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【book】ブックオフが教えてくれたこと

昨日のnoteに敢えて書かなかったが、本屋激戦区『津田沼』の中でも、異彩を放つのが”ブックオフ”である

都心から離れた郊外で育った私にとってはブックオフは様々なことを教えてくれた


ブックオフは90年代に一躍ヒットした「新古書店」と呼ばれる新しい古本屋の形態を作り上げた。

古本屋のこれまでのイメージを払拭するような店構えは業界にイノベーションを与えた

古本屋には、本の目利きが必要で本の値打ちが分からなければ経営できないものとされてきた
しかし、ブックオフは今でこそ見直されたが、基本的に定価の半額で売ることがルールだった
金額が下がる要因としては本が綺麗かどうかで決まる
そしてその値段で長く売れない本は、105円均一棚に納められる

こうすることで大量の本をなんの知識もないアルバイト店員でも値付けが出来るようにした
そして、作業の簡略化により全国に店舗を一気に拡大していったのだ

これは今まで古本を扱ってきたプロ達には迷惑極まりない暴挙であったが、客目線ではなんともありがたいシステムだった

普通ならプレミアがついてもおかしくない本が定価の半額もしくは105円で手に入る
まるでトレジャーハンティングの如くブックオフを隅から隅までローラーしていた日々

神保町では古くて希少な安藤忠雄やザハハディドの作品集が105円で売られていたり
司馬遼太郎の『竜馬がゆく』は全8巻を105円でコンプリートした
遅咲きデビューの『ワンピース』も40巻くらいを大人買いする事で時代の波に追いつくことが出来た
サラリーマン時代には営業をサボってはブックオフで『課長島耕作』でコンプリートし、サラリーマンとはなんぞや?を教えてもらった

新刊書店にはない、暴挙とも取れる値付けと、良い意味で偶然の出会いを感じさせられるいい加減な本の配列が生み出す、あの”ゆる〜い”空間がたまらなく好きなのだ

“ゆる〜い”ついでに言うと入店すると起こる
『いらっしゃいませ、こんにちわ』
のやる気のないやまびこもたまらない

サンドウィッチマンのコントを思い出さずにはいられない


ブックオフが起こした古本屋業界に起こしたイノベーションは計り知れないものがあるのだろう
客としては立ち読みOKだし、CDやDVDもあって便利だし貧乏人にはなくてはならない存在だ

また業界的にも、”せどらー”と呼ばれる転売目的の客もブックオフに寄生するようになる

彼らは105円均一棚から高値の本を見つけ出し、転売する事で生計を立てていた

数時間も居座り、街から街へブックオフをはしごし続ける様はまるで寄生虫だ

さすがのブックオフも値付けを見直す事で寄生虫退治をするようになったが、セールでは相変わらず雑誌全品半額、小説全品半額など派手な企画も度々行われた


今でこそAmazonで中古本を買えば安く簡単に手に入る時代だが、ブックオフを隅から隅まで探してお宝探しをする感覚は最高の楽しみである

そうこうしてるとブックオフ行きたくなってきた

では行ってきます!

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