく描かれている
パロディとして描くのはとても面白いと思うが、このCMを見て
『天井は高い方が良い』
と考えてしまうのは安易である
よく住宅の打ち合わせをしていて天井高を高くしたいと言われることがある
部屋の面積をあまりとれないときなど、せめて天井高さだけでも高くしたいと思うのだろう
別にCMの竹野内さんのように狭いところフェチではないが、高ければ良いというのはある意味間違っている
正解には高いところと低いところが両方あって空間に広がりが生まれると考えた方がいい
通常の住宅の天井高さは2m40cmから2m60cmが多いのではないだろうか
法律で決められている天井高さは2m10cmが最低限度である
ちなみに平均の天井高さなのでこれよりも低いところがっても高いところもあれば大丈夫である
また窓の開け方や、そこで何をするかによって心地良い天井高さに設定するように心掛けている
昔の家は天井高さが低いものが多いが、開口の取り方や、壁や床や天井の素材によって決して狭さを感じないこともある
いや、狭いのかもしれないが、スケールが人にフィットしているので心地よさを感じることができるのだ
個人的には、自分が小柄であることもあって一般的なモジュールでできた住宅は体にフィットしない感覚がある
もっと衣服を着るようなスケール感のある住宅が一般的になればと思ってしまう
少し前にZOZOTOWNの前澤社長がZOZO SUITSなるものを開発していた
個人の体型を徹底的に計測して、服を販売するシステムだ
残念ながら結果失敗に終わり今は生産中止になっているが、僕はなかなか面白いアイデアだと思う
建築家の中村拓志氏は人間の座るときや立ち上がるときの動き、木々が風に揺れる動きをコンピュータ解析して建築化することで生まれる快適性を形にしていたりする
『大は小を兼ねる』とは言ったものだが
なんでもかんでも大きければ良いわけではない
服でも家でも身の丈に合ったものを身につけることが心地よさを生むのではないだろうか