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「オーヌ」と「オヌー」

トップ画像:Miguel Á. PadriñánによるPixabayからの画像

「国際連合」、いわゆる「国連」のことを

ポルトガル語では

「Organização das Nações Unidas」

(ブラジル:オルガニザサゥン・ダス・ナソンィズニーダス
(その他葡語圏:オルガニザサゥン・ダシ・ナソンィジューダシ)

といいます。

口語では、
英語で“United Nations”というのと同じように、
「Nações Unidas」
の部分だけ言うのが通常です。

英語で「UN」と表記する場合のような略称は、
「ONU」
となります。

ブラジルでも、その他の葡語圏でも、
新聞などに出てくる略称は、
「ONU」
なので、ポ語圏全域の人が、この略称を見て、
「国連」だとわかります。

*****

それがどうしたかと?

問題は、発音です。


「ポルトガル語には、
「語尾が『子音+U』の場合、
その最後の音節にアクセント部がくるように読む」
というルールがあります。

それに則って、
ブラジル以外の葡語圏では
「ONU」を
「オヌー」と、
ヌー」の部分を強く読みます。

一方、
ブラジルでは
「ONU」を
オーヌ」と、
オー」を強く読みます。

何故かというと、

「オヌー

などと発音すると、
ブラジル人が一斉に、

「オヌーだって!」

「オ・ヌー みたいじゃん!」

と、絶賛大爆笑してしまうからです。

*****

「オ・ヌー」とは何かというと、

「O nu」と書いて、

英語で言うと、「The naked」

つまり、

「ザ・はだかんぼ」

という意味なのです…。

*****

なんでもかんでも、
「そっち系のギャグ」になるネタが
転がっていたら、

取り敢えず
突っ込んだり、からかったりするのが
流儀になっている人口が40~50%、

そういう人がいるのを不愉快に思って
「こうなるのが分かっているのに
何故こういうネーミングにするのか」

と、必要以上に立腹する人が20%程度、

「どっちも馬鹿なんじゃないの?」
と思ってる人が残り30%程度

という人口分布のブラジルなので、
恐らく政府とミディアが結託して
「『ONU』は『オーヌ』と読みましょうね」
ということにしたんでしょうね…。

*****

で、
「『ONU』は『オーヌ』だ」、「『ONU』は『オーヌ』だ」
と、子供の頃から洗脳されたブラジル人ですが、

近年は、
「援助を施す側」、つまり
「ドナー」の一員として
アフリカ葡語圏諸国へ行くようなことも
増えてきています。

ですから、

「それ系」の会議やプレゼンにおける
ブラジル人を見ていると、

一瞬口ごもった挙句に、
「Nações Unidas」と言ったり、
やっぱりプライドが許さないから
ブラジル風に「オーヌ」と言ったりしているのを
見ることができるわけでして、

その人がそこに行きつくまでの
過程を想像すると、
結構笑えてしまったりします。

あ~、またアフリカに行きたいナ。>笑

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本日もお読み頂き、ありがとうございました!

※「落語家の猫」さんは、こたつぶとんさんの作品です。


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