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アンゴラのラウンダバウト (環状交差点)
アフリカのポルトガル語圏の町々には
ラウンダバウトが多く、
アンゴラは初めてという人の中には
首都ルアンダの市街地を車で走っていると、
「この町にはラウンダバウトが多いようですが、
パリなどのように放射状になっているのですか」
と聞かれることがあります。
それに対して私は、
「いいえ、『牛の胃袋状』です」
と答えることにしています。>笑
ルアンダの市街地って、こんな ↓ 感じで、
直線をガガーっと、一気に走れる道が少なく、
ちょっと行っては突き当り、
もうちょっと行ってはラウンダバウトをぐるりと回り
の繰り返しで、
どうしても
ホルモンの「ハチノス」状になっているようにしか
思えないのです。>爆!
*****
そもそも信号なしでも道路交通をスムーズにするために
考案されたはずのラウンダバウトですが、
車が増え過ぎると上手く機能しなくなるもので、
とくにアンゴラ共和国の首都ルアンダでは
2002年の終戦以降
交通渋滞がどんどん深刻になり、
復興のピークであった2005年頃~2011年頃は
交差点でもラウンダバウトでも、
車同士がガチガチに固まってしまって
動けなくなっているようなことが日常茶飯事となりました。
そんなある時、ある駐在員の方と話していると、
私が通訳として同行していた人が、
「この町のラウンダバウトのルールがどうなっているのか
どうしても分からないんですが…」
と訊ねました。
すると、その駐在員の方が、
「実はですねぇ、ローカルルールなんですよー。
しかもラウンダバウト毎に暗黙の了解があってですね…」
と。
「ガガーン!!」
私は無頓着なボケボケ人間なので、
ただルールなんてあってないようなものなんだろうと
漠然と思っていただけだったのですが、
そんな「暗黙の了解」があったとは…!
「却って恐ろしい」としか思えませんでした。
*****
このラウンダバウト、
ブラジルのポルトガル語(伯葡語)では、
Rotatória【ホタトーリア】、
ブラジル以外のポルトガル語(欧州葡語)では、
Rotunda【ろトゥンダ】
と呼ばれます。
どちらも「回る」という意味の
「rodar(伯:【ホダール】、欧:【ろダイレ】」
という動詞に由来します。
(なのにお揃いじゃないのが毎度の伯欧両葡語流…。)
伯葡語の Rotatória【ホタトーリア】は、
「ロータリー」に似ていて覚えやすいですね。
一方、
欧州葡語の Rotunda【ろトゥンダ】は、
英語の Rotunda(ロタンダ)と同じく
「トップがドーム状になっている円筒状の建物」
という意味の建築用語としても使われるものなので、
ちょっと紛らわしいような気もしますね。
*****
最後に、おまけ情報です。
トップ画像はアンゴラ共和国中部ウアンボ (Huambo) 州の
州都ウアンボ (Huambo) 市の
アンゴラ一美しいともいわれるラウンダバウトです。
標高 1700 m 程度の高地にあるウアンボ市は、
気候条件が良好で、
植民地時代は
「Nova Lisboa【ノーヴァ・リシボーア】」
(= ニュー・リスボン)
と呼ばれて栄え、
独立戦争後、内戦にさえなっていなければ、
アンゴラの新たな首都になる筈だった、美しい町です。
本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!
※ 「暗黙の了解だっとは!」、否、
「ビックリマーク 猫」はこたつぶとんさんの作品です。