サンシェードでフロントガラスを覆い、昼寝するパイロット
そう。
今日は
「サンシェードでフロントガラスを覆い、
昼寝してしまうパイロット」
のお話です。
そしてこれは
飛んでいる飛行機のお話です。>笑
しかも、
「ま、二人いるんだから構わないでしょう」
って話ではありません...。
機長も副操縦士も二人とも寝ちゃうのです。>笑
それも、
たまたまのことではありません。
毎回二人とも寝てしまいます。>爆!
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あっ、なんでパイロット達が寝てるのが分かるのかと?
それは、十数人しか乗れない小型のプロペラ機で、
操縦エリアと客室エリアに
仕切りなどがないからです。
で…、どこの話かと?
アフリカのアンゴラ共和国です。
🛩🛩🛩🛩🛩
戦後まもないアンゴラ共和国に
気軽に使えるとっても良い国内線の
プライベートエアラインがありました。
小さなプロペラ機2~3機のみを駆使して
日替わりで首都ルアンダから
国内の7~8都市程度への
定期便を運行している会社でした。
アンゴラ航空を初めとする
他のエアラインの国内線を利用しようとすると、
貧民窟の先にある
小さくて、ボロくて汚くて暗い国内線ターミナルに
3時間も前に出向かねばならず、
兵隊に機関銃を付きつけられたり
「金くれ虫」を必死に追い払ったりしながら
ストレスで1日分の体力も気力も使い果たして
ようやく飛べるといった塩梅なのが、
そのプライベートエアラインを使えば、
1時間前に行ったので充分な
ターミナルが別個にあるので、
ストレスフリーのチェックインを行い、
客が揃ってさえいれば、
「ちょっと早いけれど、そろそろ行こうか」
と機長が声を掛けてくれるので、
予定より早く着いてしまうこともあるほどです。
ただ、その日の客数によって機体が異なり、
大きめで古めで速度が遅くて
揺れると何気に翼がパタパタと羽ばたく機体か、
小さくて多少新しくて速い機体かになるため、
飛行機に乗り込む直前まで
飛行時間が全く読めません。>笑
その頃は既に2000年代で携帯電話がありましたので、
パイロット達のあとを歩いていって、
乗り込む飛行機が分かった時点で
「今乗るところ。遅い方の飛行機だから、
着くのは〇時頃になるわね」
といった具合に
行った先の空港に迎えにくる運転手に連絡をし、
また、
外で念の為待たせてあった車には、
「無事乗れそうだから、15分以内に
再び連絡しない限りは帰っていいよ」
などと伝えます。
🛩🛩🛩🛩🛩
このようにして無事飛び立ち、
巡航高度に達してしまうと、
パイロット達は、しばらくはすることが何もありません。
しかも、我々の行先へのフライトは、
ちょうど真正面から日の当たる方向なので、
古くてのろい飛行機だと2時間半ほどかかる
我々の行先までその陽射しを浴び続けたら、
パイロットが溶けてしまうかもしれません。>笑
従って、そそくさに
サンシェードでフロントガラスを覆い、昼寝をする
というわけです。 >爆!
🛩🛩🛩🛩🛩
そんなんで、コワくないのかと?!
う~ん...、正直最初の一回目はちょっと不安でしたね…。 >笑
でも、一般の国内線ターミナルの恐ろしさとは
比べ物にもならないし(笑)、
時間が来ると、ブザーが鳴って
なんだかんだ言っても
熟睡したりはしていないパイロット達が
サンシェードを外して
問題なく着陸態勢に入りますから、
「やっぱりこのフライトが楽ちんでいいですねぇ~」
とか言いながら乗っていました。 >爆!
🛩🛩🛩🛩🛩
ま、たとえすることがないからと言っても
日本のパイロットは寝ちゃったりはしないでしょうから
珍しい良い経験をしたと思っています。
で、この便利なプライベートエアラインはというと、
空のトラフィックも忙しくなった今日では、
流石にそのような呑気な運行をしていると危険だ
ということになり、
一旦運行停止処分になった後、
今はカーゴエアラインになっているようです。
🛩🛩🛩🛩🛩
本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!
※ 「ちょっと疲れるけれど、飛ぶのはやっぱり箒が一番ネ♪」、否、
「飛び疲れて眠る魔女と黒猫」はこたつぶとんさんの作品です。