闘病中SNSに救われた話【胞状奇胎-番外編】
もともとSNSが好きな方だ。
世界のトレンド、煌びやかな世界、家事育児のライフハックにレシピ。なかなか会えない友人とも気軽に繋がりを深められる【instagram】
網羅的に浅く広く、様々な情報や色々な方の思考や人生を覗き込める【X】
そして殆ど開かなくなったが、時折かつての職場の仲間や古い友人との生存確認をし合える【Facebook】
病気がわかった時、この中で一番辛かったのが【instagram】だ。
8月には退職、12月には海外出産とハッピーロードを思い描いていた矢先の、流産・2度の手術・救急搬送・入院ラッシュに抗がん剤治療。
世界があまりにも変わりすぎて、
アプリを開いた瞬間に飛び込むキラキラした世界が、ぽっかり穴の空いた私のズタボロの心身をさらにえぐる。
余りに堪えてしばらくの間そっと離れていた。
そして、これまで殆ど見る専門だった【Twitter(現在はX)】が私の心の拠り所になった。
リア友が一人もいないアカウント。
大好きなサカナクションの動向確認をするためだけに作っていたものを使用し、治療中の辛い気持ちを秘密の箱の中に一つづつ吐き出しながら、心を整理する気持ちで、久しぶりにTwitterの投稿を始めた。
Twitterには闘病日記や治療情報をキロクしてくださっている先輩患者さんが沢山いた。
治療や副作用の経過、様々な工夫や不安の声、前向きな姿や完治後の明るい話題などを必死に読み漁り心の穴を塞いでいった。
そして何より、同時期に胞状奇胎を患っていた闘病中の方々と沢山繋がることができたことが本当に嬉しかった。
副作用対策や治療経過などを情報交換したり、辛い時や不安な時はTwitterに気持ちを吐き出したり、温かい言葉をかけ励まし合った。
新たに罹患した方が読み返しをしたり込み入った相談もし易いように、Twitterでの繋がりを元にLINEのオープンチャットも作り参加を呼びかけたりもした。
みんな置かれている状況はそれぞれだけど、「私たちは本当に頑張ってる!」と称え合うことで、逃げ出さずに翌週もまた治療に向き合うことが出来た。
夫は海外赴任中で弱音を吐き出せる場所がなかった私にとって、SNSでのこの繋がりがとても温かくまた勇気付けられる大切な場所になっていた。
胞状奇胎は希な病気で年間200人程度と言われている。
流産が絡むので周りにも話しづらい。
理解を得づらい孤独な疾患だ。
通院中の大学病院でさえ、オリンピック程度の頻度でしか侵入奇胎の患者は現れないなんて冗談を言われていたので、Xを辿った時、こんなにも沢山の仲間がいたのかととっても安堵し嬉しくなったのを覚えている。
最後に、もしこれを読んでくださっている方で、
今まさに胞状奇胎で孤独と闘っている方がいたら、
XやLINEのオープンチャットで[胞状奇胎.侵入奇胎]等のワードで検索してみてください。
経験談や闘病記録が少しでも助けになれば嬉しいです。