【architecture】Ribbon Chapel|中村拓志NAP
広島尾道の穏やかな瀬戸内海を望む高台にそのチャペルはある
中村拓志氏設計による『Ribbon Chapel』である
文字通りリボンをかけたような美しい建築である
瀬戸内海の穏やかさと、そこにそっと置かれたプレゼントのような建築が見る人も、そして体験した人を感動させる
中村氏の建築の特徴は、人の動きや自然の流れを徹底的に把握して、それをそのまま建築化することだと思っている
木々の中に溶け込むようにつくられた『Dancing trees, Singing birds』や、
カットする人の動きや、お客さんの目線を徹底的に観察する事で生まれた形態が特徴的な
『Lotus Beauty Salon』
人が寝そべったり、座ったり、寄り添ったりする形をそのまま内部と外部に表現した、初期の住宅作品の
『House SH』
などなど、ひとつひとつの作品にしっかりとコンセプトとそれに伴う検証がされた密度の濃い建築ばかりのように感じる
『Ribbon Chapel』においては、これから夫婦になる2人がリボンの端と端に見たてられたスパイラル状の道を瀬戸内海の風景を眺めながら登ると最上部で出会うというロマンチックなストーリーが描かれている
建築に体験(ストーリー)を与えると言う、動的な思考が感じられる
また構造的にも一体どうやって建っているのか不思議なほどリボンが浮いているように見える
尾道は坂の町で、山と海の距離が近いのが特徴である
他にも千光寺や安藤忠雄氏設計の尾道市立美術館、谷尻誠氏設計のONOMICHI U2などなど見所がいくつもあるところである
是非とも訪れてもらい瀬戸内の良さを実感して頂きたい!